いのりのうた・十五歳の系図【アイ・哀しみのルーツ】

四色美美

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遘い(あい、まみえる)・綾

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 清水さんからの連絡では、親戚連中に私と水野先生の恋がバレて色々と大変だったらしい。

何でも、水野先生の自宅に集合して根掘りは堀追求されたらしい。


それでも何とか、DNAの結果を聞くために又二人で出掛けられることになったようだ。

でも私は、詳しい話は聞かされてはいなかった。


ただ、親戚の者が反対しているとしか……

そりゃそうだと思った。


これから教師になろうとしている者が、研修中に出逢った生徒を好きになって交際しようとしているのだから……


(ごめんね先生。私が好きになったばっかりに……)

私は水野先生に心の中で誤ってばかりいた。




 私達は、この前より少し早めの電車に乗った。

幾つか乗り換え、やっと後数駅と言う所までやって来た。


「姫ーー!」

突然水野先生が言った。

私が驚いて見ると、水野先生は目を擦っていた。


疲れて眠っていたようだ。


「ごめん、俺今何か言わなかったか?」


「うん。確か『姫ーー』って叫んでた」


「やっぱり。俺、最近おかしいんだ。時々変な夢を見るから」


「えっ、どんな夢?」

私は思わず聞いていた。
だって今時『姫ーー』だなんて……
絶対に何かあると思ったのだ。




 「夢の中の俺は甲冑を着ているんだ」


「カッチュウ?」


「鎧、兜の事だよ」


「えっーーー。まるで時代劇みたい」


「ああ……、まさにそれだな。俺は川に流されているんだ。もがいても、もがいても深みにハマって身動きが取れなくてどんどん流されて……」

額に手をやり辛そうな水野先生を見ても、今の自分には何も出来ない。


私はもどかしくて自分自身に腹を立てていた。




 「叔父さんの居た離島では、平家の落人伝説があって……」


(えっ!?)
私はその途端、伯母から聞いた平家一門の話を思い出していた。


「壇ノ浦の戦いで敗れた平家は散り散りになった。命からがら島に逃げたそうだ。叔父さんの居た離島もそうだった。渋谷で会った時そんな話が出て……」

水野先生は車窓に目を移した。


「遺言か……」

確かにそう言った。
でも私は聞こえない振りをした。

余りにも水野先生が辛そうだったから。




 「島にも逃げたんですね。良く山奥で聞きますが」


そう言ってみた。
水野先生の言った遺言にどんな意味があるのかは知らない。
でも、怖かったのだ。
その意味を知るのが……

何故だか解らない……
ただそう感じていた。




 「戦ったのが海だったからね。すぐ近くにある島にも隠れたらしいけど見逃されたらしいんだ。あまりにも近すぎて、まさかと思ったらしい」



「灯台もと暗しですね」


「宮本武蔵と佐々木小次郎の戦った巌流島って知ってる? 壇ノ浦って、彼処の傍らしいよ」




 「へえー、そうなんですか? 時代劇の一シーンしか知りませんが、戦った浜辺以外何もない島のような印象ですね。もし海に投げ出されたなら、あの島にも流れ着いたのかな?」


「初めはそうだったらしいね。源氏の追求を恐れて、奥へ奥へと……又、別の島へと逃げて行ったのかも知れないな」


「源氏って、凄い勢いだったんですね」


「そうなんだよね。何処まで逃げても安心は出来なかったのじゃないのかな?」


「何時かそんなシーンを映画で見ましたが、何か危機迫るって感じでしたね」

私は呑気にそんなことを言っていた。


「実は俺の先祖は、追求する側の源氏だったんらしいけどね」


(えっ!?)

私は言葉を失った。


私が平家なら……

水野先生は……
言わば敵の人だった。


私達はその瞬間、ロミオとジュリエットになったような気がした。


(怖い……。もし二人が敵同士の家系だったら……。絶対反対されるに決まっている。先生……、大好きなのに!!)





