君は、裸の王子さま—イタズラ御曹司は気弱な幼馴染みが欲しくてたまらない!

茜琉ぴーたん

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 味の分からぬ食事をそのまま続けて、心平はやっと解放された。
 見送りに出た悠里は目一杯近付いて、暗がりでふふっと笑う。
「……悠里くん、その…」
「こんな外で話すことじゃないんじゃない?また、今度ね」
「へ、変なこと、しないで…欲しい…」
「それについて論争して勝てる見込みあるの?逃げもせずに脚の間に挟まってたのは誰だっけ?」
「こ、声が大きいよ…!」

 ぐうの音も出ず、心平は立派な門扉を背にした。
 全ては自分の弱さと愚かさが導いたこと、本当は全てではないが心平は自己責任だと思っていた。
「(僕が慌てふためくのを、面白いって思っちゃうのか…残念だな…)」
 虐められたことはないが、それはあくまで心平の感じ方による基準だ。
 もしかしたら嗜虐しぎゃく心を満たすための標的になっていたこともあるかもしれない。でも泣いたり親に訴えるほどの酷い目には遭ってないと思うし、性的なことも初めてだった。
「(人を虐めて喜ぶ子、苦手だなぁ…せめて、好きな子を虐めちゃうみたいなことだったら、悠里くんのこと…まだ…)」
 そんなこと関係なく悦んでしまったから、心平は複雑な気持ちがした。単純なエロスに高揚してしまっただけ、浅はかで幼稚で恥ずかしい。
 誰にも相談できないな、そして拒むことも出来ない。
 頬と股間の感触に想いを馳せて、心平は切ない夜を過ごすのだった。



 一方、優里の家では。
「悠里、心平くんを虐めちゃダメだよ?」
幸司は、もしや愛ではなかったのかと心配を息子にぶつける。
 悠里が心平にアタックしているのは微笑ましいが、心平が芯から嫌がっているのであればそれは嫌がらせになる。心平は家庭教師を表向きは快く受け入れてくれたが、断りにくい性格に付け込んだという罪悪感も僅かにあったのだ。
「虐めてないよ、まだアプローチしかしてないし」
「そう?ご飯の時、もじもじしてなかった?」
「よく見てるね。テーブルの下で、手を繋いでたんだ…でも先生は嫌がらなかったよ?」
「でもあの子、昔から気が弱いだろ?言い出しにくかったんじゃない?」
「父さんも後押ししたくせに」
 それはそうだがそこに愛があってこそだ。
「同意でなければ、踏み込んだことはしちゃいけないよ」
 幸司はそう言い、悠里は
「もちろん。18歳になるまでは待つよ」
とズレた返しでいなした。

 悠里は高校2年生、18になるまでにはまだ1年ある。
 それまではじわじわと楽しんでやるんだ、るんるんと上機嫌な悠里は部屋へと戻って行った。

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