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恋人同士になる試練
「最初」の事
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風呂の床で、湯舟で、その後はベッドで。
もうこれ以上何も出ない…ってとこまでミシェルとエッチして、寝落ちして、起きたらシーツも枕もガザガザ…。
「昨日は…し過ぎたな」
「うん…ちょっと、し過ぎた」
どんな体位でエッチしたらこんなとこに飛ぶんだ…
自分でしたことなのに謎すぎる。
「外に出る前に、風呂入って出よう。
これじゃいくら何でも…」
「う…すまん」
「いや、ミシェルだけのせいじゃないし…」
俺だって盛り上がっちゃったし、その…うん。
うん…。
「愛してるよ、ミシェル」
「!!」
「だから、お風呂入って出る準備しよ」
「あ、ああ!」
自分の醜態を思い出した恥ずかしさを隠す為に「愛してる」を使うのも何だけど…
愛してるのは嘘じゃないし、セーフでしょ。
***
限界までセックスしたからか、一緒に風呂に入ってる割に俺たちは冷静だった。
「最初…内周の最初の方は、トモアキとラジオ体操してたんだっけな」
「ああ、あの時からずっと…私はマキタ様に成り代わりたかった」
「トモアキに成り代わったら親友になっちゃうけどな」
俺はミシェルを背もたれにしながら、何となく思い出話をしていた。
「だが最初は、マキタ様とシゲルは恋人同士だと思っていたし」
「別に付き合ってないんだけどね」
そう、別にトモアキとは付き合ってるわけじゃないって、ずっと言ってた気がする。
トモアキも、俺とはそういう仲じゃないって言ってたし。
だけど、周りはそういう空気で…
「そういえば最初の時、神様は俺の召喚にトモアキを巻き込んじゃったって、言ってたな」
「そうなのか?」
「うん…神様もどうやら嘘をつけるみたい」
「…ふむ」
この世界にとって、嘘は特別なものだ。
良いものと捉えられてはいないけど…
「そういえば、トモアキは最初から神様の言う事を疑ってたような…」
「えっ」
「うん…『あんな不完全な女装をする奴を信用するのか?』…って」
そう、最初は…
いや、そういえば最初から、トモアキはこの世界に来てからも堂々としてたし図々しくもあった。
マキタ「様」と呼ばれる事にも抵抗が無かった…
不思議だ。
「俺はトモアキと一緒だったから、最初の不安もそれほどじゃなかった。
だけど、きっと今までの聖女様や聖人様は不安で仕方なかったと思うんだ」
つまり、優しくしてくれる人に依存しやすい環境だった。
特に、一緒に旅をする人たちには嫌われないように必死になったに違いない。
そして聖女や聖人が、時に嘘もつける事に気が付いた同行者は…
様々な心情的理由で、彼らを閉じ込める事にした。
巡礼の旅が終って「さてこれから」という時に、聖女も聖人も人々の前に姿を現わさなくなることが続き…
人々が何に感謝すれば良いのかも分からないうちに、世代交代を迎え、トラネキサムは聖女も聖人も知らない人だけになる。
そうして、信仰は少しずつ薄れた。
何千年とかけて、ゆっくり…
「…聖女様や聖人様だけを呼び出すのはまずいって、神様はどっかで気づいたんだ」
そして、最初の召喚で、勇者と聖女の二人を呼び出した事をどうにか思い出した。
忘れてたというより、忘れさせられてたのかもしれない。
そして、誰かに思い出した事を悟らせないために、嘘をついた…
『あっごめ~ん、巻き込んじゃった♡』
…って。
「そうか、最初…最初の、……再現……?」
「だがそうなると、マキタ様とシゲルが恋人同士でなければ成立しないのではないか?」
「うん…そう、なんだよね」
つまり、再現じゃ駄目で。
やり直しじゃなきゃいけなかった…
ってことは、やっぱり…
「魔王は倒した、けど、その後ろにいる奴には到達していない…?」
「どういう事だ?」
「例えで出てくる漫画やアニメ…
最初に出てくる『強大な敵』の後ろには、大抵『さらに強大な敵』がいるんだ」
「…と、いうことは」
「その『さらに強大な敵』を何とかしてくれって、そういう事…なのかな」
あの古文書によれば、勇者は魔王を倒した。
だがそこで聖女は力尽きた。
もし、魔王の後ろにいる存在いたとして…
そいつが殺したかったのが聖女だけだった場合、聖女がもう居ないのにわざわざ生き残った勇者の前に出てきて戦いを仕掛けるだろうか?