 「ところで佐々木、もしかしたら佐々木小次郎の末裔か何かか?」

私が暗い顔でもしているのか、水野先生は冗談とも本気ともとれる質問をした。


「んな訳ないでしょう」

私は笑ってその場をごまかしていた。


「そうだよな。でも解んないぞ」
水野先生もそう言いながら笑っていた。




 年末年始のために産婦人科は診察はやっていなかったが、特別に説明会を設けてくれていた。
私の学校があったからだった。

それに、産婦人科に休みは無かったのだった。

出産は、日時を選んではくれないからだった。


DNA鑑定は、物凄く時間がかかる。
それも年末年始の超多忙な時期なので尚更だった。

でも私のために頑張ってくれた鑑定師。

私は感謝してもしたり無いと思っていた。




「単刀直入に言うと、君は間違いなくご両親から生まれた子供だ」

産婦人科医は私が席に着くと、いきなりABO式仕組みを説明し始めた。


「お父さんがAB型、お母さんがO型の場合は普通君のようなAB型の子供は産まれて来ない筈なんだが」


「やはりシスAB型だったのですか?」

産婦人科医の話の途中に、水野先生が割って入った。

産婦人科医は頷いた。


「もっと詳しく調べてみないと何とも言えないが、多分そうだと思いますよ」

何が何だか全く判らず、私はただぽかーんとしていた。


でも……
水野先生がそのシス何とかってのを知っていたなら、何故もっと早く教えてくれなかったのだろうか?

私はそっちの方面に気が行っていた。


そう、そのシスAB型とO型にスポットを当てて、集中的に鑑定したから早かったのだ。

私の血液型からみると、それしか考えられなかったようなのだ。




 AB型とO型の親の間にAB型の子供は出来ない。
何故なら、AB型の遺伝子がないから。
それが一般常識のようだ。

でも極まれに、AB型の遺伝子も持った人もいた。

それがシスAB型だった。

百万人又は二百万人に一人とも言われ、親子関係のゴタゴタなどを起こす元にもなっていた。


水野先生は血液型の本を見た時気付いたらしい。
今やどの本にでも載っている常識だったようだ。

でも……
私にぬか喜びをさせないために、迂闊な発言はしないと決めたのだそうだ。

それは水野先生の優しさだったんだ。
もし違っていたら……
そう考えて、胸の中にしまい込んだのだった。




 直ぐに家に電話をして、私の産まれた産婦人科に来るように訴えた。


母はパチンコ屋に出向き父を探し、娘に一大事が起こったらしいことを告げた。




 二人は何も知らないまま、夕方近くに産婦人科にやって来た。

水野先生と私が二人を出迎えた。


「ん!?」
水野先生の顔が一瞬くもった。


「お前、産婦人科の前で何をしている?  妊娠でもしたのか? 父親は一体何処のどいつだ?」


父は水野先生の前に出て行った。


「お前か! 家の娘に何をした!?」
父は水野先生に食ってかかった。


「やめてお父さん! 私の学校の先生だよ」
私は父を必死に止めた。


父はやっと大人しくなった。


「此処で一体何をやっているんだ!?」


私は父の質問に首を振りながら、父母を産婦人科医の元へ連れて行った。


(きっとさっきのは、父の殺気でビビったのかな?)

私は水野先生の発言を気にしながら、一緒に行動していた。




 産婦人科医は、シスAB型の説明と、何故DNA鑑定をしたのかを父に告げた。


「じゃあ綾は?」


「たぶんですが、間違いなくご両親から生まれたお子様だと思います」

産婦人科医の言葉を聞いた父は泣いていた。


「本当に? 本当に俺の子供なんだな?」

産婦人科医は頷いた。


「えっ、じゃあ綾を自分の子供じゃないと思っていたわけ?」
母は急に怒り出した。


「だから雪の中を自転車で行かせたり、嫌がらせしたの!?」

母の剣幕に父はたじたじになり、遂には黙り込んだ。


「何て人なの!?  後にも先にも私はお父さん一人なのに!!」

母の此処ぞとばかりに鬱憤晴らしをしていた。


(そりゃそうだろう。
あれだけ母を痛めつけたなら……)

