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1巻
1-3
――《解析》が完了しました。《複写》を行いますか? YES or NO?
「……えっ?」
「どうした?」
「え……いや、なんでもないです。では……俺はこれで」
サナトが握った手をぱっと放した。引きつった笑みで妙な空気になるが、それどころではない。
天の声にまた選択を迫られたのだ。ダンジョンコアの登録の時と同じ現象だ。
踵を返して、扉を勢いよく押し開けて逃げ出すように外に出る。
そして物陰に滑り込み、素早く自分のスキルに問いかけた。
「ルーティア、どういうことだ?」
『分からない……でも私の中の《複写》が機能したことは間違いない』
「ん? 《解析》とは別にそんな能力があるのか? 《複写》とは何を複写するんだ? まさかステータスか? 複写して上書きされるのか? それとも俺に足されるのか?」
――残り十秒です。《複写》を行いますか? YES or NO?
「頼む、教えてくれ」
『分からない……ほんとに分からないの』
「何かヒントはないのか? 二度とないチャンスかもしれないんだ」
『そんなこと言われても、私って生まれたばっかりで……』
――残り六秒です。《複写》を行いますか? YES or NO?
「せめて何を《複写》するのか分からないのか?」
『うん……』
「年齢とか持病とか性格とか変なものを複写することは無いのか?」
『……《解析》の結果……不明です』
「……ほんとうに《解析》したんだろうな?」
『ごめんなさい……』
――残り二秒です。《複写》を行いますか? YES or NO?
「仕方ない。YESだ」
『えぇっ!? いいの?』
「もしこれが当たりなら逃す訳にはいかない。それに……握手の時にたぶん条件が揃ったんだ。それならガンリットの何かを《複写》できるに違いない。年齢以外ならどれでもおいしい」
『年齢だったら?』
「……二十年ほど歳をとる……ことになる」
――《複写》を行います。スキルを選択してください。
「やった! スキルの《複写》かっ! 最高だっ!」
『……ほんとだ。スキルの一覧が出てきた』
自動で表示された四角い半透明のウインドウに、ずらずらとスキルが表示される。
剣術:初級
盾術:初級
斧術:初級
火魔法:初級
力+10
物理攻撃ダメージ+1%
間違いないようだ。ランクは上級から初級へ下がっているが、ガンリットのスキルすべてだ。《神格眼》で覗いた結果がそのまま映し出されている。
(ステータス補正は最低値が+10、ダメージ補正は+1%ということか)
『これ、《複写》しちゃえるんだ……』
「《解析》の中にこんなすごい力が隠れていたとは……すごいじゃないか。さて、どれにするか……どうやら別ページの説明文も読めるみたいだな。宿に戻ってじっくり時間をかけて研究を――」
――残り十秒です。
「また時間制限付きか……」
サナトがうんざりした顔で言った。
『ほんとひどいよね。知らないスキルばっかりだったらどうするのって感じ』
「不親切極まりないな。何とかしてくれると助かるんだが」
――残り五秒です。
「確かに酷な話だが、まあいいか。《複写》できると分かったんだ。大きな進歩だ。差し当たり必要なスキルは――」
『……何を選ぶの?』
「もちろん――」
サナトは高鳴る鼓動を感じながら、一覧から《火魔法》を選択した。文字が白く反転し、ウインドウが溶けるように消えていく。
即座にステータスを確認した。
サナト 25歳
レベル8 人間
ジョブ:村人
《ステータス》
HP:57 MP:19
力:26 防御:26 素早さ:33 魔攻:15 魔防:15
《スキル》
浄化
火魔法:初級
《ユニークスキル》
神格眼
ダンジョンコア
サナトは喜色満面の笑みを見せる。確かに欲しかったスキルが表示されていた。
「よしっ、ルーティア、迷宮に行くぞ」
『えぇっ!? 冒険者はあきらめてコツコツ働くんじゃなかったの?』
「……そんなこと言ったか?」
『記録に残ってるけど……』
「……迷宮に行く」
『う、うん。がんばって、マスター』
拳を強く握ったサナトは迷宮の方向を睨みつけた。瞳の輝きが子供のようだった。
第六話 反則技
『すぐ行くかと思ったのに、どうして夜まで待つの?』
「ルーティアとしゃべっていると独り言ばかりだろ? 不審に思われるから人が少ない方がいい」
『あっ、なるほどー』
「人目が多い時は注意してくれ。俺もうっかり返事をしないように気をつけるが」
サナトは小声でつぶやくと乗り心地の悪い馬車から降りた。またも夜間便だ。
