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恋人同士になる試練
19番目の祠 2
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リラさんは一歩下がり、角の手前でしゃがむ。
入れ替わるように、セレスさんとハイドさんが曲がり角のその先へ向かっていく。
その直前。
「俺たちが叩き壊して時間を稼ぐ!」
「シゲル様!光のご準備を!!」
「分かった!!」
何が何だか分からないけど、俺に直接あの二人が何か頼むなんて異常事態だって分かる。
暗がりの中から今までとは違う、ガシャガシャという音が何重にも重なった音が響く。
…魔物の声が、聞こえない?
「っ、集中っ」
だめだ、今は余計な事は考えない…!
俺は手のひらに光を溜め、それを溢さない様に走る。
「行くよ!!」
「「はい、シゲル様!!」」
二人が返事をした瞬間に、俺は曲がり角の先へ光を放つ。
「浄、化!!」
薄暗い通路に光が走る、いや、走れ!!
光を放ってから、もう一度祈る。
「やったか!?」
「ええ、当たった!さすがシゲル様!」
ハイドさん、その次にリラさんが叫ぶ。
どうやらうまくいった…
暫くしてガラガラと何かが崩れる音が響き…
突風!?
「シゲル!!」
「危ない、シゲ!」
ミシェルが俺の前に出て風除けになり、
トモアキが俺を後ろから支えてくれる。
「…っと、ありがと、二人とも」
「ああ、よくやったシゲ」
「だがまた動くかもしれん、シゲル、私の後ろに」
俺の前にミシェルが立ちはだかったまま、前へ進む。
ちょろっと前の方を見ると、骸骨という言葉通りに骨が散乱している…
「…ミシェル、トラネキサムって土葬?」
「寿命で死ねば土葬だな」
「じゃあその人たちの骨かなぁ…」
動物の頭蓋骨に混じって、ヒトの頭蓋骨がコロコロしてる。
「歳をとると骨粗しょう症が出るの、こっちでも同じなんかな」
「あー、粉々になってるのあるしな」
骨はほとんどが欠けたり割れたり…まあまあ派手に壊れている。
元々割れてたんなら、誰かが闇の力で無理矢理ひっつけて魔物にしたって事だ。
それって凄い時間とパワーだと思うんだよね…
脆かったからこうなった、っていうんなら…それもまた不思議だけど。
「意外と冷静だな、シゲル」
「うん、まあ…死んで骨になっても魔物になるなんて不思議だな…ってくらいかな」
「病院で人死に見過ぎじゃね?」
妹のいた病院は、障がい児に加えて、大人の障がい者も長期入院してたりする。
病気で障がいを抱えたのを苦に自殺する人もたまに出る。
「結構その辺杜撰な病院だったしな」
「自殺できる筋力があるなら生きとけば良いのにな」
「それな」
死にたいんだけど、死ぬのにも介助がいるので生きているしかない…と言って生きてる人は意外といる。
税金の無駄だし早いとこ殺処分してくれんかなぁ、なんて言いながら…
うん、意外と身近にあったな、地獄。
せめて死んだら天国に行けると良いんだけど…
この骨の持ち主たちも。
「…無事にあの世へ行けるように祈っとこ」
「そうだな、死んだら悼むべきだし」
俺は骨が散乱する真ん中あたりで般若心経を唱える事にした。
この世界に仏様がいるのかは知らないけど、神様はいるんだしさ。
いっそ【観自在菩薩】を【ラブラヴ神】に変えてみたら…って、ショーを見に来てる色んな神様の中に仏様もいたら困るから変えるのやめとこ。
「摩訶般若波羅蜜多心経…」
静かに手を合わせ、安らかにお眠りくださいと祈りつつ唱える。
この祠にまだいるかもしれない、骸骨たちにも届くと良いな…
入れ替わるように、セレスさんとハイドさんが曲がり角のその先へ向かっていく。
その直前。
「俺たちが叩き壊して時間を稼ぐ!」
「シゲル様!光のご準備を!!」
「分かった!!」
何が何だか分からないけど、俺に直接あの二人が何か頼むなんて異常事態だって分かる。
暗がりの中から今までとは違う、ガシャガシャという音が何重にも重なった音が響く。
…魔物の声が、聞こえない?
「っ、集中っ」
だめだ、今は余計な事は考えない…!
俺は手のひらに光を溜め、それを溢さない様に走る。
「行くよ!!」
「「はい、シゲル様!!」」
二人が返事をした瞬間に、俺は曲がり角の先へ光を放つ。
「浄、化!!」
薄暗い通路に光が走る、いや、走れ!!
光を放ってから、もう一度祈る。
「やったか!?」
「ええ、当たった!さすがシゲル様!」
ハイドさん、その次にリラさんが叫ぶ。
どうやらうまくいった…
暫くしてガラガラと何かが崩れる音が響き…
突風!?
「シゲル!!」
「危ない、シゲ!」
ミシェルが俺の前に出て風除けになり、
トモアキが俺を後ろから支えてくれる。
「…っと、ありがと、二人とも」
「ああ、よくやったシゲ」
「だがまた動くかもしれん、シゲル、私の後ろに」
俺の前にミシェルが立ちはだかったまま、前へ進む。
ちょろっと前の方を見ると、骸骨という言葉通りに骨が散乱している…
「…ミシェル、トラネキサムって土葬?」
「寿命で死ねば土葬だな」
「じゃあその人たちの骨かなぁ…」
動物の頭蓋骨に混じって、ヒトの頭蓋骨がコロコロしてる。
「歳をとると骨粗しょう症が出るの、こっちでも同じなんかな」
「あー、粉々になってるのあるしな」
骨はほとんどが欠けたり割れたり…まあまあ派手に壊れている。
元々割れてたんなら、誰かが闇の力で無理矢理ひっつけて魔物にしたって事だ。
それって凄い時間とパワーだと思うんだよね…
脆かったからこうなった、っていうんなら…それもまた不思議だけど。
「意外と冷静だな、シゲル」
「うん、まあ…死んで骨になっても魔物になるなんて不思議だな…ってくらいかな」
「病院で人死に見過ぎじゃね?」
妹のいた病院は、障がい児に加えて、大人の障がい者も長期入院してたりする。
病気で障がいを抱えたのを苦に自殺する人もたまに出る。
「結構その辺杜撰な病院だったしな」
「自殺できる筋力があるなら生きとけば良いのにな」
「それな」
死にたいんだけど、死ぬのにも介助がいるので生きているしかない…と言って生きてる人は意外といる。
税金の無駄だし早いとこ殺処分してくれんかなぁ、なんて言いながら…
うん、意外と身近にあったな、地獄。
せめて死んだら天国に行けると良いんだけど…
この骨の持ち主たちも。
「…無事にあの世へ行けるように祈っとこ」
「そうだな、死んだら悼むべきだし」
俺は骨が散乱する真ん中あたりで般若心経を唱える事にした。
この世界に仏様がいるのかは知らないけど、神様はいるんだしさ。
いっそ【観自在菩薩】を【ラブラヴ神】に変えてみたら…って、ショーを見に来てる色んな神様の中に仏様もいたら困るから変えるのやめとこ。
「摩訶般若波羅蜜多心経…」
静かに手を合わせ、安らかにお眠りくださいと祈りつつ唱える。
この祠にまだいるかもしれない、骸骨たちにも届くと良いな…
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