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36 舞台の終わりに
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二人は壁に映る姿に昂り、もっと欲しいと口付けを交わす。ごり、と鳴ったのは神崎の喉の奥。普段は、レイのペニスが触れている場所。レイを犯しながらそこを突かれる倒錯的な状況に、それを衆人環視のもとで行われていることに、神崎の背がぞくりと震える。
触れた唇から、レイの唾液が伝い落ちる。それを受け止める術もなく、飲み込むこともできないまま、神崎のそれと混ざり汚れていく。
――ケン、すまない……なのに何故私は、こんなに嬉しいんだろう。
神崎を、自分の体液が汚していく。弥生に責められながらも、全身で感じるのは神崎の存在だけ。
もっと強く触れ合いたくて、レイは喉を限界まで開いて顔を寄せる。唇を押しつぶす勢いで重ねると、神崎がふっと笑って腰を揺らす。
そこに、弥生が蝋を垂らす。
――おかしく、なりそう。
媚薬に浮かされた身体が、熱で満たされる。レイが腕に力を込めると、神崎がさらに近付く。
「もっと熱いのにしましょうか」
弥生が蝋燭を変える。よく見えるようにと高い位置から落としていたのを、レイのすぐ近くに変えた。
「準備ができるまでに、この蝋を剥がして…」
熱で赤くなったそこに、短い鞭が振り下ろされた。
「っひぁ……っ」
仰け反ったレイの口からディルドが覗く。神崎に押し付ける形になった後孔が、ペニスを根元近くまで飲み込んだ。
弥生に頭を抑えられ、レイの喉が塞がれると、弥生は腰の布を横に避けて蝋燭を傾けた。
ポタタ、と蝋が臀部を染める。声もなく喘ぐレイの後孔は、イき続けて痙攣を繰り返す。
「っく、は……っ」
神崎が強く腰を振ると、レイも腰を揺らした。
表情が見えないほど近く。乱れる息が互いに届くほど近く繋がれて。
「レイの中、気持ちいいよね。ざらざらしてて、うねって締め付けてくるし」
俺も知っているよ、と弥生が煽る。レイの身体で、他の男が知らない場所などないよと笑った。
神崎がじろりと睨んでも、弥生は構わず笑って蝋をレイに垂らす。そのたびにレイは、涙を流して達した。
昼から始まった舞台が終わったのは、夕方だった。ヤヒロがカメラを置き、終了の口上を述べる。ゆっくり降りる緞帳の向こうでは、客たちが惚けた表情で席を立つ。
――客席のことなんて、気にする余裕もなかったな……。
後孔にペニスを、口にはディルドを入れたまま、レイがふっと我に返る。そんなレイを宥めるように神崎が口付けると、完全に緞帳で遮られた舞台は四人きりになった。
「お疲れ様でした。弥生、やりにくかったでしょう。すみませんでしたね」
苦笑と共にヤヒロが言えば、弥生は肩を竦めて笑う。
「ね、あの人はまだ居る?居たら特別室に連れて行ってて」
ヤヒロは頷き、スタッフに指示を出す。
そのやり取りの間も、神崎とレイは繋がったまま。神崎が腰を揺らすと、レイは笑ってディルドを飲み込みながら口付ける。戯れに口に媚薬を注ぎ、片手で頬を撫であって。
弥生はそんな二人を呆れたように見つめ、首を繋ぐ鎖を解いた。
「もう。見せつけないでくれる?こっちは不完全燃焼だってのに」
苦笑を浮かべ、手の鎖も解く。神崎は自由になった手でレイを抱きしめ、口付けを深くしながら弥生に視線を投げた。
弥生は肩を竦め、うっとりと目を蕩けさせるレイと神崎を見比べて、深いため息を吐く。
「オニイサン、僕にヤキモチ焼かないでくれる?レイはどう見たって……」
弥生はそこまで言って、言葉を止める。
――オニイサンに夢中なのに、なんて。レイの為にも言ってやれないなぁ。
ひた隠しにしているつもりのレイを気遣って、慌てた表情のレイに微笑んで見せる。
弥生はヤヒロに向き直り、もう行くね、と声を掛けて舞台を去る。その背を見送ったヤヒロが、さて、と二人を見た。
「……とりあえず、話ができないので、ディルドだけでも取ってくれますか」
ソファに座る神崎の膝に、レイが座った。後孔には神崎のペニスが差し込まれ、レイが倒れないよう気遣う振りをした神崎の指先が、レイの乳首を弄ぶ。
「っあん、だめ、ケン…っ」
びく、と震えるレイにヤヒロは肩を竦め、神崎をじっと見つめる。
「さて。レイの身体で他の男性が触れたことがない場所はない、と弥生が言っていましたが」
ヤヒロの言葉に、レイの身体が強ばる。神崎はレイを口付けで宥めながら、ヤヒロを静かに見返した。
――この男はいけ好かないが、無意味にスタッフを傷つけないはずだ。
ヤヒロはふっと笑い、一歩下がって腕を組む。二人を邪魔する気はないという、ヤヒロなりの意思表示だ。
「レイの身体で、まだ男も女も知らない場所があります」
神崎が興味深げに眉を上げたのとは対照的に、レイは顔を顰めて首を振る。
「そ、れは、ダメです」
弱く言うレイを撫でながら、神崎がふっと笑う。
――なるほど。それで、あの台詞か。
ヤヒロに朝言われたばかりのそれを思い出しながら、神崎がヤヒロに先を促した。
「正真正銘、まっさらな所ですが……いかがですか?」
今日のおすすめのメニューを伝えるような気軽さで問われた神崎が、慌てふためくレイを宥めながらはっきりと頷く。