清掃の報酬で少しは余裕があるが、MP回復薬を多めに買いこんだため懐は寂しい。
《火魔法》の初級技――《ファイヤーボール》――は消費MP4。サナトのMPは19。時間による回復を考えなければ四発が限度だ。
回復薬はいくらあっても足りない。
(これを何本も連続で飲むのはしんどいが、背に腹は代えられないか)
『あっ、ウォーキングウッドだ』
「やはり、か」
(確か、前もこの辺りで一匹と出会った。シンボルエンカウントのようなものかもしれないな)
ウォーキングウッドの視野は狭い。すでに《神格眼》で得ている情報だ。
敵の視野に入らない位置で立ち止まった。
「炎よ、我が手に宿れ、《ファイヤーボール》」
薄暗い洞窟の中を、炎の塊が勢いよく飛んで行く。
サナトはじわじわとこみ上げる喜びのあまり、転げまわりそうになった。それほど自分が攻撃魔法を使う瞬間を夢見ていたのだ。
敵に着弾すると、一撃で瀕死に追い込んだ。
さすがに火が弱点と設定されているだけはある。頭上のHPバーがレッドゾーンに突入していた。
ウォーキングウッドの動きが遅くなり、よろめくような動作が見て取れる。
サナトは絶好の機会と判断して銅剣を抜刀して走り出した。
今回は死角から胴体へ水平切り。少しの擦過音と共に、あれだけ手こずったウォーキングウッドの体を見事に破壊した。
光の粉となって消えた後の木炭を、アイテムボックスに押し込む。
『やったね! でも遠距離からもう一発《ファイヤーボール》の方が安全だったんじゃない?』
「そんなに連続で撃ったらすぐMPが尽きる。長く戦うために温存しておかないと」
『長く?』
「ああ。迷宮から出るぞ」
『え? 奥に進むんじゃないの?』
「いや、もう一度ウォーキングウッドを倒す」
サナトはそう言うとそそくさと外に出た。
単独行動をする格上の敵と弱点魔法を駆使して連戦する。経験値稼ぎの基礎だ。
***
ちらりとステータス画面を確認した。表示されている残りMPは3。
アイテムボックスからMP回復薬を取り出して飲んだ。苦くて顔をしかめたが、瞬時に疲労感は消えた。体の動きを確認するように何度か剣の素振りをする。
「何匹目だ?」
『さっきので二十四匹目だけど、これって意味あるの?』
ウォーキングウッドばかりを狩り続けて迷宮の入り口を往復。ルーティアが疑問の声をあげた。
「テストとして意味はある。これだけ格上のモンスターと戦ってレベルが上がらないということは……本当に経験値は吸い取られてると思って間違いなさそうだな」
『……ごめんね』
「もうそれはいい。だが、経験値はすべてルーティアが受け取っているはず。何か変わりはないのか?」
『……え?』
「俺の代わりにルーティアが成長してるのかと思ったんだが、違うか?」
『どうだろ?』
「ルーティアにレベルは無いらしいが《解析》の能力は必ず成長するはずだろ。そうでなければ俺は何をしても全く成長しないことになる。一度しっかりと戦闘中に《解析》してくれ」
『う、うん』
サナトは再び迷宮に足を踏み入れた。
「そういえばダンジョンコアを失った迷宮はどうなるのか知ってるか?」
『ゆっくりと力を失って、最後はただの洞窟になるよ。でも人間の人生からすればすごく時間がかかるから、なかなか気づかないと思う』
「ただの洞窟になるとは?」
『迷宮が魔石の生成をやめちゃうの』
「すぐにはやめないのか?」
『深い迷宮ほど魔力の蓄えがあるから大丈夫』
「そうか。なら魔石の夢はまだ追えそうだな」
(魔石の塊を見つければ大金が稼げる。もしも機会があれば迷宮の深部に入ってみたいものだ)
「ん? ウォーキングウッドがいない……」
『ほんとだ。いっつもそこの角から出てきてたもんね』
「さて、どうするか」
『進もうよ。もうウォーキングウッドが何匹出てきても大丈夫でしょ?』
「あまり迷宮を甘く見るのは危険なんだが……まあいいか。《神格眼》もあるし、様子を見る程度なら問題ないだろ」
サナトは前進することを決めた。
休憩を挟む目的でアイテムボックスを開ける。あふれたアイテムが転がり落ちた。
無理矢理詰め込んでいたものが落ちたのだ。ボックスの収納量には限りがある。金が溜まったら大きなものに買い替えようと心に決めた。手を突っ込み、底にあった水筒をあおって水を飲む。
「いくぞ」
水筒を戻し、銅剣を抜き、重心をやや親指にかけた状態で歩を進める。細くなってきた通路には、どこから聞こえるのか分からない不気味な音が響いている。
「ん? 行き止まりか……」
数分歩いただろうか。目を凝らして奥を見た。光苔が壁面にびっしりと貼りつき、行き止まりであることを教えてくれた。
