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閑話② 第二王子の献身、そしてーー
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ラーシュクリフ・エル・イルオネウスは、イルオネウス王国の第二王子として生まれた。
彼は出生当初からその存在を秘匿され、兄である第一王子と明確な区別をされて育った。第二位の王位継承権を持つため、覇王学や王政学を学ぶ点のみを除き、彼を取り巻くそれはまるで高位の政務官、もしくは執政を育てるかのような環境であった。
王が貴族の人心掌握に長けているとすれば、将来王を補佐する役割が求められるラーシュは、民草に関するさまざまな知識から、民に支持される手法についての勉強を求められた。
王政を敷く上で民の心を掴むものは何か、平民から浮浪者までその生活形態を学んだ。王は金勘定などしない。民の平均年収など知りもしない。だが、国を守り、政事を担うものにとって、国を支える民の生活は欠いてはならない大事な知識であった。民の心が離れた王国に未来などない。そのため、ラーシュは民の心を掴むような政策や、民を惹きつける貴族像を学び、いずれくる兄の治世を支えるための足がかりを必死に作り続けた。
週に一度は、必ず聖女との語らいの時間が設けられる。目まぐるしい日々が続くラーシュにとって、その時間は得難いものであった。
聖女はオリーブ色の髪に、黒い瞳の、どこにでもいるような女性であった。しかしその知識や思考能力は凄まじく、過去に起こり得た大戦の火種を解消させたり、民のことを考えて幾つもの政策を王に提案した。結果として、その政策から派生した新事業は大成功し、大きな国益をもたらした。今や、この国の政に欠かせない存在であった。そんな彼女は、ラーシュを気にかけ、いつも気遣いの言葉をくれた。
ラーシュ、体調はどう?
今週はどんなことがあった?
何を学んだ?
柔らかな声音で、目を細めながら語りかける聖女は、ラーシュにとって時に母のようにラーシュを包み込み、時に姉のように、ラーシュを嗜めた。心地の良い声に耳を傾けながら、ラーシュはその時々で目にしたり、経験したこと、思ったことなどを聖女に伝える。聖女は穏やかに傾聴し、時に驚き、時に唇をかみしめてラーシュの話に耳を傾けた。
今でこそ、聖女との語らいの時間は心安らぐものになったが、まだ自分の在り方が固まっていなかった時は、ラーシュの怒りが爆発して、それはそれは酷い時間であった。
そもそもラーシュがぬるま湯のような生活を手放すきっかけとなったのはこの聖女の提案である。懐妊がわかってすぐに、父母の元を訪れた聖女は、ラーシュの存在を秘匿するようよくよく言い含めたそうだ。派閥争いの可能性や、傀儡化など、さまざまな懸念を示した聖女の言葉に、父母は納得した上で、ラーシュの存在を完全に隠し通した。
口の固い、信用できる高位貴族のみ、ラーシュの存在が明かされた。金髪碧眼は王家の印であることから、幼い頃に変装技術を磨くよう躾けられた。物心つく前から高官の家を転々とした後、平民の生活も体験した。場当たり的に理不尽な暴力を受けそうになった事も多々ある。命の危険がある時以外、手を出すことのない影を恨めしく思いながら、大の大人と殴り合ったことだって有った。体にいくつもの生傷をこさえて、荒屋に帰った事も二度や三度ではない。貧しい食事を摂りながら、王宮で豊かな生活を送る兄の姿を疎ましく、そして妬ましく思っていた。
「俺は父上と母上に捨てられたんだ」
「聖女だかなんだか知らないが、お前のせいで」
「なんで俺ばかりこんな思いを」
怒りと絶望に支配されていたラーシュは、聖女との時間でいくつもの暴言を吐いた。用意されたお茶やお菓子すら恨めしくて、ローテーブルをひっくり返し暴れ回ったことさえある。
その度に聖女は、涙を目に溜め、唇を噛み締めながら、ラーシュに謝罪した。そして、ラーシュが学ぶべき必要性を訥々と述べるのであった。
ラーシュが感じている苦しさこそ、平民たちが抱えているものなのだと。本来は皆平等の世界線がある中で、この世界では生まれながらに優劣が決まってしまっている。貴族たちが贅を尽くす一方で、泥水を啜りながら生活をしている民がいる。
ラーシュには私の亡き後に、そんな人たちの希望となるような王国の基盤を作ってほしい。