「いいですね。ぜひいただきたいです」
にこりと笑って見せると、ヤヒロも頷いてレイを見た。
「良いでしょう。レイを差し上げます。――ということですので、レイ、しっかりやりなさいね」
触れた唇から、レイの唾液が伝い落ちる。それを受け止める術もなく、飲み込むこともできないまま、神崎のそれと混ざり汚れていく。
――ケン、すまない……なのに何故私は、こんなに嬉しいんだろう。
神崎を、自分の体液が汚していく。弥生に責められながらも、全身で感じるのは神崎の存在だけ。
もっと強く触れ合いたくて、レイは喉を限界まで開いて顔を寄せる。唇を押しつぶす勢いで重ねると、神崎がふっと笑って腰を揺らす。
そこに、弥生が蝋を垂らす。
――おかしく、なりそう。
媚薬に浮かされた身体が、熱で満たされる。レイが腕に力を込めると、神崎がさらに近付く。
「もっと熱いのにしましょうか」
弥生が蝋燭を変える。よく見えるようにと高い位置から落としていたのを、レイのすぐ近くに変えた。
「準備ができるまでに、この蝋を剥がして…」
熱で赤くなったそこに、短い鞭が振り下ろされた。
「っひぁ……っ」
仰け反ったレイの口からディルドが覗く。神崎に押し付ける形になった後孔が、ペニスを根元近くまで飲み込んだ。
弥生に頭を抑えられ、レイの喉が塞がれると、弥生は腰の布を横に避けて蝋燭を傾けた。
ポタタ、と蝋が臀部を染める。声もなく喘ぐレイの後孔は、イき続けて痙攣を繰り返す。
「っく、は……っ」
神崎が強く腰を振ると、レイも腰を揺らした。
表情が見えないほど近く。乱れる息が互いに届くほど近く繋がれて。
「レイの中、気持ちいいよね。ざらざらしてて、うねって締め付けてくるし」
俺も知っているよ、と弥生が煽る。レイの身体で、他の男が知らない場所などないよと笑った。
神崎がじろりと睨んでも、弥生は構わず笑って蝋をレイに垂らす。そのたびにレイは、涙を流して達した。
昼から始まった舞台が終わったのは、夕方だった。ヤヒロがカメラを置き、終了の口上を述べる。ゆっくり降りる緞帳の向こうでは、客たちが惚けた表情で席を立つ。
――客席のことなんて、気にする余裕もなかったな……。
後孔にペニスを、口にはディルドを入れたまま、レイがふっと我に返る。そんなレイを宥めるように神崎が口付けると、完全に緞帳で遮られた舞台は四人きりになった。
「お疲れ様でした。弥生、やりにくかったでしょう。すみませんでしたね」
苦笑と共にヤヒロが言えば、弥生は肩を竦めて笑う。
「ね、あの人はまだ居る?居たら特別室に連れて行ってて」
ヤヒロは頷き、スタッフに指示を出す。
そのやり取りの間も、神崎とレイは繋がったまま。神崎が腰を揺らすと、レイは笑ってディルドを飲み込みながら口付ける。戯れに口に媚薬を注ぎ、片手で頬を撫であって。
弥生はそんな二人を呆れたように見つめ、首を繋ぐ鎖を解いた。
「もう。見せつけないでくれる?こっちは不完全燃焼だってのに」
苦笑を浮かべ、手の鎖も解く。神崎は自由になった手でレイを抱きしめ、口付けを深くしながら弥生に視線を投げた。
弥生は肩を竦め、うっとりと目を蕩けさせるレイと神崎を見比べて、深いため息を吐く。
「オニイサン、僕にヤキモチ焼かないでくれる?レイはどう見たって……」
弥生はそこまで言って、言葉を止める。
――オニイサンに夢中なのに、なんて。レイの為にも言ってやれないなぁ。
ひた隠しにしているつもりのレイを気遣って、慌てた表情のレイに微笑んで見せる。
弥生はヤヒロに向き直り、もう行くね、と声を掛けて舞台を去る。その背を見送ったヤヒロが、さて、と二人を見た。
「……とりあえず、話ができないので、ディルドだけでも取ってくれますか」
ソファに座る神崎の膝に、レイが座った。後孔には神崎のペニスが差し込まれ、レイが倒れないよう気遣う振りをした神崎の指先が、レイの乳首を弄ぶ。
「っあん、だめ、ケン…っ」
びく、と震えるレイにヤヒロは肩を竦め、神崎をじっと見つめる。
「さて。レイの身体で他の男性が触れたことがない場所はない、と弥生が言っていましたが」
ヤヒロの言葉に、レイの身体が強ばる。神崎はレイを口付けで宥めながら、ヤヒロを静かに見返した。
――この男はいけ好かないが、無意味にスタッフを傷つけないはずだ。
ヤヒロはふっと笑い、一歩下がって腕を組む。二人を邪魔する気はないという、ヤヒロなりの意思表示だ。
「レイの身体で、まだ男も女も知らない場所があります」
神崎が興味深げに眉を上げたのとは対照的に、レイは顔を顰めて首を振る。
「そ、れは、ダメです」
弱く言うレイを撫でながら、神崎がふっと笑う。
――なるほど。それで、あの台詞か。
ヤヒロに朝言われたばかりのそれを思い出しながら、神崎がヤヒロに先を促した。
「正真正銘、まっさらな所ですが……いかがですか?」
今日のおすすめのメニューを伝えるような気軽さで問われた神崎が、慌てふためくレイを宥めながらはっきりと頷く。
「いいですね。ぜひいただきたいです」
にこりと笑って見せると、ヤヒロも頷いてレイを見た。
「良いでしょう。レイを差し上げます。――ということですので、レイ、しっかりやりなさいね」
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