サナトは緊張を解き、息を吐いた。来た道を戻ろうとUターンする。
『マスター!』
「……大丈夫だ。分かっている」
姿は見えないが、何かが近づいてくる気配がする。
乾いた足音が細い通路の奥から断続的に聞こえた。サナトはごくりと唾を飲み《神格眼》で敵を捉えた。
ワンダースケルトン(レア)
レベル13 アンデッド
《ステータス》
HP:72 MP:62
力:29 防御:38 素早さ:56 魔攻:52 魔防:50
弱点:火、光、殴打
耐性:毒、斬撃
《スキル》
毒液
素早さ-20
「強い……」
こめかみに一筋の汗が流れた。と同時に、敵の視野を示す扇形の色がオレンジに変化した。
ワンダースケルトンが不気味なうなり声を上げてのろのろと近づいてくる。
「この階層のレアモンスターか。どうするか」
こんな時に出会わなくとも、と冷や汗を流した。
『マスター、攻撃が来るよ!』
「分かってる!」
先制攻撃は敵だった。敵から細い紫色の矢印が一気に伸びた。間髪容れずに飛来する毒々しい色の液体の塊を、壁に貼りついてかわす。
間一髪だ。おそらく毒液の塊。
サナトは毒消しを持っていない。
今のは敵のスキルによる攻撃だろう。当たれば間違いなくピンチに陥る。
「逃げ道が無い以上選択肢はないな。炎よ、我が手に宿れ! 《ファイヤーボール》」
お返しとばかりに火炎の塊が動きの鈍い骸骨に命中する。あっさりと命中したことに気を良くしたサナトだったが、すぐに思い違いに気付いた。
「ほとんど、効いていない……」
頭上に浮かぶHPバーはわずかしか減っていない。もしも《ファイヤーボール》で殺すとなると十発以上は必要だろう。だが、敵は今もじりじりと近づいてくる。
そうなれば力比べだ。ステータスに差がある敵との接近戦は絶望的だ。おまけに敵は斬撃耐性まで持っている。銅剣の攻撃は効果が薄い。
『ねえ、マスター、マスターったら!』
「今、戦略を考えている。ちょっと黙っててくれ」
慌てているルーティアに告げて、《浄化》のスキルに素早く目を通す。
このスキルはアンデッドに有効な魔法があったはずだ。記憶を頼りに、ページをスクロールした。
「違う。まだここは日常用だ。この辺りか……いや、MPが足りない魔法など意味が無い」
ぶつぶつと独り言をつぶやきながら、バックステップでワンダースケルトンと距離を取る。
だが、先は行き止まりだ。光苔が一層集まったエリアにほどなく到達してしまう。
「これだ!」
『マスター!』
「光よ、清浄にして白き輝きよ、闇に潜みし魔に鉄鎚を、《光輝の鎚》!」
目もくらむ光が周囲に生まれ、瞬く間にハンマーを象ってワンダースケルトンに振り下ろされた。《光輝の鎚》が寸分違わず敵の頭部を殴打する。
破砕音とともに、ワンダースケルトンが大きく後方にのけぞり、膝を突く。
弱点属性の光と殴打を兼ね備えた魔法。初級の火魔法より遥かに効果があったようだ。
だが、
「はぁっ、はぁっ……」
魔法を放ったサナトも、荒い息を吐いて膝を突いた。
消費MPは14。さっきの《ファイヤーボール》と合わせて残り1だ。
「これでようやく半分。魔攻のステータスが低いと威力も上がらないのか」
歯がみをするサナトの目は敵のHPバーに釘付けだ。有効な魔法ですら致命的なダメージを与えたとは言いづらい。
敵の動きが一旦止まった。チャンスは今しかない。
もう一発放てば、倒すか瀕死の状態に追い込むかはできるはず。
そう考えて、サナトはアイテムボックスから最後の一本であるMP回復薬を取り出そうとする。
「……ない?」
あるはずの瓶がそこに無かった。慌てて小さな箱の中を覗き込んだ。
しかし、そこにあったのは大量の木炭と食糧とわずかな金だ。
「まさか……さっき落としたのか?」
声が虚しく響いた。心臓が早鐘のように鳴り響く。これから起こりうる最悪の想像が思考を混乱させ始めた。
『むぅ、マスター! いい加減に聞いてっ!』
ルーティアの呼びかけで、サナトははっと我に返った。
『さっきからずっと呼んでるのに』
「すまん……だが――」
『分かってるよ。まずい状況なんでしょ。だからこそ聞いて。マスター……私ね、魔法のページがもう一ページ増えてるのに気付いたの』
「もう一ページ?」
『うん。これを見て。《ファイヤーボール》のページなんだけど……』
サナトは立ち上がりかけている敵を一瞥し、ルーティアが表示した部分を覗き込んだ。
「なんだこれは?」
目を見開いた。小さなウインドウタイトルは『設定状況』となっている。さらに、魔法の説明というにはあまりに異質な内容が、ずらずらと並んでいたのだ。
ファイヤーボール
《源泉》 ???