でも私は、何故か嬉しくて堪らなくなった。


「でもねお母さん。そのお陰で水野先生と付き合えるようになったの」


「えっ、付き合える!?」
父の発言を聞いて私はハッとして、思わず掌で口を押さえた。


でももう遅かった。


「確か先生とか」


「あ、はい。今度そうなります」
たじたじになった水野先生は、それでもしっかり父を見つめた。


「私は、今はまだ研修中の身です。あの雪の日、頑張り抜いた佐々木を見た時何故か感動して。それで悩みを聞いてやってる内に」


「手を出したのか!?」
父は思わず立ち上がった。




 「違うよお父さん! 私の方から好きだと言ったの」

産婦人科医は、わだかまりの取れた親子の会話を笑顔で聞いていた。


「私が『初恋かい?』って聞いたら娘さんが頷いて」

産婦人科医が助け舟を出してくれた。


「だから水野先生は悪くないの」

私は産婦人科医に目配せをしながら会釈した。




 「佐々木の気持ちは嬉しかったけど、これからのことを考えると。だから暫く考えてみたのです。でもやはり……」

水野先生は深々と頭を下げた。


「お父さん、お母さん。佐々木を私にください。結婚させてください。これから先、どうなるのか見当はつきませんが、どうかお願い致します」


それはプロポーズだった。

紛れもない、私に対するる愛の形だった。




 水野先生は本気で言っていた。

でも私は戸惑った。

嬉しくて嬉しくて仕方ないのに、水野先生の言った源氏が引っかかっていた。


だって伯母さんが言っていたんだもん。

私達は平家の一門だと。
平清盛の子供の隠し子が先祖かも知れないと。


だから……
源氏側の水野先生とは、ロミオとジュリエットかも知れないんだ。

今時流行んないと解っている。
でも、怖い。
それを口実に……
又反対されるのではないかと思っていた。




 水野先生はやはり離島で教鞭を取ることになったそうだ。


「離島か? きっと時間がかかるんだろうな?」


「はい。此方からですと丸一日くらいはかかると思います。だから尚更、佐々木と離れて暮らせないと思いまして……」


「で、高校はあるんだろうな? 高校位は出してやらないとな……」

父の発言に水野先生は黙ってしまった。


「無いのか!?」

父は思わず声を荒げた。


「私が何とか対処致します。幸い、小中学校の資格も高校で教えられる資格もいただけました。後は文部科学省公認の資格で……」


「ああ、昔確か高校程度って言ってたヤツね」

何故か母が言った。


何故高卒の母がそのことを知っていたのかは判らないけど……

どうやらその方向で上手く流れて行きそうだった。




 どうせ田舎に来たのならと、伯母の家に寄せて貰うことになった。


でも伯母は怒った。
そりゃそうだ。
何の準備も出来ていない家に突然家族で押し掛けようと言うのだから。

それも私の彼氏付きで。


でも二つ返事で引き受けてくれることになった。



 「綾ちゃーん、待っていたよー」
玄関を開けた途端、伯母が台所から走って来た。


「見つかったよ、例のビデオ」

伯母はいの一番にそう言った。
私は意味が解らなくてキョトンとしていた。


「ホラ、ダムで沈んだお父さんの村のビデオよ。遺品の中に、昔放映されたのがあったの」

伯母さんは嬉しそうに言っていた。




 叔母は早速スイッチを入れた。

そのビデオの主役は川だった。
山奥から流れ出したホンの僅か水。
それが集まり、川になる。

その中に幾つかの特集が組み込まれている。
その一つがダムに沈む村だった。


『平家の落人伝説の村が、後数ヶ月で沈もうとしております』


「此処が私達の故郷よ」
ナレーターに続いて伯母が言う。


「えっ!?  あのもしかして平家にゆかりがあるのですか?」

水野先生の言葉を聞いて、ロミオとジュリエットだったことを思い出していた。


(ヤバい……)
何故かそう思った。

だって水野先生の先祖は源氏側だったんだだから。




 「父の話だと、平家側に相当近いらしいよ」

伯母の言葉に顔色も変えずに水野先生はビデオを見ていた。


(あれーっ、何ともないの?)

