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第1章 召喚

18話 買い物

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「さてと…蝙蝠って雑食だけど…うーん、この世界の蝙蝠って何食べるんだろ?
うーん…おじさん、何食べるか分かる?」

「人肉…というより、肉ならなんでも良いんじゃねぇか?」

「人肉?なんで?そんなの食べないでしょ」

彼にそう言われ、あの蝙蝠たちを見てそれはないだろう否定したが、どうやらそれにもきちんと理由があるらしく、詳しく聞いてみた。

「ダンジョンの中で死んだ奴は、基本的にはダンジョン自体に吸収されるか、魔物が食べて自身のレベルアップに使うかを決めるんだが…
色んな奴が、蝙蝠が倒した人間に群がって捕食しているのを確認しているんだ。
だから、あそこの蝙蝠は初心者にとって危険な魔物とされ…
通称、人喰蝙蝠って言われてる」

「人肉、ねぇ…まぁ、私も食べはしないけど向かってきたら殺すだろうしそれは別に良いんじゃない?
まぁ、とにかく肉ね…ま、念の為に野菜とかも買っておこうかな?」

「っつうか、買いもんって蝙蝠の分かよ…」

「だって約束したもん、次来た時はお互い何かしら用意するって。
とは言っても、私と話してた彼の分だけでも良いとは思うんだけどねぇ…」

そういうと少しだけ、彼は怪訝そうな顔つきになったが、直ぐに戻して作り笑いを出した。

「…別に、私の価値観が可笑しいっていうのは今に始まったことじゃないから無理に笑わなくても良いよ」

「い、いや…そういう訳じゃあ…」

「まぁ、なんでもいいよ。ついでにだけど、色々と買っていこうかな?多少ならお金もあるし…あー、でも…やっぱり良いや」

「ん?なんでだ?」

「今だと収入ギリギリだしね。流石に贅沢はまだできないし…」

そういうと彼は、ちなみに…というように質問をしてきた。

「…なぁ、もしかして買おうとしたのって調味料とかか?」

「え?…うん、まぁそうだけど」

「ひょっとして料理できるのか?」

「料理?まぁ、料理人とかには負けると思うけど…庶民的な料理でいいなら普通に出来るよ。
それがどうしたの?」

「異世界の料理か…な、なぁ。必要な物は俺が買うからなんか作ってくれないか?」

「何か…って、まぁ良いけど。なにがいいの?」

「ん、そうだな…柔らかい肉とかできるか?
こっちじゃあ、肉なんざステーキにするだけだし…」

「うーん、柔らかい肉でステーキ以外、ねぇ…なら、ハンバーグ辺りかな。素材は買ってくれるんだよね?」

「あ、ああ」

「なら、いいよ。それじゃあ、買いに行こっか」

「ちなみにそのハンバーグってのは美味いのか?」

「私は好きだよ。タレによっては色んな味を楽しめるし…うん、いくつか種類作ってあげる」


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皆さん、おはこんばんにちは!
時雨 津です!

次回はほぼ料理みたいになりますが、その先はもう一度ダンジョンに行くと思います!
それでは、今回は少し短いですがこれで!

see you again!
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