《属性・形状・攻撃力》 火・球体・20
《必要MP》 4
《範囲》 単体
《呪文》 炎よ 我が手に宿れ
《生成速度》 8
《その他》 10%火傷
「見えない項目もあるが、まるで《ファイヤーボール》の設定そのものだ……」
『でしょ? 大発見だよ』
ルーティアは得意げに声を上げる。
「確かに大発見だ。しかし裏設定が見られるようになっただけじゃないのか? 火傷の追加効果があると分かるのはありがたいが、今は役に立たないぞ」
『そんなに肩を落とさないで。ここで私の《解析》が役立つんだって。マスターに伝えたかったのはそれなの』
「《解析》が役立つだと?」
『うん。良く見ててね。《解析》開始』
声が途端に途切れた。
サナトは再びワンダースケルトンに意識を向ける。静まり返った通路をずるりずるりと近付いてくるのが音で分かる。
『お待たせっ! もう一度見て。すごいことになったよ』
「――っ!?」
ファイヤーボール
《源泉》 ???
《属性・形状・攻撃力》 火・球体・500
《必要MP》 1
《範囲》 単体
《呪文》 炎よ 我が手に宿れ
《生成速度》 8
《その他》 10%火傷
攻撃力がとんでもない数値に跳ねあがった。まさかの二十五倍だ。必要MPも4から1に減少している。
サナトは開いた口が塞がらなかった。見間違いかと何度も目をこすった。だがウインドウの表示は変わらない。
混乱するサナトに、恒例となってきた天の声が鳴り響く。
――スキルが一部更新されました。上書きしますか? YES or NO?
『ほらほらっ、上書きしちゃって!』
心底楽しそうなルーティアに誘われ、サナトは機械的に口に出す。
「YES」
――上書きに成功しました。
『やった! 《解析》の力ってすごいでしょ? だから優秀だよって言ったのに』
「……ありえない。これは《解析》じゃなくて改造だ」
サナトは呆然とウインドウを見つめ続けた。ルーティアの弾む声が頭に響いた。
第七話 豪炎の支配者
「と、とにかく、《解析》で《ファイヤーボール》がおかしくなったってことだが、使えるのか?」
サナトは恐ろしかった。目の前で起こった現象もそうだが、魔法の設定を上書きなどして大丈夫なのかと不安だった。ゲームならシステムエラーが起こってもおかしくない。
特に威力はまずい。単純計算で元の魔法の二十五発分。ゲームバランスを破壊してしまうことになる。
「大丈夫だろうか?」
『心配なのは分かるけど、お怒りの骨が来たよ』
「仕方ない……では、行くぞ。炎よ、我が手に宿れ、《ファイヤーボール》」
敵に向けた手から見慣れた火の玉が飛んで行く。薄緑色に光る通路を赤い光が走った。
変わったところはなかった。大きな火の塊になると考えていたサナトは肩すかしをくらう。
一瞬、失笑が漏れた。期待して損をした、と。
だが、HPバーは瞬時に左へ振り切った。敵はあっさりと上半身を吹き飛ばされ、光の粉へ姿を変えた。威力だけが桁外れだったのだ。
立ち尽くすサナトはドロップアイテムを見つめた。
「あれだけ効かなかった《ファイヤーボール》が……」
慌ててMPを確認した。残りは0だ。体は鉛のように重かった。
しかし、魔法は放てた。MPが足りないとも言われていない。導き出される結論はただ一つ。本当に消費MPが1に変化したのだ。
じわじわと未知の感覚が襲ってきた。それは狂喜。嬉しくて嬉しくてたまらないのだ。
憧れの攻撃魔法を使えるようになり、さらには一撃必殺の威力すら手にした。
「……えっ?」
「どうした?」
「え……いや、なんでもないです。では……俺はこれで」
サナトが握った手をぱっと放した。引きつった笑みで妙な空気になるが、それどころではない。
天の声にまた選択を迫られたのだ。ダンジョンコアの登録の時と同じ現象だ。
踵を返して、扉を勢いよく押し開けて逃げ出すように外に出る。
そして物陰に滑り込み、素早く自分のスキルに問いかけた。
「ルーティア、どういうことだ?」
『分からない……でも私の中の《複写》が機能したことは間違いない』
「ん? 《解析》とは別にそんな能力があるのか? 《複写》とは何を複写するんだ? まさかステータスか? 複写して上書きされるのか? それとも俺に足されるのか?」
――残り十秒です。《複写》を行いますか? YES or NO?
