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チンコが逃げた………「は?」

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ラフィは、暗い表情でやってきた友人アレクシスの事を心配して、お茶とお茶菓子を出した。

「何かあったのか?」

「あぁ。聞いてくれ………」

とても深刻そうで、ラフィは真面目に聞く態勢に入った。

しかし、アレクシスの次の言葉を聞いて、ラフィの時が止まってしまった。

「俺のチンコが、駆け落ちして逃げてしまったんだ」

「は?」

「俺のチンコが、駆け落ちして逃げてしまったんだ」

「………」

時が止まってしまったラフィに対して、大事なことだから二度言ったみたいな感じの顔をしているアレクシス。

ラフィは………。

「チンコは逃げ出すものじゃない。何言ってんだ」

からかわれたのかと呆れと軽蔑の眼差しを向けながら、アレクシスにそう言った。

けれど、深刻な表情はやはり変わらず………。

「なんなら見るか?」

「やめろ。汚物を見せるな。ふざけているのか。こちとら心配してやったんだぞ?」

「本当の話だ。信じられないなら見たらわかる」

椅子から立ち上がり、ズボンとパンツをいきなり脱ぎ始めたアレクシス。

ラフィは、もう何を言ったらいいのやらという気持ちで呆れていた。

しかし、そこにアレクシスのチンコはなかった。

ラフィは素直に驚いた。

「チンコどうした!?」

「だから、駆け落ちして逃げた」

「………」

アレクシスが言うには、チンコが理想のアナルの持ち主を見つけ、その人について行ってしまったらしい。

意味がわからん!

そもそも、チンコは胴体から自分の意思で離れていったりしないものだ。

お前のチンコはどうなっているんだ!?

「俺のチンコは今頃、その人の元で幸せにズコパコやっているだろう。だが、そのせいで俺がチン無しになってしまった。どうしよう?」

「………玉も取って、女にでもなれば?」

「なるほど!その手段があったか!ちょっと病院行ってくる!」

そう言って、アレクシスは走ってどこかに行ってしまった。

本当に病院に行くんだろうか?



数日後。

「ラフィ!アタシ、立派なオネェになれたわよ!実は素質あったみたい♪うふん♂」

「お…おう………」

久しぶりに会ったアレクシスは、完全に女になっていた。

胸はどうなっているのかわからない。

………詰め物なのか、それとも胸筋なのか。

メイクもして、女装もして、髪はおそらくウィッグだろう。

今では、ただごっついだけの完全な女だ。

多分需要はあるだろう。

「ねぇ、ラフィ。アタシ実は、前からラフィのこと素敵だと思っていたの。だから、アタシと良い仲になりましょう?」

「え?」

次の瞬間、アレクシスは躊躇なくラフィに襲いかかった。

そして、ラフィはあっけなくも童貞を卒業させられてしまったのだった。



「大丈夫よラフィ!アタシ、ちゃんと責任取るからね♪」

「こ…腰が……」

散々アレクシスに腰を振られて、ラフィが攻めであるはずなのに、ベッドの住人と化したのはラフィの方だった。

絶倫なんて聞いていない!

そしてなし崩し的に、ラフィはアレクシスの恋人になったのだった。



めでたしめでたし♪
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