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しおりを挟む「……んッ」
塩っぱい、生臭くて慣れた匂いだ。
当然、俺もこんな匂いがするから。
でも味わったのは初めてで、そこまで抵抗が無いのも不思議な感じだ。
「…ナツ…上手だね…さすが、男の子だから扱いが…分かってる、ね…可愛い…」
俺の頭を撫でるその手が、ぴくんぴくんと引きつって動揺が見える。
もしくは喘ぎたいのを我慢しているのか、もっと褒めたいのを辛抱しているのか。
「んッ、ん…アキ、駄目かな、」
声色からは感じているのが伝わるのに、
「違う、申し訳ない気持ちで勃たないんだ…」
と真秋は心底済まなそうに俺を引き剥がした。
「…ワガママ言ってごめん。でも何か、自分の無力が情けなくて」
「それは、お勤め先に還元しなよ。僕は何も困ってることは無い。もし辞めるなら、求職中は僕が養うし…それか、僕の独立の手伝いをしてもらっても良いね」
「そんな、甘えてばっかじゃ駄目だろ…俺をどんどん駄目にするなよ」
真秋は俺の口を指で拭いて、
「おいで」
とベッドへ誘う。
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