「頼む、教えてくれ」
『分からない……ほんとに分からないの』
「何かヒントはないのか? 二度とないチャンスかもしれないんだ」
『そんなこと言われても、私って生まれたばっかりで……』
――残り六秒です。《複写》を行いますか? YES or NO?
「せめて何を《複写》するのか分からないのか?」
『うん……』
「年齢とか持病とか性格とか変なものを複写することは無いのか?」
『……《解析》の結果……不明です』
「……ほんとうに《解析》したんだろうな?」
『ごめんなさい……』
――残り二秒です。《複写》を行いますか? YES or NO?
「仕方ない。YESだ」
『えぇっ!? いいの?』
「もしこれが当たりなら逃す訳にはいかない。それに……握手の時にたぶん条件が揃ったんだ。それならガンリットの何かを《複写》できるに違いない。年齢以外ならどれでもおいしい」
『年齢だったら?』
「……二十年ほど歳をとる……ことになる」
――《複写》を行います。スキルを選択してください。
「やった! スキルの《複写》かっ! 最高だっ!」
『……ほんとだ。スキルの一覧が出てきた』
自動で表示された四角い半透明のウインドウに、ずらずらとスキルが表示される。
剣術:初級
盾術:初級
斧術:初級
火魔法:初級
力+10
物理攻撃ダメージ+1%
間違いないようだ。ランクは上級から初級へ下がっているが、ガンリットのスキルすべてだ。《神格眼》で覗いた結果がそのまま映し出されている。
(ステータス補正は最低値が+10、ダメージ補正は+1%ということか)
『これ、《複写》しちゃえるんだ……』
「《解析》の中にこんなすごい力が隠れていたとは……すごいじゃないか。さて、どれにするか……どうやら別ページの説明文も読めるみたいだな。宿に戻ってじっくり時間をかけて研究を――」
――残り十秒です。
「また時間制限付きか……」
サナトがうんざりした顔で言った。
『ほんとひどいよね。知らないスキルばっかりだったらどうするのって感じ』
「不親切極まりないな。何とかしてくれると助かるんだが」
――残り五秒です。
「確かに酷な話だが、まあいいか。《複写》できると分かったんだ。大きな進歩だ。差し当たり必要なスキルは――」
『……何を選ぶの?』
「もちろん――」
サナトは高鳴る鼓動を感じながら、一覧から《火魔法》を選択した。文字が白く反転し、ウインドウが溶けるように消えていく。
即座にステータスを確認した。
サナト 25歳
レベル8 人間
ジョブ:村人
《ステータス》
HP:57 MP:19
力:26 防御:26 素早さ:33 魔攻:15 魔防:15
《スキル》
浄化
火魔法:初級
《ユニークスキル》
神格眼
ダンジョンコア
サナトは喜色満面の笑みを見せる。確かに欲しかったスキルが表示されていた。
「よしっ、ルーティア、迷宮に行くぞ」
『えぇっ!? 冒険者はあきらめてコツコツ働くんじゃなかったの?』
「……そんなこと言ったか?」
『記録に残ってるけど……』
「……迷宮に行く」
『う、うん。がんばって、マスター』
拳を強く握ったサナトは迷宮の方向を睨みつけた。瞳の輝きが子供のようだった。
第六話 反則技
『すぐ行くかと思ったのに、どうして夜まで待つの?』
「ルーティアとしゃべっていると独り言ばかりだろ? 不審に思われるから人が少ない方がいい」
『あっ、なるほどー』
「人目が多い時は注意してくれ。俺もうっかり返事をしないように気をつけるが」
サナトは小声でつぶやくと乗り心地の悪い馬車から降りた。またも夜間便だ。
清掃の報酬で少しは余裕があるが、MP回復薬を多めに買いこんだため懐は寂しい。
《火魔法》の初級技――《ファイヤーボール》――は消費MP4。サナトのMPは19。時間による回復を考えなければ四発が限度だ。
回復薬はいくらあっても足りない。
(これを何本も連続で飲むのはしんどいが、背に腹は代えられないか)
『あっ、ウォーキングウッドだ』
「やはり、か」
(確か、前もこの辺りで一匹と出会った。シンボルエンカウントのようなものかもしれないな)
ウォーキングウッドの視野は狭い。すでに《神格眼》で得ている情報だ。
敵の視野に入らない位置で立ち止まった。
「炎よ、我が手に宿れ、《ファイヤーボール》」
