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何でも話せる、それは彼女じゃなきゃだめ?
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しおりを挟む「何言ってんだよ、可愛がってやるから拗ねんなって」
「やだ…そういうことしたい訳じゃない、もう、もうやだっ…」
力では敵わなくても、唇を守ることが最優先だった。
両腕を盾に顔をガードして、最早生理的に無理な彼の口付けを拒む。
愛の証明みたいな安いキスは今は要らないし、気色悪いし虫唾が走るし忌々しい。
拒絶された彼は悔し紛れに舌打ちをして、
「んだよ…浮気とかしてねぇのに」
と髪をくしゃくしゃ掻いてスマートフォンに手を伸ばす。
そこに逃げるんだ、そうして私の態度が軟化するのを待つんだ。
しかし私が「帰って」と言えば全てがすとんと終わりそうな雰囲気さえ漂う。
この倦怠した空気を晴らすのは自分たちでなければならないのに、彼はスマートフォンの向こうの相談女に逃げた。
終わりだ、終わり…ウジウジしているのが馬鹿らしい。
「私の前で、前じゃなくても、他の女と連絡取り合うのが嫌だった。嫌がる事を止めてくれないから別れるね。出て行って」
「…本気か?」
「本気だよ。好きな気持ちが減って、ついに無くなっちゃった。出て行って」
こんなんでも良い所あったんですよ、昔の自分が思い出の中から私に語りかける。
分かってる、好き合って付き合ったんだもの。
でもその気持ちが尽きた、それだけのことだ。
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