ラグナーとルチアーノと、森暮らしの裸族な隠居魔王

ミクリ21

文字の大きさ
3 / 19

3◆ラグナー視点

しおりを挟む
どのぐらいの時が過ぎたのだろうか?

やっと泣き止んできたルチアーノの目元は、暗くてよくみえないがきっと腫れてしまっているだろう。

冷やしてやりたいが、私もルチアーノも寝間着姿で捨てられて何も持っていないんだ。

だが、ここでじっとしていることはできない。

「ルチアーノ。落ち着いたなら、安全な場所を探しますよ。あんな女のせいで死んだら、あの女の思う壷ですからね」

私は、ルチアーノの手を繋いで一緒に歩き出した。

どこが安全なんてわからないが、ルチアーノを危険には晒したくない。

森の奥へ奥へと進んで行くと、明かりがみえてきた。

こんな森の奥に誰かいるんだろうか?

しかし、ダメで元々だ。

私達は、その明かりに近寄って行った。

そこには、なかなか立派なログハウスが建っていた。

念のため、ルチアーノを背中に庇いながら扉をノックする。

「すみません。誰かいませんか?」

明かりがついていても、扉を開けてくれるとは限らない。

真夜中に訪ねてきた知らない子供の声に、応えてくれるとは限らない。

「誰だ?」

だが、家の中からは大人の男の声がした。

「真夜中にすみません。実は、弟と二人で所持品も所持金も無いまま捨てられてしまったんです。申し訳ありませんが、一晩泊めてはくれないでしょうか?行くあてもなくて困っているんです。お願いします!」

「お…お願いします!」

プルプル震えながらも、ルチアーノも家の中の男にお願いだと訴えた。

少しの間静になって、やはりダメなのかと諦めかけたその時、扉がゆっくりと開いて………。



そこには、素っ裸の男がいた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式の話

八億児
BL
架空の国と儀式の、真面目騎士×どスケベビッチ王。 古代アイルランドには臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式があったそうで、それはよいものだと思いましたので古代アイルランドとは特に関係なく王の乳首を吸ってもらいました。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

チョコのように蕩ける露出狂と5歳児

ミクリ21
BL
露出狂と5歳児の話。

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

ヴァレンツィア家だけ、形勢が逆転している

狼蝶
BL
美醜逆転世界で”悪食伯爵”と呼ばれる男の話。

フルチン魔王と雄っぱい勇者

ミクリ21
BL
フルチンの魔王と、雄っぱいが素晴らしい勇者の話。

同僚に密室に連れ込まれてイケナイ状況です

暗黒神ゼブラ
BL
今日僕は同僚にごはんに誘われました

処理中です...