もちろん初めからはいそうですか、と受け入れられたわけではない。やはり納得などいかず、しばらくは儘ならぬ日々が続いた。
しかし、聖女の涙ながらの訴えや、苦しんでいる民たちを救うことができる可能性を少しずつ理解したラーシュの視点は大きく変わった。結果として、ラーシュは自分の立場を完全に理解し、納得した。自分の中にすとん、と落ちたと言ってもいい。
それからは、至極真面目に、お役目を果たすことだけを考え、ラーシュはひたすら精進した。
ーーそれでも。
それでも、とラーシュは考えてしまうのだ。
王族に相応しくない酷く節くれた指先を持つ自分と、まるで王族そのものといったなめらかな手を持つ兄、そしてその隣にいる美しい婚約者のことを。
兄の学ぶべき王政教育とは比べ物にならない質と量である、厳しい王妃教育を弱音も吐かずにこなす彼女はいつも凛として、どこか儚げで。
そんな彼女の隣に立てる兄が羨ましく、やはり妬ましかった。
高位貴族から平民まで様々な役職、生活形態を学んだラーシュの現在の潜入先は、劇団の中であった。どちらかと言うと貴族向けの演劇が多いこの劇団は、今回は庶民の恋愛をテーマに、しかし貴族受けするようなドラマチックな劇を公演している。
脚本家は聖女の息がかかっており、貴族が身分差を前提とせずに、平民について知る足がかりとなるような脚本を作るよう指示されていた。ラーシュはそんな手腕を学ぶために、俳優として劇団に在籍していた。脚本は貴族受けの良い恋愛ジャンルをテーマに作り上げられ、完成度の高い作品となった。
正体を明かすことなく潜入していたラーシュは周囲に目立たぬようありふれた髪や瞳の色、そして小太りの変装をしていた。しかし、ラーシュの物腰に引かれるものがあったのか、君に似合う!なぜなら、僕の勘がそう言ってる!と劇監督に確信した様子で声をかけられ役が決まった。
悪役としての役に没頭すると、自然と体が動いた。
ヒーローは兄に。ヒロインは、彼女に。
自然とラーシュの中で刷り込まれたイメージは、どこか真実味を帯びていて。俳優陣の見事な演技もそれを助長させた。
きっと兄には言えなかったであろう悪意のある含みを持たせた一言を呟くと胸がスカッとした。
近づくことも許されなかった彼女に、兄だったら絶対にかけないであろう優しく慈愛を持った、何処か昏い一言を。
目的があるとはいえ、劇団員としての日々は、フィクションの人物を思い思いに演じることができ、ラーシュにとってしがらみのない世界であった。自分ができなかったことを、演劇の中で謳歌したラーシュは、初めて人生に楽しみを覚えていた。
ある日ラーシュは、緊急の要件で聖女に呼びつけられた。
手早く変装を解き、一体何が、と聖女の私室に駆けつけたラーシュを、聖女は神妙な顔で向かい入れ、一息に告げた。
王位をひっくり返す。
兄は廃嫡、そして自分が次代の王になると。
突然のことで何を言われているのか理解できなかったラーシュはその場で立ち尽くした。聞けば、兄は周囲に相談もなく婚約者との契りを解消したという。それだけでも許し難い行為であるのに、なんとその後釜に平民上がりの少女を据えると告げたと言うのだ。
ーーどこまで。ぬくぬくと育てられた彼は一体どこまで、愚かであるのか。
その時ばかりはラーシュも怒りを抑えきれず、握り拳を震わせた。
彼女一体どうなる?
青春の一番大事な時期を王妃教育に費やした彼女は?
強い怒りに顔を真っ赤にしたラーシュを見て聖女は話を続けた。一月後の国議会で、兄の廃嫡そして。兄に代わるラーシュの存在を明かし、王直々に、立太子の表明を行うと言うのだ。
驚きの内容に、いつのまにか握り拳からは力が抜けていた。
自らの人生が百八十度変わる。
その事実を受け入れることに時間はかかりそうだが、ラーシュの頭の中には一つの強い願いが呼び起こされていた。
過去に諦め。それでも、胸に秘め続けてきた想い。
ーーもし叶うのであれば。
兄の隣に立っていた、凛とした彼女への想いを聖女に伝えたい。
驚く聖女に、ラーシュはこうも告げた。
ーー彼女には決められた婚約者として、でなく、別の形で出会いたいんだ。
ラーシュが告げた初めてとも言える、『前向きな』我儘に、聖女は目元を潤ませながら頷いた。
即位に向けて動き出すため、ラーシュが公演に参加できる時間は残りわずかであった。
夜遅くまで稽古をしていたラーシュは流れ落ちる汗を拭った。
本来と違う見た目で彼女と接することに、一抹の不安がよぎる。
ーーこの演劇を気に入ってくれるだろうか?
