当て馬にも、ワンチャンあってしかるべき!

紫蘇

文字の大きさ
207 / 586
学園3年目

婚前旅行 3

しおりを挟む
早朝、出航前にうちの国の軍艦を視察。
帰りに乗せてもらうので、乗組員さんにご挨拶も兼ねて船内を回る。

「軍艦…大砲いっぱいですね」
「有効射程距離は100m程度です。ただ敵の船に弾を当てるには、波の影響を考慮してもう少し近づかねばなりませんが…」
「つまり、風魔法や水魔法で、向こうの船を揺らして弾を当てさせないようにすることもできる?」
「…はっ?」「えっ?」

なんと海軍では、「船という制限の多い所に非力な魔法使いを1人積むより、その分大砲の球を積む方が良い」…という考えが主流のため、魔法を使って戦うという発想が無いらしい。

「じゃ、非力でない魔法使いなら良いんです?」
「ま、そんな魔法使いがいるんなら、ね」
「んじゃ、帰りに紹介しますよ…ね、殿下」
「うむ」

何かムカついたので、帰りにケンタウレア一門から喝を入れてもらおう。

視察を終えて向こうの軍艦に向かうと、兄と使節団一行が出迎えて…あ、あれ?

「ガーベラ先輩!来てたんですか!?」
「あ…!ル、ルース!お願い、助けて…っ!!」
ガーベラ先輩が半泣きで俺に飛びついてきた。
「どうしたんですか!?」
「の、ノースさんが、いきなり…!」
ガーベラ先輩が使節団の方を指差した。すると一団の後ろからスッ…とノースさんが出てきて言った。
「何言ってる、ガントレット?
 一緒にシャラパール行こう、約束したでしょう」
「そ、そうですけど!急に、あの、あんな事!!」
はい!?何ですと!?
「ちょっとノースさん、何したんですか!?」
俺は背中にガーベラ先輩を庇うようにしてノースさんと対峙する。ノースさんは「心外だ」と言わんばかりに肩をすくめて言う。
「何したない、プロポーズしただけ」
「え、そうなんです……はあああああ!!?」
「私言った、ガントレットに、恋人なって欲しい。
 ガントレット、良いよ、言ってくれた。
 だから家族紹介する、早いのがいい、でしょ?」
「話が急すぎるよう!!助けて!!」
「いやいやいや待って待って待って」

ガーベラ先輩、ノースさんと付き合ってたの!?
そんな空気1㎜も無かったじゃん!!
聞きたい事山ほどあるんですけど!?

「いつからお付き合いが始まったんですか?」
「夏に鉱山行ったとき…」
「ガントレット、好きなことしてる、目、キラキラで、好きなった…だから、鉱山でしました」
「しましたぁ!?」
「こ、告白、告白されただけだよ!?」

紛らわしいな!焦るやないか!!

「んで、プロポーズするほど進んでたんですか?」
「そ、それは、その……そのぉ……」

ガーベラ先輩は真っ赤になって下を向き、ノースさんは俺から視線を反らす……

あっ、進んでますね、コレ。

「…ごめんガントレット、びっくり、ならせて」
「う、ぐすっ…う…うん…」
「船乗る、話し合う、時間たくさんある、ね?」

ノースさんはガーベラ先輩の頭を優しくナデナデしたあと、そうすることが自然であるかのように腰に手を回し、船へと…

いや、船に乗ったら逃げ場ないですよね?

「…ああして丸め込まれたんだな…ガーベラ先輩」
「さすがコリアス商会会頭、中々の手腕だ」
「ほんと、狙われたら勝ち目ないです…えっ?」
「ん?どうしたルース」

今、殿下、会頭って言った……?
ちょ、ノースさん、いくつなの!?
えーもう、新事実多すぎなんですけど!!
しおりを挟む
感想 69

あなたにおすすめの小説

Q.親友のブラコン兄弟から敵意を向けられています。どうすれば助かりますか?

書鈴 夏(ショベルカー)
BL
平々凡々な高校生、茂部正人«もぶまさと»にはひとつの悩みがある。 それは、親友である八乙女楓真«やおとめふうま»の兄と弟から、尋常でない敵意を向けられることであった。ブラコンである彼らは、大切な彼と仲良くしている茂部を警戒しているのだ──そう考える茂部は悩みつつも、楓真と仲を深めていく。 友達関係を続けるため、たまに折れそうにもなるけど圧には負けない!!頑張れ、茂部!! なお、兄弟は三人とも好意を茂部に向けているものとする。 7/28 一度完結しました。小ネタなど書けたら追加していきたいと思います。

【完結】我が兄は生徒会長である!

tomoe97
BL
冷徹•無表情•無愛想だけど眉目秀麗、成績優秀、運動神経まで抜群(噂)の学園一の美男子こと生徒会長・葉山凌。 名門私立、全寮制男子校の生徒会長というだけあって色んな意味で生徒から一目も二目も置かれる存在。 そんな彼には「推し」がいる。 それは風紀委員長の神城修哉。彼は誰にでも人当たりがよく、仕事も早い。喧嘩の現場を抑えることもあるので腕っぷしもつよい。 実は生徒会長・葉山凌はコミュ症でビジュアルと家柄、風格だけでここまで上り詰めた、エセカリスマ。実際はメソメソ泣いてばかりなので、本物のカリスマに憧れている。 終始彼の弟である生徒会補佐の観察記録調で語る、推し活と片思いの間で揺れる青春恋模様。 本編完結。番外編(after story)でその後の話や過去話などを描いてます。 (番外編、after storyで生徒会補佐✖️転校生有。可愛い美少年✖️高身長爽やか男子の話です)