薄暗い洞窟の中を、炎の塊が勢いよく飛んで行く。
サナトはじわじわとこみ上げる喜びのあまり、転げまわりそうになった。それほど自分が攻撃魔法を使う瞬間を夢見ていたのだ。
敵に着弾すると、一撃で瀕死に追い込んだ。
さすがに火が弱点と設定されているだけはある。頭上のHPバーがレッドゾーンに突入していた。
ウォーキングウッドの動きが遅くなり、よろめくような動作が見て取れる。
サナトは絶好の機会と判断して銅剣を抜刀して走り出した。
今回は死角から胴体へ水平切り。少しの擦過音と共に、あれだけ手こずったウォーキングウッドの体を見事に破壊した。
光の粉となって消えた後の木炭を、アイテムボックスに押し込む。
『やったね! でも遠距離からもう一発《ファイヤーボール》の方が安全だったんじゃない?』
「そんなに連続で撃ったらすぐMPが尽きる。長く戦うために温存しておかないと」
『長く?』
「ああ。迷宮から出るぞ」
『え? 奥に進むんじゃないの?』
「いや、もう一度ウォーキングウッドを倒す」
サナトはそう言うとそそくさと外に出た。
単独行動をする格上の敵と弱点魔法を駆使して連戦する。経験値稼ぎの基礎だ。
***
ちらりとステータス画面を確認した。表示されている残りMPは3。
アイテムボックスからMP回復薬を取り出して飲んだ。苦くて顔をしかめたが、瞬時に疲労感は消えた。体の動きを確認するように何度か剣の素振りをする。
「何匹目だ?」
『さっきので二十四匹目だけど、これって意味あるの?』
ウォーキングウッドばかりを狩り続けて迷宮の入り口を往復。ルーティアが疑問の声をあげた。
「テストとして意味はある。これだけ格上のモンスターと戦ってレベルが上がらないということは……本当に経験値は吸い取られてると思って間違いなさそうだな」
『……ごめんね』
「もうそれはいい。だが、経験値はすべてルーティアが受け取っているはず。何か変わりはないのか?」
『……え?』
「俺の代わりにルーティアが成長してるのかと思ったんだが、違うか?」
『どうだろ?』
「ルーティアにレベルは無いらしいが《解析》の能力は必ず成長するはずだろ。そうでなければ俺は何をしても全く成長しないことになる。一度しっかりと戦闘中に《解析》してくれ」
『う、うん』
サナトは再び迷宮に足を踏み入れた。
「そういえばダンジョンコアを失った迷宮はどうなるのか知ってるか?」
『ゆっくりと力を失って、最後はただの洞窟になるよ。でも人間の人生からすればすごく時間がかかるから、なかなか気づかないと思う』
「ただの洞窟になるとは?」
『迷宮が魔石の生成をやめちゃうの』
「すぐにはやめないのか?」
『深い迷宮ほど魔力の蓄えがあるから大丈夫』
「そうか。なら魔石の夢はまだ追えそうだな」
(魔石の塊を見つければ大金が稼げる。もしも機会があれば迷宮の深部に入ってみたいものだ)
「ん? ウォーキングウッドがいない……」
『ほんとだ。いっつもそこの角から出てきてたもんね』
「さて、どうするか」
『進もうよ。もうウォーキングウッドが何匹出てきても大丈夫でしょ?』
「あまり迷宮を甘く見るのは危険なんだが……まあいいか。《神格眼》もあるし、様子を見る程度なら問題ないだろ」
サナトは前進することを決めた。
休憩を挟む目的でアイテムボックスを開ける。あふれたアイテムが転がり落ちた。
無理矢理詰め込んでいたものが落ちたのだ。ボックスの収納量には限りがある。金が溜まったら大きなものに買い替えようと心に決めた。手を突っ込み、底にあった水筒をあおって水を飲む。
「いくぞ」
水筒を戻し、銅剣を抜き、重心をやや親指にかけた状態で歩を進める。細くなってきた通路には、どこから聞こえるのか分からない不気味な音が響いている。
「ん? 行き止まりか……」
数分歩いただろうか。目を凝らして奥を見た。光苔が壁面にびっしりと貼りつき、行き止まりであることを教えてくれた。
サナトは緊張を解き、息を吐いた。来た道を戻ろうとUターンする。
『マスター!』
「……大丈夫だ。分かっている」
姿は見えないが、何かが近づいてくる気配がする。
乾いた足音が細い通路の奥から断続的に聞こえた。サナトはごくりと唾を飲み《神格眼》で敵を捉えた。
ワンダースケルトン(レア)
