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9◆ラグナー視点

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食事を済ませた後。

ラズは自分の服を貸してくれた。

………服、あるのに着ないのか。

「今着ている服は洗濯するからカゴに入れておけ」

着替えはしたが、シャツがワンピースみたいになってしまっている。

パンツは未使用を貸してくれたが、やはりサイズは合わない。

ブカブカシャツと、ブカブカズボンと、ブカブカパンツを着た私とルチアーノ。

ブカブカ過ぎる………脱げそうだな。

「子供服を明日部下に持って来させるから、今は我慢してくれ」

ラズは、魔法で私達の身体を綺麗にしてくれた。

「わぁ!一瞬で綺麗になった!」

無邪気にはしゃぐルチアーノの頭をラズは撫で、私の頭まで撫で撫でされている。

わ…私の頭は撫でなくていい!

だが、ちょっと嬉しいので赤面して俯いてしまう私だった。

「清潔魔法だ。一瞬で綺麗になるから、魔族は風呂に入れない時や忙しい時に使うんだ」

人間には魔法なんてものはないから、ちょっといいなと思ってしまった。

そして、私達は三人でベッドで寝た。

………それにしても、ベッドが大人三人で寝ても余裕そうなぐらい広かったな。

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