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しおりを挟む「あは、そんな限定的な口説き文句、ナツ以外に使う機会無い………ねぇ、ナツってどっち?」
「何が?」
「タチとかネコとか」
「あー、」
恥ずかしながら、俺はゲイを自覚していながら役割に関しては無教養だった。
突っ込む側か突っ込まれる側か、理解はしているけど自分がどちらに当たるかは考えても分からなかったのだ。
だから、さっきのバーで真秋に防衛本能がどうと言われても、最初はピンと来なかった。
襲われて金品を奪われるとか、そういう危険性のことを指してるのかと思った。
「?」
「漠然としたゲイだから…決めてない、ってのが本音」
「そうなの?タチだと思った」
「何で?」
「顔つきとか男らしいから」
「皮肉?やめろよ」
真秋は身長は180はありそうで、俺は163と男にしては小柄な方だ。
そういうのは体格で決まるものではないと思うのだが、俺と真秋ならどちらが男として優位に立ってるかなんて一目瞭然だと思った。
だいたい、バーでは「俺が襲われる」と思って助けたんだろう、だとしたら最初から俺がネコだと決め付けていたに違いない。
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