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しおりを挟む真綾の鼻が鳴ったところでようやく和樹は手を止めて、固く抱き直した。
泣き笑いの反射で鼻水が出てしまったらしい。
「真綾は、あんまり、二人でイチャイチャしたりは…望んでない?」
和樹は新婚ならば当たり前にあると思っていた価値観を擦り合わせにかかる。
てっきりそういうものだと考えていたが、真綾はさっぱりタイプなのかもしれない。
「したい、けど…溺れちゃいそうで怖いし…ほどほどが良いのかなって。ほら、お父さんたちが居たら、私たちも弁えるじゃん」
「うちの親を抑止力にすんの?そのための同居って違うんじゃね?」
「そう言われるとそうなんだけど…家事も自信無いし…」
「それが本音か…自立しようぜ、散らかってても気にしないし…あ、真綾は掃除得意だろ」
「たしかに」
「料理は俺がするし…ガンガン働いて、借金返済して、いずれここに戻って来よう」
「んー…」
二人の裸の話し合いはダラダラと続き、そのまま夕方に突入してしまった。
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