新リサイクル法

コユメ

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要らない者

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机の上に置いてあったスマホが鳴った。
咄嗟に取り耳に当て

「お電話ありがとうございます。リサイクル『なんでも』です。はい、出張買い取りのご依頼ですね、はい、お日にちはいつ頃が宜しいでしょうか?来週ですね?お時間は?ええ、はい。わかりました。それでは来週の月曜日のお昼過ぎに、お伺い致します。それでは失礼いたします。」

約束の月曜日になった。
教えられた住所につくと、そこは閑静な住宅地だった。
インターホンを押すと中から品の良さそうなお婆さんが出てきた。

「どちら様?」

慌てて頭を下げ

「今日お約束していた。リサイクル『なんでも』です。」

そう言うとお婆さんはニッコリと

「まあまあ、ぞうぞお入り下さい。」

言われるまま中に入るとお爺さんがいた。挨拶をするとそのまま居間に通された。
テーブルの上には色々な品物が置いてあった。

「こちらが今日お売りになる商品で宜しいでしょうか?」

二人を見るとニコニコと

「ええ‥とりあえず。宜しくお願いしますね。」

頷きながらいくつか聞いた。

「差し支え無かったらで良いので、何故お売りになるのか聞いても宜しいでしょうか?」

二人は顔を見合わせ頷き、お婆さんが

「実は私達ここを売り払って、そのお金で施設に二人で入ろうと思いましてね。その為に少しでもお金になればと思ったの」

「そうなんですか!でしたらお任せ下さい!少しでも高く見積もらせて頂きますよ!」

その言葉に二人は喜んだ。
いくつか見積もると結構な金額になった。

「これで、もうお売りになるモノは無いですか?」

そう言うと二人は上の階を見上げ

「そろそろ、いいかしら?お爺さん?」

お爺さんは頷き

「いいんじゃないか?」

二人を見るとお婆さんが

「最後のものは二階に有るんですが良いですか?」

「はい。大丈夫ですよ」

二人の後に階段を上がると一階の明るさが一切無く薄暗いそして何か臭い。
二人は廊下の奥に有る部屋の前につくと、こちらを振り返り

「最後に売りたいのはここに有るんですがどうしましょう‥鍵が掛かっていまして‥‥。」

二人は困った様子だった。
安心させるようにニッコリと笑い

「大丈夫です私共にお任せ下さい。もしもの為、人を用意していますので。ああ、でもドアは壊してしまいますが?良いですか?」

「それぐらいでしたら良いですよねお爺さん?」

お爺さんはうんうんと頷いた。
それならと車で待機させていた者をスマホで呼び寄せ3人がかりでドアを壊した。
部屋の中に入るとテーブルに突っ伏すように寝て居る巨漢の男がいた。
こんなに大きな音をしても起きないのは、どうやら睡眠薬を飲まされたのだろう
男数人で男を担ぎ外の車に乗せる結構な体型だったので大変だった。
一息付くとお婆さんが心配そうに

「あれはどれぐらいになるのかしら?」

少し考えて

「そうですね私達はあれについては詳しくは無いんですが標準体型ならば人体実験ですが少し太り過ぎなので使える臓器リサイクルですかね?そうなるとお支払いできるお金が低くなってしまいますが大丈夫ですか?」

「良いです。邪魔なだけなので‥‥お金になるだけいいですよ。‥‥‥昔は可愛ったのですが‥‥もう不要ですし」

「あと居間にある商品は直ぐにでもお支払いできるのですが、あれについては専門家が見て見積もってからのお支払になりますが宜しいでしょうか?」

お婆さんとお爺さんは頷き


「それはかまいません。」

「そうですかそれでは今日はお売りくださいましてありがとうございます。ご連絡の方は後日させていただきます。」

二人に頭を下げて、待たせて置いた車に乗り込むと直ぐに出発した。
待っていたスタッフが身を乗り出しながら

「これリサイクル出来るんですかね?」

「‥‥大丈夫だろう、たぶん。それにダイエットさせれば問題無いだろう。」

スタッフ達は一様に納得すると一人のスタッフが寝ている男を見ながら

「国も怖い法律作りましたよね新リサイクル法なんて」



新リサイクル法

限り有る資源を有効にそれが物でも者でも関係なくリサイクルしましょう。


死刑囚は薬物実験にリサイクル。

引きこもりの場合は家族の同意があればリサイクルが適用される用途は色々。


数日後


「先日お伺いました。リサイクル『なんでも』です。はい、あれの金額がつきましたのでご連絡をと、はい、そうです、それでですね、お支払いできる金額が思ったより‥‥低く…15万になりますが?いかが致しましょう?今でしたら戻す事も出来ますが?‥‥はい、それで良いんですね?分かりました。お支払は口座の方に入れさせて頂きます。では失礼いたします。」

電話を切ると横で聞いていたスタッフが

「あれ大した金額に何なかったんですねー」

「…そうなんだよ、あんだけ太ってたんじゃ無理。身体の臓器も脂肪で使えなかったらしい。ダイエットさせるのもコストの面で無理って言われたよ、全くリサイクルに出すのならもう少しちゃんとして欲しいよ!全くこっちの利益ほぼ無しだよ」

文句を言うとスタッフは首をすくめテーブルの上のリモコンを取りテレビをつけた。ちょうどCMが流れてる。


私共は
リサイクルを推奨しています。
荷物になる前にリサイクルに出しましょう
必要としている人がいます。
早めにお電話ください。
要らない物
者をお待ちしています。


あなたは必要なモノですか?





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