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13◆ジルベルト視点

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後日、早速マチルダを家族に会わせた。

母様も、父様も、兄様も、マチルダのムキムキなマッチョボディに驚いていた。

「マチルダ嬢」

父様がマチルダの名前を呼んだが、マチルダは………。

「マチルダで大丈夫だ……です。……わ」

女口調が苦手なのはわかっていたよ。

でも、敬語も苦手なのか………。

口調以外は堂々としているんだけどなぁ。

「マチルダ、無理して女口調にしなくていいよ。あと、敬語も無理しなくていいよ」

「そうか。助かった………」

マチルダに無理しなくていいと言うと、安心した表情になった。

マチルダのいろんな表情が、今はすごく気になって仕方ない。

「マチルダさんは、騎士団長のククリ殿を倒したことがあると聞きましたが、それは誠ですか?」

父様の質問に、マチルダは特に動揺はしていないけど、俺は驚愕してしまった。

騎士団長ククリといえば、この国最強の男じゃないか!!

え……?

マチルダ……ククリ様を倒したの!?

「あの時の話か!力試しを頼んだら、快く引き受けてくれたんだ。きっとあの時は、私が女だから手加減をしていたのだろう!彼は素晴らしい御仁だった」

ウンウンと一人頷いているマチルダ。

手加減してもらっていたから倒せたのか!

そっかと思って周りをみると、皆顔が引き吊っていた。

え……なんで?



後に聞いた話。

手加減なしのガチで、ククリ様は負けたらしい。

しかも、物の数分で………。

ちょっと………股の辺りがひゅんっと萎縮した気がした。
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