そして、この姿の自分を……
ラーシュはどくり、と震える心臓に気づかないふりをした。
もし彼女に断られたら、諦める他ないことはわかっている。
それでも。
一度でもしてしまった期待は胸を痛いほどに疼かせた。
明日には。
彼女がやってくる。
彼は出生当初からその存在を秘匿され、兄である第一王子と明確な区別をされて育った。第二位の王位継承権を持つため、覇王学や王政学を学ぶ点のみを除き、彼を取り巻くそれはまるで高位の政務官、もしくは執政を育てるかのような環境であった。
王が貴族の人心掌握に長けているとすれば、将来王を補佐する役割が求められるラーシュは、民草に関するさまざまな知識から、民に支持される手法についての勉強を求められた。
王政を敷く上で民の心を掴むものは何か、平民から浮浪者までその生活形態を学んだ。王は金勘定などしない。民の平均年収など知りもしない。だが、国を守り、政事を担うものにとって、国を支える民の生活は欠いてはならない大事な知識であった。民の心が離れた王国に未来などない。そのため、ラーシュは民の心を掴むような政策や、民を惹きつける貴族像を学び、いずれくる兄の治世を支えるための足がかりを必死に作り続けた。
週に一度は、必ず聖女との語らいの時間が設けられる。目まぐるしい日々が続くラーシュにとって、その時間は得難いものであった。
聖女はオリーブ色の髪に、黒い瞳の、どこにでもいるような女性であった。しかしその知識や思考能力は凄まじく、過去に起こり得た大戦の火種を解消させたり、民のことを考えて幾つもの政策を王に提案した。結果として、その政策から派生した新事業は大成功し、大きな国益をもたらした。今や、この国の政に欠かせない存在であった。そんな彼女は、ラーシュを気にかけ、いつも気遣いの言葉をくれた。
ラーシュ、体調はどう?
今週はどんなことがあった?
何を学んだ?
柔らかな声音で、目を細めながら語りかける聖女は、ラーシュにとって時に母のようにラーシュを包み込み、時に姉のように、ラーシュを嗜めた。心地の良い声に耳を傾けながら、ラーシュはその時々で目にしたり、経験したこと、思ったことなどを聖女に伝える。聖女は穏やかに傾聴し、時に驚き、時に唇をかみしめてラーシュの話に耳を傾けた。
今でこそ、聖女との語らいの時間は心安らぐものになったが、まだ自分の在り方が固まっていなかった時は、ラーシュの怒りが爆発して、それはそれは酷い時間であった。
そもそもラーシュがぬるま湯のような生活を手放すきっかけとなったのはこの聖女の提案である。懐妊がわかってすぐに、父母の元を訪れた聖女は、ラーシュの存在を秘匿するようよくよく言い含めたそうだ。派閥争いの可能性や、傀儡化など、さまざまな懸念を示した聖女の言葉に、父母は納得した上で、ラーシュの存在を完全に隠し通した。
口の固い、信用できる高位貴族のみ、ラーシュの存在が明かされた。金髪碧眼は王家の印であることから、幼い頃に変装技術を磨くよう躾けられた。物心つく前から高官の家を転々とした後、平民の生活も体験した。場当たり的に理不尽な暴力を受けそうになった事も多々ある。命の危険がある時以外、手を出すことのない影を恨めしく思いながら、大の大人と殴り合ったことだって有った。体にいくつもの生傷をこさえて、荒屋に帰った事も二度や三度ではない。貧しい食事を摂りながら、王宮で豊かな生活を送る兄の姿を疎ましく、そして妬ましく思っていた。
「俺は父上と母上に捨てられたんだ」
「聖女だかなんだか知らないが、お前のせいで」
「なんで俺ばかりこんな思いを」
怒りと絶望に支配されていたラーシュは、聖女との時間でいくつもの暴言を吐いた。用意されたお茶やお菓子すら恨めしくて、ローテーブルをひっくり返し暴れ回ったことさえある。
その度に聖女は、涙を目に溜め、唇を噛み締めながら、ラーシュに謝罪した。そして、ラーシュが学ぶべき必要性を訥々と述べるのであった。
ラーシュが感じている苦しさこそ、平民たちが抱えているものなのだと。本来は皆平等の世界線がある中で、この世界では生まれながらに優劣が決まってしまっている。貴族たちが贅を尽くす一方で、泥水を啜りながら生活をしている民がいる。
ラーシュには私の亡き後に、そんな人たちの希望となるような王国の基盤を作ってほしい。
もちろん初めからはいそうですか、と受け入れられたわけではない。やはり納得などいかず、しばらくは儘ならぬ日々が続いた。
しかし、聖女の涙ながらの訴えや、苦しんでいる民たちを救うことができる可能性を少しずつ理解したラーシュの視点は大きく変わった。結果として、ラーシュは自分の立場を完全に理解し、納得した。自分の中にすとん、と落ちたと言ってもいい。
