犬のお巡りさんと猫の迷子様

2◆ノア視点

俺は方向音痴のせいで迷子になり、今日も溜め息をついた。

自慢の黒い猫耳も、元気なくペタンってしているよ。

迷子になったとわかると、その2分後にはアイツが必ず現れるんだ。

「ノア！」

「またアンタかよ。シュバルツ！」

犬獣人のシュバルツ。

42のおじさんで、町の警備兵で………俺の番。

13の俺とは、歳の差が親子ほどあるけど………本能で番だってわかるんだ。

それは、シュバルツも同じらしい。

ちなみに、俺が番のせいで同僚から『ショタコン』って言われてるらしい。

………すまん、シュバルツ。

それは置いといて。

シュバルツは何故か、俺が迷子になると1～5分の間に必ず現れる。

不思議だよな？

「ちゃんと仕事しなくていいのか？」

警備兵の仕事は、町の平和を守ることと、人々の平和を守ることだから、1日に何度も俺の所に来ていいんだろうか。

怒られないのか？

「私の一番の最優先は、ノア以外あるわけないだろう？仕事は、ちゃんとノアを守るついでにしている。ふふ……1時間と37分振りだな」

シュバルツは、尻尾をブンブン振りながら、日記用メモに記録している。

夜になったら、日記にまとめるらしいけど………はっきり言ってシュバルツの日記はパンドラの箱と言いたくなるほど………愛が重くて狂喜を感じるんだ。

でも、シュバルツを嫌いになれないんだよな。

シュバルツの日記は、今日に何回俺に会ったか、何時何分に会ったか、今日の俺の会う度の様子、会話、服装、食べたり飲んだりした物………他にも、俺関連の色々だ。