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第1章 召喚

21話 情報とダンジョンと[1]

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「さて、と…強制開示」

私は、自然と頭にでてきたその言葉を、死者に対して放っていた。
すると、その死者からはパネルのようなものが出てきた。

「なるほどねぇ…記憶の強制的な"開示"…
これは便利だね。嘘を見破る必要性もない」

…ふーん、領主館の暗部、ねぇ…私の噂がそっちに流れ始めたみたいだね。
でも…命令は違ったみたい。
てことは、この人が単独で殺しに来たのも頷ける…かな。
領主が出した命令は、危険かどうかを調べることだけ…そして、極力見つからないように…ね。
これはまた…近々呼び出されそうな予感がするけど…

「まぁ、今は関係ないかな。
…おーい!死体は置いてくから回収しといて!」

私は近くの屋根に向かってそう叫ぶとすぐ、ダンジョンへと向かっていった。
微かに聞こえた、「ご迷惑をお掛けしました」という声を聞いて…

「…お待たせ、それじゃあ行こっか」

「そういや今日はあの鷹も降りてこねぇな…まぁ、大丈夫かぁ?
取り敢えず、解毒ポーションは渡しておくから、毒に当たったら直ぐに飲め」

鷹?なんか、前に倒した気が…

「その鷹って倒したらだめなの?」

「いいや?だが、害もほとんど無いし、気に入った奴には突進する癖があってな。
まぁ、半霊獣だから1回殺したくらいじゃあ死なねぇがな」

なるほど?てことはあれは攻撃じゃなくてじゃれたいだけだったと…うーん、悪いことしたなぁ…

「…うん?なんでここにゴブリンが…(ザシュッ」

「可笑しいな。ダンジョンに何かあったのかもしれない。
先を急ぐぞ」

「うん」

そう言って走っていった2人の先には、ダンジョンから少しずつ外に出てくる魔物達の姿だった。

「!?…まずい、スタンピードだ!おい、ネル!急いでギルドに行って報告してきてくれ!」

「ギリッ…よくも、私の友達を…」

「お、おい…」

「バシッ…触るな、虫けらが」

「!?な、なんだこの気配…すまない、ここは任せた!」

「誰だ…誰がこんなことを…」

«キィィ…ネルと言ったか。すまない…止められなかった…»

「喋らないで、ポーションだよ」

«すま、ない…»

「手遅れ…うわぁぁぁぁ!殺す…ボスだろうがなんだろうが…私の手で全員殺してやる…!〘炎雷武装〙!」

そう大声で叫ぶと同時に、彼女の周囲にとてつもなく強大な炎の渦と、雷雨が広がり始めていった。

「堕ちろ、雷電。
焦土の海にしろ…ここが、戦場だ」


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皆さん、おはこんばんにちは。
時雨 津です。

いよいよダンジョンが再始動致しましたが、に友の死を目の前に暴走してしまった主人公。
討伐対象とい化け物になってしまうのか、
はたまた救済者である英雄となり得るのか…

それでは、
see you again
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