それからは、至極真面目に、お役目を果たすことだけを考え、ラーシュはひたすら精進した。
ーーそれでも。
それでも、とラーシュは考えてしまうのだ。
王族に相応しくない酷く節くれた指先を持つ自分と、まるで王族そのものといったなめらかな手を持つ兄、そしてその隣にいる美しい婚約者のことを。
兄の学ぶべき王政教育とは比べ物にならない質と量である、厳しい王妃教育を弱音も吐かずにこなす彼女はいつも凛として、どこか儚げで。
そんな彼女の隣に立てる兄が羨ましく、やはり妬ましかった。
高位貴族から平民まで様々な役職、生活形態を学んだラーシュの現在の潜入先は、劇団の中であった。どちらかと言うと貴族向けの演劇が多いこの劇団は、今回は庶民の恋愛をテーマに、しかし貴族受けするようなドラマチックな劇を公演している。
脚本家は聖女の息がかかっており、貴族が身分差を前提とせずに、平民について知る足がかりとなるような脚本を作るよう指示されていた。ラーシュはそんな手腕を学ぶために、俳優として劇団に在籍していた。脚本は貴族受けの良い恋愛ジャンルをテーマに作り上げられ、完成度の高い作品となった。
正体を明かすことなく潜入していたラーシュは周囲に目立たぬようありふれた髪や瞳の色、そして小太りの変装をしていた。しかし、ラーシュの物腰に引かれるものがあったのか、君に似合う!なぜなら、僕の勘がそう言ってる!と劇監督に確信した様子で声をかけられ役が決まった。
悪役としての役に没頭すると、自然と体が動いた。
ヒーローは兄に。ヒロインは、彼女に。
自然とラーシュの中で刷り込まれたイメージは、どこか真実味を帯びていて。俳優陣の見事な演技もそれを助長させた。
きっと兄には言えなかったであろう悪意のある含みを持たせた一言を呟くと胸がスカッとした。
近づくことも許されなかった彼女に、兄だったら絶対にかけないであろう優しく慈愛を持った、何処か昏い一言を。
目的があるとはいえ、劇団員としての日々は、フィクションの人物を思い思いに演じることができ、ラーシュにとってしがらみのない世界であった。自分ができなかったことを、演劇の中で謳歌したラーシュは、初めて人生に楽しみを覚えていた。
ある日ラーシュは、緊急の要件で聖女に呼びつけられた。
手早く変装を解き、一体何が、と聖女の私室に駆けつけたラーシュを、聖女は神妙な顔で向かい入れ、一息に告げた。
王位をひっくり返す。
兄は廃嫡、そして自分が次代の王になると。
突然のことで何を言われているのか理解できなかったラーシュはその場で立ち尽くした。聞けば、兄は周囲に相談もなく婚約者との契りを解消したという。それだけでも許し難い行為であるのに、なんとその後釜に平民上がりの少女を据えると告げたと言うのだ。
ーーどこまで。ぬくぬくと育てられた彼は一体どこまで、愚かであるのか。
その時ばかりはラーシュも怒りを抑えきれず、握り拳を震わせた。
彼女一体どうなる?
青春の一番大事な時期を王妃教育に費やした彼女は?
強い怒りに顔を真っ赤にしたラーシュを見て聖女は話を続けた。一月後の国議会で、兄の廃嫡そして。兄に代わるラーシュの存在を明かし、王直々に、立太子の表明を行うと言うのだ。
驚きの内容に、いつのまにか握り拳からは力が抜けていた。
自らの人生が百八十度変わる。
その事実を受け入れることに時間はかかりそうだが、ラーシュの頭の中には一つの強い願いが呼び起こされていた。
過去に諦め。それでも、胸に秘め続けてきた想い。
ーーもし叶うのであれば。
兄の隣に立っていた、凛とした彼女への想いを聖女に伝えたい。
驚く聖女に、ラーシュはこうも告げた。
ーー彼女には決められた婚約者として、でなく、別の形で出会いたいんだ。
ラーシュが告げた初めてとも言える、『前向きな』我儘に、聖女は目元を潤ませながら頷いた。
即位に向けて動き出すため、ラーシュが公演に参加できる時間は残りわずかであった。
夜遅くまで稽古をしていたラーシュは流れ落ちる汗を拭った。
本来と違う見た目で彼女と接することに、一抹の不安がよぎる。
ーーこの演劇を気に入ってくれるだろうか?
そして、この姿の自分を……
ラーシュはどくり、と震える心臓に気づかないふりをした。
もし彼女に断られたら、諦める他ないことはわかっている。
それでも。
一度でもしてしまった期待は胸を痛いほどに疼かせた。
明日には。
彼女がやってくる。
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