私は拍子抜けを食らったような感覚になった。


(こう言うのを取り越し苦労って言うのかな?)

私と水野先生は敵同士の家柄だとばかり思っていた。
だからロミオとジュリエットだと思ったのだ。

だから……
だから不安だったんだ。


『叔父さんの居た離島では、平家の落人伝説があって……壇ノ浦の戦いで敗れた平家は散り散りになった。命からがら島に逃げたそうだ。叔父さんの居た離島もそうだった。渋谷で会った時そんな話が出て……』

水野先生はそう言った。


(そうだよ、水野先生はその離島に行こうとしているんだった。なあんだ。私が平家の出だとしても、気にすることはなかったんだ)

それが何を意味するかも知らないで、私はただホッとしていた。




 「もしかしたら」

伯母は少し躊躇うように言った。


「平清盛の子供の誰かに隠し子が居て、その子が先祖かも知れないんだって。尤も父は大ボラ吹きだったけど」
と。

その時。
伯母の言葉に、水野先生の顔色が変わる。

その瞬間を見た私は、言いようのない不安に駆られていた。


水野先生の顔は、電車の中で苦痛に喘いでいた時と同じように険しくなった。


(私はあの時、ただ見ていることしか出来なかった。又そうだったらどうしよう)

重苦しさが私の心に漂っていた。




 ダムに沈む村。
僅か十分位の中に、もう二度と見られない景色がふんだんに盛り込まれていた。


「あっ!?」
水野先生が声を上げた。


「すいません。今のところもう一度お願い出来ますか?」


「今のところ?  あ、ちょっと待ってね」

伯母が機転を利かせて、その少し前まで巻き戻す。


「あ、此処……」

水野先生は頭を抱えた。


「デジャヴかな?  何処かで見たことがある」


「デジャヴって?」
私は母に質問した。




 「私も良く解らないんけど。ホラ、初めて来た道だけどなんか懐かしいって思うことかな?」


「脳にインプットされた記憶がよみがえってくるのかな?」


「そんなトコかな?」
母はそう言いながら、水野先生を見ていた。


水野先生はまだ苦しそうにただビデオを見ていた。


(先生どうしたの? その苦しみは一体何処から来るの?)




 「あーっ!? そうか、解った此処だー!!」

水野先生は突然立ち上がって震え出した。


「姫ー!!」

今度はそう言いながら泣き出した。


「姫を……、姫を殺さないでー!!」


(姫?  もしかしたらあの夢の……)

私はどうする事も出来ずに、ただ水野先生を見守っていた。


(あれっ、今の言葉確か何処かで……)

私は何故か不思議な感覚にとらえられていた。




 「俺は……この川を流されていた。もがいても、もがいても岸に辿り着けなくて……」


「電車の中で見てた夢?」

私の質問に水野先生は頷いた。


「此処はもう無いんですよね?  いつ頃ですか?」


「水が入ったのは丁度十年位前かな?  父はそのことを新聞で知って、その前に行ってます。確かその時に撮った写真が……」

伯母はそう言いながら、父のアルバムを持って来た。




 そのアルバムには、故郷と言うタイトルが付けられていた。


「此処です。間違いありません。この岩から川に落ちたのです」

祖父は故郷が水没する前にどうしても映像に残しておきたかったのだ。
その思いが、今水野先生へと辿り着いた。


(でもどうして!?)


「丁度十年位前からその夢を見始めたのです。でもずっと最近まで忘れていました。あんなに怖い夢、もう二度と見たくないと思っていたのですが」


(そうだ。確かに渋谷で叔父さんと会ってからだと先生は言っていた。きっと、叔父さんと何か関係があるのだろう)

私はそう思っていた。




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