飼い猫のルークは、異世界で神子様やってます

2◆リベル視点

この世界はキャットエデン、名前の由来は神様が大の猫好きだからだそうです。

この世界では、猫は神様の使徒様なのです。

さまざまな種族がいますが、猫の獣人だけはいないんです。
理由は、猫の獣人＝神子様だからです。

神子様は、とても大切な存在なのです。

この世界では、産まれた瞬間から番が決まっています。

番は、同時に産まれるので物心がつく頃には番が誰かを認識しています。

たまに、番がいない人が産まれることがあります。

番がいない人は、誰とも愛し合えないのが決まっています。

しかし、番がいない人は本来は神子様と番になるのです。

神子様は、別名『愛の象徴』とも言われていて、番のいない人にとって希望なのです。

………私にとっても、神子様は希望です。
私も番がいないので……。

神子様は、神様に選ばれた魂です。

逆に言うと、選ぶほどの魂がいない場合は神子様は来ることはありません。

約200年もの間、神子様は来なかったんです。

私も番のいないまま一生を終えるのかと思っていましたが、神子様が来てくださった！

嬉しい気持ちと、悲しい気持ちが混ざります。

私は嬉しいのですが、神子様にとっては辛すぎる現実……神子様は、前の世界でお亡くなりになった方だからです。

ナツメと言う言葉は、きっと愛しい方の名前なのでしょうね。

あんなに泣いて………。
神子様の悲しみが私の中に流れてくる。

番の心は繋がっていますから。

私の涙も止まらない。

神子様の悲しみが続くかぎり、私の悲しみも収まることはないのでしょうね。

神子様とともに泣かせてください。