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

男装の麗人と呼ばれる俺は正真正銘の男なのだが~双子の姉のせいでややこしい事態になっている~

さいはて旅行社
BL
双子の姉が失踪した。 そのせいで、弟である俺が騎士学校を休学して、姉の通っている貴族学校に姉として通うことになってしまった。 姉は男子の制服を着ていたため、服装に違和感はない。 だが、姉は男装の麗人として女子生徒に恐ろしいほど大人気だった。 その女子生徒たちは今、何も知らずに俺を囲んでいる。 女性に囲まれて嬉しい、わけもなく、彼女たちの理想の王子様像を演技しなければならない上に、男性が女子寮の部屋に一歩入っただけでも騒ぎになる貴族学校。 もしこの事実がバレたら退学ぐらいで済むわけがない。。。 周辺国家の情勢がキナ臭くなっていくなかで、俺は双子の姉が戻って来るまで、協力してくれる仲間たちに笑われながらでも、無事にバレずに女子生徒たちの理想の王子様像を演じ切れるのか? 侯爵家の命令でそんなことまでやらないといけない自分を救ってくれるヒロインでもヒーローでも現れるのか?

メインキャラ達の様子がおかしい件について

白鳩 唯斗
BL
 前世で遊んでいた乙女ゲームの世界に転生した。  サポートキャラとして、攻略対象キャラたちと過ごしていたフィンレーだが・・・・・・。  どうも攻略対象キャラ達の様子がおかしい。  ヒロインが登場しても、興味を示されないのだ。  世界を救うためにも、僕としては皆さん仲良くされて欲しいのですが・・・。  どうして僕の周りにメインキャラ達が集まるんですかっ!!  主人公が老若男女問わず好かれる話です。  登場キャラは全員闇を抱えています。  精神的に重めの描写、残酷な描写などがあります。  BL作品ですが、舞台が乙女ゲームなので、女性キャラも登場します。  恋愛というよりも、執着や依存といった重めの感情を主人公が向けられる作品となっております。

セカンドライフ!

みなみ ゆうき
BL
主人公 光希《みつき》(高1)は恵まれた容姿で常に女の子に囲まれる生活を送っていた。 来るもの拒まず去るもの追わずというスタンスでリア充を満喫しているつもりだったのだが、 ある日、それまで自分で認識していた自分というものが全て崩れ去る出来事が。 全てに嫌気がさし、引きこもりになろうと考えた光希だったが、あえなく断念。 従兄弟が理事長を務める山奥の全寮制男子校で今までの自分を全て捨て、修行僧のような生活を送ることを決意する。 下半身ゆるめ、気紛れ、自己中、ちょっとナルシストな主人公が今までと全く違う自分になって地味で真面目なセカンドライフを送ろうと奮闘するが、色んな意味で目を付けられトラブルになっていく話。 2019/7/26 本編完結。 番外編も投入予定。 ムーンライトノベルズ様にも同時投稿。

乙女ゲームの攻略キャラに転生したけど、他の攻略キャラ達の好感度が上がる一方で……!?

隍沸喰(隍沸かゆ)
BL
 〜来世ポイントマイナス1000から始める善行魔法学園生活〜  喧嘩大好きな一匹狼の不良・主人公は不良グループに襲われ、意識を失う。呼び声が聞こえて目を覚ますとそこには神様の姿があった。  神様は主人公に来世ポイントの使用権があると言う。  主人公は来世ポイントを使用し、 〖全てのクイズや試験の答えが分かる〗 〖世界一のイケメンになる〗 〖吸血鬼になる〗 〖喧嘩が一番強い〗 と言う設定を追加した。転生後も来世ポイントを稼ぐことが出来ると知り、残りのポイントは残すことにする。  乙女ゲーム《アルマタクト》の攻略キャラ《ヴォンヴァート・リリア・インシュベルン》に転生し、前世でクラスメイトだった秋月千夜(あきづきせんや)もこの世界に転生していることを知る。  クラスの担任の先生(ヒロイン)になった彼はどうやらチヨと呼ばれたがっているらしいww  せんやもどうやら、〖みんなに可愛いって思われる〗〖どこかにキスしたらメロメロになる〗と言う設定を追加したらしい。せんやの魔の手に落ちていく攻略キャラ達、しかし主人公・ヴォンヴァートの〖喧嘩が一番強い〗設定が魔法を全消しする効果があるっぽくて、せんやの魅了魔法を次々と解いていってしまう。  そして〖世界一イケメン〗設定のあるヴォンヴァートは、普通親密度100%になってから増えるはずの好感度が少し話しただけで上がっていくと言う迷惑スキルが付いてきた。  攻略キャラの好感度は上がり、せんやには怒られ、そんな様が仲良く見えるのかせんや好きな攻略キャラには目を付けられ、喧嘩に発展したそれに喧嘩大好きヴォンヴァートは喧嘩を買い、全員蹴散らした後に知る。  戦って貯める前世の来世ポイントとは違い、善行を積むことで貯められる来世ポイントとなった今世では、喧嘩に注意が必要であると言うことを。 注意: 表紙は力不足な自作イラスト 誤字脱字が多いです! 作者が息抜きに書いていた小説です。 ※毎日15:30に更新する予定です、ある分だけ投稿されます。(終了中、再開時は近況ボードで報告いたします)

推し変したら婚約者の様子がおかしくなりました。ついでに周りの様子もおかしくなりました。

オルロ
BL
ゲームの世界に転生したコルシャ。 ある日、推しを見て前世の記憶を取り戻したコルシャは、すっかり推しを追うのに夢中になってしまう。すると、ずっと冷たかった婚約者の様子が可笑しくなってきて、そして何故か周りの様子も?! 主人公総愛されで進んでいきます。それでも大丈夫という方はお読みください。

処理中です...