15 / 23
ゴールドスカルの行方・磐城瑞穂
しおりを挟む
刑事と別れて俺達は原田学とお別れをするために焼香の列に並んでいた。
その時、何かが光った気がした。
それが何なのか物凄く気になり俺は其処に目をやった。
(あっ、あれはチェーンだ。あの色はボンドー原っぱが持っていたのに似てるな)
何気にそう思っていた。
帰り間際に気が付いた。
レポーターの質問攻めにあっている男性の首にあのチェーンらしき物が掛かっていることに……
(もしかしたら?)
俺はわざとソイツの前に出て行った。
その男性はさっき俺が気になった人だった。
(あっー、やっぱり)
すれ違いざまに確認すると、それは確かにあのペンダントヘッドの付いたチェーンだった。
俺は木暮に目配せをして、それを見るように仕向けた。
本当は遣ってはいけないことなのに、俺は黙っていられなかったのだ。
想像した通り、木暮の顔から血の気が引いていく。
俺はそんな木暮を気遣いながら、そっとその場を後にした。
(何を今更。それを遣るなら、あんな物を見せないことだ)
俺の心が葛藤していた。
(木暮ごめん。俺は自分勝手のバカモンだ)
幾ら謝っても済むことじゃない。
解っていながら、頭を下げた。
「いいんだよ磐城。本当は見たくなかったけど、何が凶器になったのか知っておきたかったから……」
木暮は相変わらず気遣い上手だった。
俺は直ぐさま刑事を探し、ゴールドスカルのペンダントヘッドを見つけたと話した。
刑事は同僚の刑事と一緒だったが、何はさておきとばかりに二人で駆け付けてくれた。
もう一人の刑事もみずほの事件も担当していたので、俺の姿を見た途端に一大事が起きたと思ってくれたようだ。
俺達は善は急げとばかりにさっきの場所に駆け付けた。
でも男性は其所から居なくなっていた。
「あの時俺が此処に残ってさえいれば」
木暮が辛そうに言った。
「ところで磐城君、この人は?」
木暮のことを知らないのか、同僚の刑事が言う。
そこで俺は、第一の被害者・木暮敦士の実の弟だと教えた。
ゴールドスカルのペンダントヘッド付きチェーンをしている男性。
手掛かりはそれしかない。
それでも大きな一歩だったと言える。
「本当は彼処に居たくなかったんだ。あのままだったら、あの男性に食って掛かって行ってたかも仕方ないから……」
「木暮ごめん。俺、木暮の気持ちも良く考えずに行動していた」
「良いんだよ。もう気にするな」
木暮はそう言ってくれた。
「磐城君、悪いがその男性の特長を教えてくれないか?」
「あっ、はい解りました。髪はロン毛の茶髪です。それにピアスをしていました」
「あれっ、家の兄貴に似てるな?」
そう言いながら、木暮は持って来た携帯の画像を刑事達に見せていた。
叔父の待つ事務所にこのまま帰る訳にいかなくて、俺と木暮は夕刻近い街を当てもなく歩いていた。
「叔父さんに何て言おうか?」
「何か解るかも知れないと思ったから、原田守さんの葬儀に出席していたと正直に言ったら」
「でも結局、何も解らなかったな」
「いや、出身地が此処だと解っただけでも進展があったと言えなくもないよ」
「それもそうか」
何故か木暮の言葉に納得した。
その時、何かが光った気がした。
それが何なのか物凄く気になり俺は其処に目をやった。
(あっ、あれはチェーンだ。あの色はボンドー原っぱが持っていたのに似てるな)
何気にそう思っていた。
帰り間際に気が付いた。
レポーターの質問攻めにあっている男性の首にあのチェーンらしき物が掛かっていることに……
(もしかしたら?)
