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千鳥と金魚はカンフルに酔って*
千鳥と金魚はカンフルに酔って
しおりを挟む「…おい、まだ?花火始まってまうよ」
玄関で既に下駄を履き、団扇を腰に差して彼…柚くんが私を呼ぶ。
酔っ払った彼がネットでポチった二枚刃の駒下駄、うちの近所の花火大会があるからちょうどいいか、と追って注文していた浴衣は昨日届いたばかりだ。格子ではなく可愛らしい鳥がふんだんにあしらわれた千鳥模様、手染めのこの浴衣もいい値段がしたらしい。
「待って、もう少し…」
浴衣の着方は動画を繰り返し観て予習していた。実際に合わせだって帯だってキレイにできた。
なのに今日に限って髪が、妙な寝癖が取れずに纏めてもピョンとうねった毛束が言う事を聞かない。
「うーん…」
柚くんは夕方に帰宅して私より後に着替え始めたのに、適当にそれなりに上手に纏って上からライダースを羽織り、外で煙草を吸って待ってくれていた。
私の着付けとヘアセットにはもうかれこれ1時間はかかっている。花火の開始は午後7時30分、残り20分を切ったから彼がいよいよの催促を始めたのだ。
花火はこの部屋の窓からでも見えることは見える。しかし少し歩いて沿道の屋台で食べ物を買ったりもしたい、それなのに私の準備がなかなか終わらない。
「おい、ええ加減に…なんや、できてるやんか」
遂に柚くんが寝室まで迎えに来て、上から下まで視線をくれた。
自分としては8割の出来の支度を見られて不本意だったが、体勢を戻した彼はニヤッと満足そうに微笑んだ。
そのまま腕組みをして開けた扉にもたれ、緩んだ口元を隠すように顎と頬に大きな手を往復させ渋い顔を作る。その仕草はまるで国語か日本史の教科書で見た昔の文豪のよう、スレンダーな彼は浴衣姿も様になっていた。
「あ、でもまだ髪が…」
後ろの髪を高い位置で留めた変形お団子ヘア、せっかくキレイに持ち上げて纏めたのに、諦めてサイドに垂らした後れ毛が外側に踊って直らないのだ。
ヘアセットから始めて一度は納得して着付けに取り掛かったものの、完成形を見るとやはりこの髪が気になってしまう。
「ここ、なんか変じゃない?」
「いや、外暗いのに…見えへんやん…」
「そうなんだけど…んー…やり直そうかな…」
「もうええやん…浴衣も……キレイに着れてるよ」
祭りのトリの花火が始まれば出店は灯りを落として閉店準備にかかってしまう。腹を空かせた彼は屋台の焼きそばが食べたくて仕方ないらしい。
「うん…わかった…ごめんね、」
浴衣に対してだが「キレイ」の言葉を貰えたのは嬉しかった。私は直らない髪に見切りをつけてドレッサーの三面鏡を閉じる。
鏡の前を離れて巾着を持ち玄関へ、しゃがんで紅い鼻緒の下駄を引っ掛けた。
これから歩いて通りへ出てもおそらく屋台は仕舞いかけているだろう、もっと早く準備をすれば良かった、私の後悔が止まない。
後ろにいた彼も玄関の時計を見たのだろうか、「おー…」と小さく呟く声がして、いよいよ私は消え入りたい気持ちになった。
私が住む街での花火大会、市外からの観光客も多く訪れる夏の風物詩だ。
せっかく柚くんに仕事終わりに来てもらったのに、自分の鈍臭さが情けなくて振り向けもしない。
私が大きなため息を吐いたら後ろから「プッ」と噴き出す声がして、
「ほんまや、髪…ハネてんな、」
と問題の毛束を指摘した彼が意地悪そうにヒヒヒと笑った。
「だから、直し」
私が振り返るより先に、彼の手が開いた衿の上のうなじに触って、丸い爪の先が私の首の皮膚に食い込んだ。
「ひッ⁉︎」
両手を猫の様に肩の横へ持ち上げて驚くと、彼は私の後ろで更に声を上げて笑った。
「ひゃはは……あー、反応がオモロいな、うん…もう今から行っても屋台は無理やんな…花火だけこっから見ようや。よう考えたら人混み嫌いやし」
「え…せっかく…ごめん、私が準備……ア、」
鼻緒に通していた足の指を抜いて立ち上がろうとした矢先、しゃがみ込んだ彼の唇が私のうなじへポンと挨拶する様に触れた。
ぞわぞわ、むずむずと腰から背中・首へ電流が走る様に痺れが伝い、私は両肩を竦めてしまう。
「ンんッ…ちょっと…ふッ…」
「チラチラ見えてんもん…な、特等席、ベッド行こか」
柚くんが私の浴衣の帯に沿って腕を回し、丸太のように抱えて立たせる。
そのまま腰を抱き私を押して玄関から寝室へ、さっきまで着付けをしていた部屋へ逆戻りした。
照明で明々と照らして、彼はまず帯に手をかける。
「コレ、どっから外すん…コレか…せやな?」
「ちょっと、せっかくキレイに…あぁー…」
動画サイトを観ながら頑張って練習した蝶結び、彼は蝶々の芯部分をぺろんと引き抜いて帯の端を探り当て、ものの30秒足らずで私の1時間の苦労を無駄にしてしまった。
「えらい難しい結び方しててんな、解いてもうたわ、はは」
「ひど…」
「堪忍よ…、えらいべっぴんさんやから…なぁ…」
彼はやはり衿元に顔を埋めて唇でうなじを擽り、鼻先は襟足にちょんちょんと当てながら匂いを嗅ぐ。
文字通り手探りで腰紐を緩めて解いて、浴衣の知識なんてないくせに器用に私の浴衣をはだけさせてしまった。
「あー…私の1時間が…」
「俺も脱ぐしな…」
そう言って彼は片手で自身の帯を緩めてストンと足元に落とし、前を開いて私の背中に密着させた。
「ん…は…コレ、裾持って、な、」
金魚柄の浴衣を腰の上まで捲り上げて私の手にバトンタッチすると、彼は私の背中を腕ごと抱いて下着の下半身をピタとあてがった。
「このまま、ええ?」
「あ、ゴム着けて…」
「わかってるって…いちいち言わんでもええ…あー、もう…動きなや、そのままよ、」
彼が作ったムードか流れを壊してしまったのか。済まない気持ちになった私は片手で浴衣の両裾を持ち、もう片手でベッドに手をつき、なんとも間抜けな体勢で甘んじて柚くんを待った。
財布からスキンを取り出して戻ってきた彼は明かりを豆球に落としてボクサーを脱いで、まだ下着に覆われた私の尻にくっ付いて再度うなじを責める。
「あ、やだよ、そこばっか…」
「香水かなんかつけてる?んッ……ええ匂いすんねん…あー…堪らんなぁ、」
わざと私が嫌がるように鼻息を聞かせ、手はTシャツブラの中へ侵攻してくる。
「浴衣なら下着は要らんやろ、脱ご、ほれ」
彼は前を開いただけで浴衣を羽織っているというのに私だけ裸になるのは躊躇われた。しかしされるがままに浴衣を降して自分で下着を剥がした。
「ほい、もっぺん着て、袖通しといてよ、せっかくの浴衣なんやから」
「えー…」
床に落とした金魚を掬ってもう一度羽織らされ、疑問など呈するのも無粋とばかりに彼がニヤニヤ笑う。
浴衣姿でセックスがしたい、それは分かったが外歩きをした後でも良かったのに。しかし時間をかけてしまった負い目があるので私は黙って再度その裾を捲り上げた。
彼の片腕が私の体を拘束して、空いた手が腿から上へ、敏感な部分を優しく撫でていく。
「やらしなぁ、おい…」
湿りが水分に、漏れる息が喘ぎに変わると、彼はゴソゴソと下準備を始めたようだった。
ベッドのすぐ横の少しだけ開けたガラス窓の空が明るく光り、少し遅れてドォンと網戸越しに大きな音が響いた。花火は1時間半を前半・後半の部に分けて数千発を打ち上げることになっている。
ここは五階、地上よりも少し近い位置でその迫力を捉えることができるはず…だが。
「おー、花火始まってんな、ちょうどええわ、こっちも始めよか、あ?」
「なにがちょうど……ッッあ!!!」
目の前に迸る閃光、漏れ聞こえる雄の息遣い。応える雌の甘い悲鳴、それらを掻き消す火薬の爆ぜる音。
後ろから貫かれた私は口を大きく開けて、吐かされた分だけの息を吸った。
「色っぽい、うん、…うん、べっぴんよ、うん、」
こんな時に言わなくてもいいのに、彼はカーテンの様に垂れた浴衣をゆらゆら揺らして私に賛辞を述べる。
「髪も…ふッ…なんでもええけど…ハネてんのな、ココな…、こんなん…気にしてんのが…かぃらしいわ…ハ…あー…」
左耳の前に垂らした後れ毛を掴み、その手が口と頬と顎をこねくり回すように私の顔の上で暴れ回る。
「化粧…落ち、ちゃう…」
「ええやん、どうせ…もう出んやろ…、出かけんの?こんなことシた浴衣で?んン?」
ゆっくりとねっとりとこちらの反応と外の花火を見ながら腰を打ち付ける、私からは跳ねる裾の動きで彼の動きが分かる。
「ちょっと起きて、ん、そこ…窓のとこ…花火見よ、」
彼が腰を止めて私の身体と共にちょこちょこ旋回し、胸の高さの窓を大きく開放して網戸まで開けてしまった。
