上 下
9 / 35

9◆ランバート視点

しおりを挟む
「………なんで?」

翌朝。

目を覚ますと、そこは俺の部屋じゃなかった。

というか、見覚えがあるぞ。

ここ、ルーカスの寝室じゃねぇか!

俺の横でスヤスヤ寝ているイケメン変態野郎(ルーカス)を、俺は平手打ちで起こす。

ペチン!

起きなかった。

はい、もう一度平手打ち。

ペチン!

起きなかった。

ペチン!

起きなかった。

ペチン!

起きな……いや、これ起きてるわ。

………ルーカス、はぁはぁ言ってるから。

「起きてるなら起きろ!」

「ふふふ………。朝から最高でした。ありがとうございます!」

うっとりしているルーカス。

「そんなことより、俺はなんでルーカスの寝室にいるんだよ!」

「今日から同棲しようと思いまして。もう引っ越しは済ませましたし、あの家も解約しました。今日から、この家で私と愛を育みましょうね♪」

「ふざけんなーーー!!」

「ちなみに、ランバートの職場にもランバートが辞めると伝えましたよ。今日から、私の店で一緒に働きましょうね♪」

「何してくれてんの!?それより俺の荷物は!?」

「あぁ、こっちですよ」

俺は、ルーカスにお姫様抱っこされて部屋を移動する。

………ねぇ、お互いに全裸で移動は絶対よろしくないと俺は思うんだがな?



寝室の隣の部屋に、俺の荷物と俺の家の家具が置かれていた。

「家具の位置決め、買い換えが必要な物、いらない物、大切な物、わからないので、全部この部屋に置きました」

俺……本当にルーカスと一緒に住むの?

ちょっと精神的にやられた俺は、しばらく一人にしてくれ。ぐすん。


しおりを挟む

処理中です...