レベル13 アンデッド
《ステータス》
HP:72 MP:62
力:29 防御:38 素早さ:56 魔攻:52 魔防:50
弱点:火、光、殴打
耐性:毒、斬撃
《スキル》
毒液
素早さ-20
「強い……」
こめかみに一筋の汗が流れた。と同時に、敵の視野を示す扇形の色がオレンジに変化した。
ワンダースケルトンが不気味なうなり声を上げてのろのろと近づいてくる。
「この階層のレアモンスターか。どうするか」
こんな時に出会わなくとも、と冷や汗を流した。
『マスター、攻撃が来るよ!』
「分かってる!」
先制攻撃は敵だった。敵から細い紫色の矢印が一気に伸びた。間髪容れずに飛来する毒々しい色の液体の塊を、壁に貼りついてかわす。
間一髪だ。おそらく毒液の塊。
サナトは毒消しを持っていない。
今のは敵のスキルによる攻撃だろう。当たれば間違いなくピンチに陥る。
「逃げ道が無い以上選択肢はないな。炎よ、我が手に宿れ! 《ファイヤーボール》」
お返しとばかりに火炎の塊が動きの鈍い骸骨に命中する。あっさりと命中したことに気を良くしたサナトだったが、すぐに思い違いに気付いた。
「ほとんど、効いていない……」
頭上に浮かぶHPバーはわずかしか減っていない。もしも《ファイヤーボール》で殺すとなると十発以上は必要だろう。だが、敵は今もじりじりと近づいてくる。
そうなれば力比べだ。ステータスに差がある敵との接近戦は絶望的だ。おまけに敵は斬撃耐性まで持っている。銅剣の攻撃は効果が薄い。
『ねえ、マスター、マスターったら!』
「今、戦略を考えている。ちょっと黙っててくれ」
慌てているルーティアに告げて、《浄化》のスキルに素早く目を通す。
このスキルはアンデッドに有効な魔法があったはずだ。記憶を頼りに、ページをスクロールした。
「違う。まだここは日常用だ。この辺りか……いや、MPが足りない魔法など意味が無い」
ぶつぶつと独り言をつぶやきながら、バックステップでワンダースケルトンと距離を取る。
だが、先は行き止まりだ。光苔が一層集まったエリアにほどなく到達してしまう。
「これだ!」
『マスター!』
「光よ、清浄にして白き輝きよ、闇に潜みし魔に鉄鎚を、《光輝の鎚》!」
目もくらむ光が周囲に生まれ、瞬く間にハンマーを象ってワンダースケルトンに振り下ろされた。《光輝の鎚》が寸分違わず敵の頭部を殴打する。
破砕音とともに、ワンダースケルトンが大きく後方にのけぞり、膝を突く。
弱点属性の光と殴打を兼ね備えた魔法。初級の火魔法より遥かに効果があったようだ。
だが、
「はぁっ、はぁっ……」
魔法を放ったサナトも、荒い息を吐いて膝を突いた。
消費MPは14。さっきの《ファイヤーボール》と合わせて残り1だ。
「これでようやく半分。魔攻のステータスが低いと威力も上がらないのか」
歯がみをするサナトの目は敵のHPバーに釘付けだ。有効な魔法ですら致命的なダメージを与えたとは言いづらい。
敵の動きが一旦止まった。チャンスは今しかない。
もう一発放てば、倒すか瀕死の状態に追い込むかはできるはず。
そう考えて、サナトはアイテムボックスから最後の一本であるMP回復薬を取り出そうとする。
「……ない?」
あるはずの瓶がそこに無かった。慌てて小さな箱の中を覗き込んだ。
しかし、そこにあったのは大量の木炭と食糧とわずかな金だ。
「まさか……さっき落としたのか?」
声が虚しく響いた。心臓が早鐘のように鳴り響く。これから起こりうる最悪の想像が思考を混乱させ始めた。
『むぅ、マスター! いい加減に聞いてっ!』
ルーティアの呼びかけで、サナトははっと我に返った。
『さっきからずっと呼んでるのに』
「すまん……だが――」
『分かってるよ。まずい状況なんでしょ。だからこそ聞いて。マスター……私ね、魔法のページがもう一ページ増えてるのに気付いたの』
「もう一ページ?」
『うん。これを見て。《ファイヤーボール》のページなんだけど……』
サナトは立ち上がりかけている敵を一瞥し、ルーティアが表示した部分を覗き込んだ。
「なんだこれは?」
目を見開いた。小さなウインドウタイトルは『設定状況』となっている。さらに、魔法の説明というにはあまりに異質な内容が、ずらずらと並んでいたのだ。
ファイヤーボール
《源泉》 ???