俺はわざとソイツの前に出て行った。
その男性はさっき俺が気になった人だった。
(あっー、やっぱり)
すれ違いざまに確認すると、それは確かにあのペンダントヘッドの付いたチェーンだった。
俺は木暮に目配せをして、それを見るように仕向けた。
本当は遣ってはいけないことなのに、俺は黙っていられなかったのだ。
想像した通り、木暮の顔から血の気が引いていく。
俺はそんな木暮を気遣いながら、そっとその場を後にした。
(何を今更。それを遣るなら、あんな物を見せないことだ)
俺の心が葛藤していた。
(木暮ごめん。俺は自分勝手のバカモンだ)
幾ら謝っても済むことじゃない。
解っていながら、頭を下げた。
「いいんだよ磐城。本当は見たくなかったけど、何が凶器になったのか知っておきたかったから……」
木暮は相変わらず気遣い上手だった。
俺は直ぐさま刑事を探し、ゴールドスカルのペンダントヘッドを見つけたと話した。
刑事は同僚の刑事と一緒だったが、何はさておきとばかりに二人で駆け付けてくれた。
もう一人の刑事もみずほの事件も担当していたので、俺の姿を見た途端に一大事が起きたと思ってくれたようだ。
俺達は善は急げとばかりにさっきの場所に駆け付けた。
でも男性は其所から居なくなっていた。
「あの時俺が此処に残ってさえいれば」
木暮が辛そうに言った。
「ところで磐城君、この人は?」
木暮のことを知らないのか、同僚の刑事が言う。
そこで俺は、第一の被害者・木暮敦士の実の弟だと教えた。
ゴールドスカルのペンダントヘッド付きチェーンをしている男性。
手掛かりはそれしかない。
それでも大きな一歩だったと言える。
「本当は彼処に居たくなかったんだ。あのままだったら、あの男性に食って掛かって行ってたかも仕方ないから……」
「木暮ごめん。俺、木暮の気持ちも良く考えずに行動していた」
「良いんだよ。もう気にするな」
木暮はそう言ってくれた。
「磐城君、悪いがその男性の特長を教えてくれないか?」
「あっ、はい解りました。髪はロン毛の茶髪です。それにピアスをしていました」
「あれっ、家の兄貴に似てるな?」
そう言いながら、木暮は持って来た携帯の画像を刑事達に見せていた。
叔父の待つ事務所にこのまま帰る訳にいかなくて、俺と木暮は夕刻近い街を当てもなく歩いていた。
「叔父さんに何て言おうか?」
「何か解るかも知れないと思ったから、原田守さんの葬儀に出席していたと正直に言ったら」
「でも結局、何も解らなかったな」
「いや、出身地が此処だと解っただけでも進展があったと言えなくもないよ」
「それもそうか」
何故か木暮の言葉に納得した。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
愛人を選んだ夫を捨てたら、元婚約者の公爵に捕まりました
由香
恋愛
伯爵夫人リュシエンヌは、夫が公然と愛人を囲う結婚生活を送っていた。
尽くしても感謝されず、妻としての役割だけを求められる日々。
けれど彼女は、泣きわめくことも縋ることもなく、静かに離婚を選ぶ。
そうして“捨てられた妻”になったはずの彼女の前に現れたのは、かつて婚約していた元婚約者――冷静沈着で有能な公爵セドリックだった。
再会とともに始まるのは、彼女の価値を正しく理解し、決して手放さない男による溺愛の日々。
一方、彼女を失った元夫は、妻が担っていたすべてを失い、社会的にも転落していく。
“尽くすだけの妻”から、“選ばれ、守られる女性”へ。
静かに離婚しただけなのに、
なぜか元婚約者の公爵に捕まりました。
カメリア――彷徨う夫の恋心
来住野つかさ
恋愛
ロジャーとイリーナは和やかとはいえない雰囲気の中で話をしていた。結婚して子供もいる二人だが、学生時代にロジャーが恋をした『彼女』をいつまでも忘れていないことが、夫婦に亀裂を生んでいるのだ。その『彼女』はカメリア(椿)がよく似合う娘で、多くの男性の初恋の人だったが、なせが卒業式の後から行方不明になっているのだ。ロジャーにとっては不毛な会話が続くと思われたその時、イリーナが言った。「『彼女』が初恋だった人がまた一人いなくなった」と――。
※この作品は他サイト様にも掲載しています。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
✿ 私は夫のことが好きなのに、彼は私なんかよりずっと若くてきれいでスタイルの良い女が好きらしい
設楽理沙
ライト文芸
累計ポイント110万ポイント超えました。皆さま、ありがとうございます。❀
結婚後、2か月足らずで夫の心変わりを知ることに。
結婚前から他の女性と付き合っていたんだって。
それならそうと、ちゃんと話してくれていれば、結婚なんて
しなかった。
呆れた私はすぐに家を出て自立の道を探すことにした。
それなのに、私と別れたくないなんて信じられない
世迷言を言ってくる夫。
だめだめ、信用できないからね~。
さようなら。
*******.✿..✿.*******
◇|日比野滉星《ひびのこうせい》32才 会社員
◇ 日比野ひまり 32才
◇ 石田唯 29才 滉星の同僚
◇新堂冬也 25才 ひまりの転職先の先輩(鉄道会社)
2025.4.11 完結 25649字
嫌われたと思って離れたのに
ラム猫
恋愛
私は、婚約者のカイルに嫌われたと思った。冷たくそっけなく、近づくたびに避けられる日々。
距離を置くことを選び、留学の準備も進めて心を落ち着かせようとするけれど——。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる