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10月
19*
しおりを挟む美月はソファーに浅く座り直し、スマートフォンを両手で持って目を閉じ測定結果を待つ。
背後からはゴソゴソと衣擦れと、肌と肌が掠れる渇いた音が聞こえた。
「よし…したらミーちゃん、」
高石は脚で美月の腰を抱いて背もたれへ仰け反り、ソロプレイの体勢を整えてソコを撫で始める。
「え、何してんの…?」
軋むソファーと脚から伝わる振動、美月は振り返るのも怖く視界を守りながら首を小刻みに動かし後ろを気にする。
「ミーちゃんの腹の感触で大きくしてんのよ。は…平常時のサイズ測っても意味ないやん…あー、」
「やだぁ…ちょ…、」
背後で始まった高石の自慰行為、聞いたことのない喘ぎ声。
太ももにでんと置かれた彼の足の指はピクピクと蠢いている。
「あー、ミーちゃん…あ、ええな…見て欲しいわ、あー…最後までイってまうな、うわー…」
「も、もう測れるんじゃないの…?最後までって…そこで出さないでよ⁉︎」
「あれ…何が起こるかは知ってんねや?」
「馬鹿にしないでよ…保健体育でやるでしょう…もう…早く…」
「そうかぁー…、あ、あ、ミーちゃん、イくで、な、」
高石は美月に見えない恍惚の表情でリボンを取り、陰茎に巻き付けその円周を測る。
しかし何か起こりそうな不穏なワードに美月は慄き、身体を強張らせた。
「やだ、なにっ…」
「あ、測ってるだけよ、うん、ココなー、うん、あと長さな」
「ながさ…」
根元から先端までキッチリとリボンを当てて印をつけて、計測は済んだのに高石は自身を扱く手を止められない。
「んあー、なぁ、ミーちゃん、最後までイってええ?」
「や、汚れちゃう…」
「そこ心配すんの?……大丈夫、汚さへんよ、ミーちゃん…」
荒い息遣いの男は上体を起こして前傾し、額を美月の細い首へ置く。
「ミーちゃん、そのまま…」
そして左手は美月の胸、柔らかい部屋着に包まれた丸みに指を食い込ませ揉みしだいた。
「きゃあッ♡またッ⁉︎ンっ♡や、タカちゃ…ん…」
「あ、ミーちゃん、なぁ、イってええ?いいって言うて、あ、」
「いや、だめッ…む、りィ…」
「あー、断るパターンも持ってんのか、ええな、イク、な、ミツキさん、許可ちょうだいな、んッ」
高石は美月の表情が見えないのをいいことに、彼女の声で良からぬものを想定しながら励んでいる。
「はぁ…?よ、汚さない?」
「汚さへん、絶対や…」
なぜそう断言できるのかは分からないが高石はその点に関しては揺るぎないらしい、美月はしぶしぶ許可を出すことにした。
彼の声から察するにもう限界、上手に出来るのならば早く楽にしてあげたいとそう思ったのだ。
「いいわ、タカちゃん…イって、」
高石ご贔屓の嬢はどのような言い回しをするのだろう、そんなことは美月は知る由も無いのだが、なんとなくこんな物だろうと吐いたセリフは彼の心の性感帯へグサリと刺さった。
乳首を探るその手を握って美月が爪を立てた瞬間、
「ぅあッ…………、あー、あー……、」
高石の我慢が右手を白く白く勢いよく濡らした。
「あー、あー……ハァ…汚れへんかったよ…ミツキさん…ありがとうございますー…」
「何言ってんの…?終わった…?見ない方がいいわよね…?」
美月は高石の手足を身体から剥がして床へ、電源の入っていないコタツへ膝を入れた。
「へへ…ちんこが通りまっせ~」
高石は局部を隠すことなく堂々と美月の背後を通り、トイレで後始末をして戻ってきた。
「はぁー、思いの外良かったわ。ミーちゃんの背中に向けて扱くのもええね、恥ずかしないもんね、」
溌剌とそんなことを言って、高石は計測に使ったリボンをコタツの天板へ伸ばして置く。
そして物差しを添えて、1から数えさせた。
「1、2、3……」
「ほー…前よりちょっとデカなってるなぁ…ミーちゃんによる興奮が良かったんやろか、」
「知らないわよ…ど…どれにする…?」
「太さやとこっちか……薄いやつとかつぶつぶとか使うてみたいもんやなぁ~」
大きいサイズだと特別な薄さや付加機能の無いシンプルな物に限られる、高石のそれはイチモツに自信のある者だけが使える皮肉な羨望であった。
「これ…にする?」
「うん、そうしよ。……ドラッグストア巡りすんのもええけど、ネットが速くてええわな…なぁ、ミーちゃん」
近所の店には扱いのないタイプのスキンを購入、支払い画面から目を逸らした美月の頭には、測らされたサイズの数字がぐるぐると巡っていた。
「今度は対面で観てもうてええかな、ミーちゃん」
「絶対いや……」
美月は物差しとマジックをアルコール入りのウエットティッシュで磨いて片付け、リボンは高石の手で捨てさせた。
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