1 / 9
プロローグ
平凡すぎる俺
しおりを挟む「起きるのぉー。」
横から甘いストロベリーボイスが聞こえてくる。耳元で囁く彼女の姿を見ると一見、ラブラブのカレカノに見られるだろう。否!それは違う!
俺は現在から進行形でこの魔物(というより悪魔!)に脅されています。
(なんでこうなったぁぁぁぁ!!!)
「行ってきます。」
ドアを開けると涼しい風が吹き込み、俺の短い髪を揺らす。地面には小さな芽が出ている。いろいろな花が咲いており、一番目につくのは公園にある桜。
この桜と生きてきたと言っても過言ではない。風に揺らされ桜の花びらがヒラヒラと落ちると、「あぁ。これがいい日常だ。」と考えずにはいられない。芽を見つけると大きく育つように願いながら歩いていく。
毎日のように歩道を歩いていた。それは絶対に青信号。なのに。次の瞬間、俺が横から見たものは真っ白なトラックだった。
(あ。俺死ぬわ。)
走馬灯のように過去が蘇る。小さかった俺。幼稚園の頃は虐められていた。そんなとこに現れては「やめなさーい!!」と大声をだして俺を守ってくれた幼馴染。いつも手を握って寄り添ってくれた。小学生の時、幼馴染が虐められているのを目撃して「今度は俺が守る!」って言っていじめっ子を追い払ったのが心に残ってるなぁ。
中学になって幼馴染に告白した。フラれてしまったね。でも何故か清々しかった。あの幼馴染は今どうしてるんだろう?高校は空気で過ごした。幼馴染が心残りだったわけじゃ無いはずだけど、心に重い重荷が乗ったように離れなかったんだ。
大学はいいところに行った。国立の京間大学。頑張って親孝行出来たかなぁ。首席で卒業できたのが嬉しかった。就職場のゲーム会社。いきいきとしたいい生活が送れると思ったのに。
トラックが差し掛かった瞬間に俺の下に変な文字がかかれた五芒星が描かれた...魔法陣らしきものが現れた。
「は?」
一瞬の浮遊感と共に下に落ちていく。水色の光っているような周りは底が無いようにも見える。底は本当に無いように見え不安が、嫌な予感が頭をよぎる。
「うわあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
生きてる中で最高の声の断末魔が出た。死ぬと思ったら落ちていく。。。落とし穴にでも落とされたのか?!
とてつもなく猛スピードで下に下にと落ちていく中、声が聞こえた。
「はーい!ストップストップ。」
その声が聞こえた途端、俺の体はストッパーがかけられたように止まった。さっきのを我慢してたせいか、急な吐き気が襲う。
「オロロロロロ......」
「はっ?!君吐いて....。臭っ!!」
慌てふためいている声の主はともかく、俺は持っているはずのバックを手にしようとした。
背中に手をやると感触がない。否、背中の感触、体があるはずのところになかった。
慌てて俺の体を見る。ない。というより透けている。死後の世界かなんやらで幽霊みたいなのを見た。ホラゲにもよくいる敵。そんな感じに透けていた。思考が追いつかない。いや、考えたくなかった。脳が拒絶している。これはありえない事だと。
「お。俺の体が....。」
「あぁ。えっとね。君には今から転生してもらいます!」
(は?)
吐いたものはいつの間にか片付けそいつから出てきた言葉が「転生」ありえない事だらけだ。何故か下からオーラが出ていた。いや、俺の体からオーラが吹き出て俺の体を纏っていた。
そのオーラは次第に形を作り体を創造していく。無論。俺の頭もである。その形はまるで....。ガッと鈍器で殴られたような感覚。意識が一瞬にして途切れ俺はその場に倒れた。
「行ってらっしゃい。君達で言う異世界へ!!」
0
あなたにおすすめの小説
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
「俺が勇者一行に?嫌です」
東稔 雨紗霧
ファンタジー
異世界に転生したけれども特にチートも無く前世の知識を生かせる訳でも無く凡庸な人間として過ごしていたある日、魔王が現れたらしい。
物見遊山がてら勇者のお披露目式に行ってみると勇者と目が合った。
は?無理
【死に役転生】悪役貴族の冤罪処刑エンドは嫌なので、ストーリーが始まる前に鍛えまくったら、やりすぎたようです。
いな@
ファンタジー
【第一章完結】映画の撮影中に死んだのか、開始五分で処刑されるキャラに転生してしまったけど死にたくなんてないし、原作主人公のメインヒロインになる幼馴染みも可愛いから渡したくないと冤罪を着せられる前に死亡フラグをへし折ることにします。
そこで転生特典スキルの『超越者』のお陰で色んなトラブルと悪名の原因となっていた問題を解決していくことになります。
【第二章】
原作の開始である学園への入学式当日、原作主人公との出会いから始まります。
原作とは違う流れに戸惑いながらも、大切な仲間たち(増えます)と共に沢山の困難に立ち向かい、解決していきます。
ハイエルフの幼女に転生しました。
レイ♪♪
ファンタジー
ネグレクトで、死んでしまったレイカは
神様に転生させてもらって新しい世界で
たくさんの人や植物や精霊や獣に愛されていく
死んで、ハイエルフに転生した幼女の話し。
ゆっくり書いて行きます。
感想も待っています。
はげみになります。
俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。
不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます
天田れおぽん
ファンタジー
ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。
ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。
サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める――――
※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。
伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります
竹桜
ファンタジー
武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。
転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる