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3◆ランス視点
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僕は、最近森で生まれた。
この世界で野良魔王と呼ばれる種類の僕は、一人で泣いていたところを心優しいお兄さんに拾われたんだ。
そして、お兄さんに飼われることになった。
僕はお兄さんにランスという名前を名付けてもらって、とてもかっこいい名前だなと嬉しかったりする。
お兄さんはルーゼンという名前の人で、ここで家族と離れて暮らしているそうだ。
家族は、父親と母親と幼い弟がいるらしい。
弟とは、かなり歳が離れているんだって。
「ルーゼン、その怪我どうしたの?」
ルーゼンの背中の怪我を見て、僕はそう聞いた。
ルーゼンはその怪我のことを、幼い弟を守るために負った怪我だと説明してくれる。
ある日、幼い弟を剣を持った男が殺そうと襲いかかってきたそうだ。
それで、弟を庇い負った怪我。
今は、療養中なんだそうだ。
「痛そう………」
「もうだいぶマシになったんだよ。ちょっと後遺症があるけど………」
僕はルーゼンの、その背中の傷痕を指で撫でる。
その痛そうな傷跡を癒したいと思った。
僕に、初めて声をかけてくれた心優しいルーゼン。
彼の笑顔が見たい。
何かを堪える弱々しい笑顔を、輝くような…大輪の花が咲くような…そんな笑顔にしたいと僕は思うんだ。
………だからだと思う。
どうしてそうできたのかは分からない。
けれど、手に力が集まっていったんだ。
気が付いたら、ルーゼンの背中の傷痕が跡形もなく綺麗になっていた。
「ルーゼンの傷痕、なくなったよ!」
「え!?」
驚くルーゼンの表情に、微笑を浮かべる。
僕は、そっとルーゼンの背中にキスをしてみた。
綺麗になったルーゼンの背中。
僕の大切な人の背中。
僕が治したんだと思うと、なんだかとても嬉しくなってしまう。
僕はルーゼンを抱きしめて囁いた。
「ねぇ、ルーゼンと子作りしたい」
「ふぇ!?」
本能のようなこの感覚。
大好きなルーゼンへの熱い気持ちを、ルーゼンにぶつけたくて堪らない。
ルーゼンと子作り(交尾)をしたくて、僕の体が興奮してしまう。
ルーゼンに、僕の子を生んでほしいんだ。
そんな気持ちを抱いて、ルーゼンの身体を組み伏せた。
「え…あ…え!?待って!ここ浴室だから!せめてベッドにして!?……って違う!!」
言われて気づいたけど、確かに浴室で初めての交尾をするというのは流石にロマンも何もあったもんじゃない。
ちょっと急ぎすぎたね。
ベッドに移動してから、改めて組み伏せようと思うよ。
ルーゼンは慌てふためいて、とても可愛いとなんだか微笑ましくなってしまった僕だった。
この世界で野良魔王と呼ばれる種類の僕は、一人で泣いていたところを心優しいお兄さんに拾われたんだ。
そして、お兄さんに飼われることになった。
僕はお兄さんにランスという名前を名付けてもらって、とてもかっこいい名前だなと嬉しかったりする。
お兄さんはルーゼンという名前の人で、ここで家族と離れて暮らしているそうだ。
家族は、父親と母親と幼い弟がいるらしい。
弟とは、かなり歳が離れているんだって。
「ルーゼン、その怪我どうしたの?」
ルーゼンの背中の怪我を見て、僕はそう聞いた。
ルーゼンはその怪我のことを、幼い弟を守るために負った怪我だと説明してくれる。
ある日、幼い弟を剣を持った男が殺そうと襲いかかってきたそうだ。
それで、弟を庇い負った怪我。
今は、療養中なんだそうだ。
「痛そう………」
「もうだいぶマシになったんだよ。ちょっと後遺症があるけど………」
僕はルーゼンの、その背中の傷痕を指で撫でる。
その痛そうな傷跡を癒したいと思った。
僕に、初めて声をかけてくれた心優しいルーゼン。
彼の笑顔が見たい。
何かを堪える弱々しい笑顔を、輝くような…大輪の花が咲くような…そんな笑顔にしたいと僕は思うんだ。
………だからだと思う。
どうしてそうできたのかは分からない。
けれど、手に力が集まっていったんだ。
気が付いたら、ルーゼンの背中の傷痕が跡形もなく綺麗になっていた。
「ルーゼンの傷痕、なくなったよ!」
「え!?」
驚くルーゼンの表情に、微笑を浮かべる。
僕は、そっとルーゼンの背中にキスをしてみた。
綺麗になったルーゼンの背中。
僕の大切な人の背中。
僕が治したんだと思うと、なんだかとても嬉しくなってしまう。
僕はルーゼンを抱きしめて囁いた。
「ねぇ、ルーゼンと子作りしたい」
「ふぇ!?」
本能のようなこの感覚。
大好きなルーゼンへの熱い気持ちを、ルーゼンにぶつけたくて堪らない。
ルーゼンと子作り(交尾)をしたくて、僕の体が興奮してしまう。
ルーゼンに、僕の子を生んでほしいんだ。
そんな気持ちを抱いて、ルーゼンの身体を組み伏せた。
「え…あ…え!?待って!ここ浴室だから!せめてベッドにして!?……って違う!!」
言われて気づいたけど、確かに浴室で初めての交尾をするというのは流石にロマンも何もあったもんじゃない。
ちょっと急ぎすぎたね。
ベッドに移動してから、改めて組み伏せようと思うよ。
ルーゼンは慌てふためいて、とても可愛いとなんだか微笑ましくなってしまった僕だった。
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