天使と悪魔と保護者のお兄さん

ミクリ21

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16◆シュバルツ視点

病院でリコルを診てもらうと、身体には異常はありませんでした。

しかし、精神的な問題はあるようです。

何らかのトラウマにより、過呼吸になったのではないかと医師は言いました。

トラウマと言われ、予想できることはグレイとリコルの両親のことです。



「パパ、心配かけてごめんね」

「リコル、謝らなくていいんですよ。それより、具合はどうですか?」

「もう大丈夫」

帰宅してからしばらくは、ベッドでリコルを寝かせていました。

夕御飯前にリコルは起きましたが、とても元気がありません。

私はリコルの頭を撫でて、安心させるようにその小さな身体を抱きしめました。

「リコル、辛いことは全部パパに話してください。一人で抱え込まないでください。私達は家族ですよ。だから、もっと甘えてください」

「パパ……僕ね、不安なの。また失わないか、不安なの。だから、パパと離れたくなかったんだよ。ママと一緒が嫌なわけじゃなくて、皆で一緒にいたいの。怖いよ……怖いよ……!また失うかもしれない!グレイも、パパも、ママも、いなくならないで!もう大切な命を消さないで!」

「リコル!!大丈夫ですから!パパもママもグレイも、誰も失いませんから!誰の命も消えませんから!大丈夫ですよ!だから、安心してください。大丈夫ですからね!」

「うわぁーーーん!!」

錯乱しているリコルを必死に慰め、落ち着けると、リコルは大きな声で泣き叫びました。



大きなトラウマを抱えているグレイとリコル。

私は、もう少しそのことについて考えてあげるべきでした。

今後は気を付けようと、私は心に誓いました。
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