《属性・形状・攻撃力》 火・球体・20
《必要MP》 4
《範囲》 単体
《呪文》 炎よ 我が手に宿れ
《生成速度》 8
《その他》 10%火傷
「見えない項目もあるが、まるで《ファイヤーボール》の設定そのものだ……」
『でしょ? 大発見だよ』
ルーティアは得意げに声を上げる。
「確かに大発見だ。しかし裏設定が見られるようになっただけじゃないのか? 火傷の追加効果があると分かるのはありがたいが、今は役に立たないぞ」
『そんなに肩を落とさないで。ここで私の《解析》が役立つんだって。マスターに伝えたかったのはそれなの』
「《解析》が役立つだと?」
『うん。良く見ててね。《解析》開始』
声が途端に途切れた。
サナトは再びワンダースケルトンに意識を向ける。静まり返った通路をずるりずるりと近付いてくるのが音で分かる。
『お待たせっ! もう一度見て。すごいことになったよ』
「――っ!?」
ファイヤーボール
《源泉》 ???
《属性・形状・攻撃力》 火・球体・500
《必要MP》 1
《範囲》 単体
《呪文》 炎よ 我が手に宿れ
《生成速度》 8
《その他》 10%火傷
攻撃力がとんでもない数値に跳ねあがった。まさかの二十五倍だ。必要MPも4から1に減少している。
サナトは開いた口が塞がらなかった。見間違いかと何度も目をこすった。だがウインドウの表示は変わらない。
混乱するサナトに、恒例となってきた天の声が鳴り響く。
――スキルが一部更新されました。上書きしますか? YES or NO?
『ほらほらっ、上書きしちゃって!』
心底楽しそうなルーティアに誘われ、サナトは機械的に口に出す。
「YES」
――上書きに成功しました。
『やった! 《解析》の力ってすごいでしょ? だから優秀だよって言ったのに』
「……ありえない。これは《解析》じゃなくて改造だ」
サナトは呆然とウインドウを見つめ続けた。ルーティアの弾む声が頭に響いた。
第七話 豪炎の支配者
「と、とにかく、《解析》で《ファイヤーボール》がおかしくなったってことだが、使えるのか?」
サナトは恐ろしかった。目の前で起こった現象もそうだが、魔法の設定を上書きなどして大丈夫なのかと不安だった。ゲームならシステムエラーが起こってもおかしくない。
特に威力はまずい。単純計算で元の魔法の二十五発分。ゲームバランスを破壊してしまうことになる。
「大丈夫だろうか?」
『心配なのは分かるけど、お怒りの骨が来たよ』
「仕方ない……では、行くぞ。炎よ、我が手に宿れ、《ファイヤーボール》」
敵に向けた手から見慣れた火の玉が飛んで行く。薄緑色に光る通路を赤い光が走った。
変わったところはなかった。大きな火の塊になると考えていたサナトは肩すかしをくらう。
一瞬、失笑が漏れた。期待して損をした、と。
だが、HPバーは瞬時に左へ振り切った。敵はあっさりと上半身を吹き飛ばされ、光の粉へ姿を変えた。威力だけが桁外れだったのだ。
立ち尽くすサナトはドロップアイテムを見つめた。
「あれだけ効かなかった《ファイヤーボール》が……」
慌ててMPを確認した。残りは0だ。体は鉛のように重かった。
しかし、魔法は放てた。MPが足りないとも言われていない。導き出される結論はただ一つ。本当に消費MPが1に変化したのだ。
じわじわと未知の感覚が襲ってきた。それは狂喜。嬉しくて嬉しくてたまらないのだ。
憧れの攻撃魔法を使えるようになり、さらには一撃必殺の威力すら手にした。
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