窓のサッシに浴衣で包まれた乳房が乗り、色とりどりの化学反応が起こる度に私の顔とデコルテがその色に染まる。
きっと外から見たら私は暗い部屋の中に浮かび上がる花火色の亡霊、その後ろでニヤニヤと腰を振る彼の姿は私にしか感知できないのだろう。
「なぁ、キレイやなぁ、おー…、あれ…柳みたいや…なぁ?」
光、音、残光の中に煙の幕、キレイだなんて感想は今更持てない。
私の腰をガッチリと掴んで激しく打ち付ける彼の体の熱に頭まで溶かされそうだ。
「ええ眺めや…女抱きながら花火やで……殿様の遊びやん」
「うん」
「人がようけ居てるわ…高みの見物やな…」
「うん」
「おぉー…えらい…大きねぇ…なぁ、聞いてるか?」
「う、ん、」
突いて、休んで、ほぼ一方的な会話を交わす。
「っあ、ええよ、うん、うん…」
「ふぅ」
「はー…汗が…はぁ…滑んな…」
「はぁ」
「ぅら、あ、なぁ、声出さへんの?バレへんよ、なぁて」
「ひっ」
打ち付けて、回して、休んで、汗だか何だか分からないほどに水分が脚を伝って落ちていく。
「どんどん上がるなぁ、…俺らは何発いく?へへっ」
無邪気に、凶暴に、うなじを舐めて、耳を喰んで、太ももがぶつかって揺れる千鳥の滝。
「ん、アー、イキそ、んぁ、なぁ、べっぴん、よ、」
なにが別嬪なものか、もう数分前からは喘ぎ声しか発していない。
私の口周りは崩されたリップと涎でぐしゃくしゃに汚れてしまって見るに耐えないはず。この体が離れたら彼に見られる前にすぐ拭き取ってしまいたい。
「なぁ、この頭も、なぁッ…かぃらしわ…は、あ、」
そう言ってまた後れ毛に触り、クッと手綱のように引かれれば彼の顎先と髪の毛が見えた。
頬を掴まれ顎を固定され、共に揺れながら、繋がったまま口付けを交わす。
「すまん、また、こんなん、してよ、キレイよ、」
ちゅうちゅうと啄み、だらしない口は使えないので言葉の代わりに目元だけでもと笑みを返すと、
「あ、かぁいい、あ、イクわ、イク、」
最後のひと突きで彼が絶頂を迎える。
「あッ…………!!あ………、ア……はァ…、ンあ……」
口は離し私の顔を掴んだまま、前半の部の花火が打ち上がりきった時、しっかりと胎の奥で彼は達した。
花火は数分の休憩を挟んで後半が始まる予定、彼は静かになった窓辺でお団子の部分をくしゃくしゃと揉んで、うなじの上でその呼吸を整えてペロペロと汗を舐めとる。
「あアー…どや…打ち上げたったわ…はは、ん…寝よ、横になろ…」
彼はゆっくりと腰も離し、ベッドへ私を寝るように促してから明かりを再び点けてスキンを処理した。
砂袋のようにドサっと隣へ勢いよく倒れ、その頭をひじ杖で支えて私の後れ毛をまたしても触り始める。
「あぁ…あちぃ…汗かいたな…浴衣…滲みてんなぁ…」
私の金魚も彼の千鳥も所々が汗で湿って、色が変わっている部分も見えた。
「悪いね…盛ってもうて……祭り…外歩きだけでもするか?」
彼は罪滅ぼしのつもりか散歩を提案してくれる。せっかく買ってしまった下駄も、一度くらいは慣らしておきたいのだろうか。
「んー…ここでいいよ、疲れちゃった」
まだ花火は後半の部が残っているが浴衣も髪も整える元気が無いし、何を隠そうここの窓からでも私は充分楽しめた。
「…また…商店街の方の夜店な…あれは毎週土曜日にしてる…あれ行こ…な、浴衣吊るしといて…ほんま…べっぴんやったから…」
代替案をくれた彼は私の浴衣の衿を掴んで開き、重力に負けて下へ流れた胸の谷間へその顔を埋める。
「やっぱ、ええ匂いすんねん…なんやろ…?」
「あ、ショウノウの匂いじゃない?タンスの防虫剤…実家から持ってきた浴衣だから…私は鼻が慣れちゃったから分かんないけど」
「あー、それか…なんや…懐かしい…婆ちゃんの化粧品みたいな…せや、タンスの匂いや…ん…」
そこが収まりが良いのか、汗で湿っているというのに彼は穏やかな表情でピトとくっついて離れない。
「後半の部、始まるね…」
「うん、うん…後半戦な、もうちょい待ってな…」
「うん?」
たぶん噛み合ってない会話、私は彼の頭を撫でながら夜風に揺れる窓辺のカーテンを目で追うのだった。
おわり
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