つまり、最初の勇者と聖女は…
この世界を完全に救うところまで、至っていない?
「…ねえミシェル。
この先、俺たちの前にとんでもない敵が出て来るかもしれない。その時まで俺は、光の力を最大限に維持しなきゃいけない。
……どうしたらいいと思う?」
「ふむ、それは…信仰を集め続けるという事か?」
「うん、信仰を集めつつ、ミシェルの愛も無くさない様にするには、どうしたらいい?」
「それは…」
予想される、先の事。
書き残されていない先の事。
まだ誰も到達していない先…。
その先へ行くために…
もっともっと、考えなきゃいけない。
この世界の、最初を…。
もうこれ以上何も出ない…ってとこまでミシェルとエッチして、寝落ちして、起きたらシーツも枕もガザガザ…。
「昨日は…し過ぎたな」
「うん…ちょっと、し過ぎた」
どんな体位でエッチしたらこんなとこに飛ぶんだ…
自分でしたことなのに謎すぎる。
「外に出る前に、風呂入って出よう。
これじゃいくら何でも…」
「う…すまん」
「いや、ミシェルだけのせいじゃないし…」
俺だって盛り上がっちゃったし、その…うん。
うん…。
「愛してるよ、ミシェル」
「!!」
「だから、お風呂入って出る準備しよ」
「あ、ああ!」
自分の醜態を思い出した恥ずかしさを隠す為に「愛してる」を使うのも何だけど…
愛してるのは嘘じゃないし、セーフでしょ。
***
限界までセックスしたからか、一緒に風呂に入ってる割に俺たちは冷静だった。
「最初…内周の最初の方は、トモアキとラジオ体操してたんだっけな」
「ああ、あの時からずっと…私はマキタ様に成り代わりたかった」
「トモアキに成り代わったら親友になっちゃうけどな」
俺はミシェルを背もたれにしながら、何となく思い出話をしていた。
「だが最初は、マキタ様とシゲルは恋人同士だと思っていたし」
「別に付き合ってないんだけどね」
そう、別にトモアキとは付き合ってるわけじゃないって、ずっと言ってた気がする。
トモアキも、俺とはそういう仲じゃないって言ってたし。
だけど、周りはそういう空気で…
「そういえば最初の時、神様は俺の召喚にトモアキを巻き込んじゃったって、言ってたな」
「そうなのか?」
「うん…神様もどうやら嘘をつけるみたい」
「…ふむ」
この世界にとって、嘘は特別なものだ。
良いものと捉えられてはいないけど…
「そういえば、トモアキは最初から神様の言う事を疑ってたような…」
「えっ」
「うん…『あんな不完全な女装をする奴を信用するのか?』…って」
そう、最初は…
いや、そういえば最初から、トモアキはこの世界に来てからも堂々としてたし図々しくもあった。
マキタ「様」と呼ばれる事にも抵抗が無かった…
不思議だ。
「俺はトモアキと一緒だったから、最初の不安もそれほどじゃなかった。
だけど、きっと今までの聖女様や聖人様は不安で仕方なかったと思うんだ」
つまり、優しくしてくれる人に依存しやすい環境だった。
特に、一緒に旅をする人たちには嫌われないように必死になったに違いない。
そして聖女や聖人が、時に嘘もつける事に気が付いた同行者は…
様々な心情的理由で、彼らを閉じ込める事にした。
巡礼の旅が終って「さてこれから」という時に、聖女も聖人も人々の前に姿を現わさなくなることが続き…
人々が何に感謝すれば良いのかも分からないうちに、世代交代を迎え、トラネキサムは聖女も聖人も知らない人だけになる。
そうして、信仰は少しずつ薄れた。
何千年とかけて、ゆっくり…
「…聖女様や聖人様だけを呼び出すのはまずいって、神様はどっかで気づいたんだ」
そして、最初の召喚で、勇者と聖女の二人を呼び出した事をどうにか思い出した。
忘れてたというより、忘れさせられてたのかもしれない。
そして、誰かに思い出した事を悟らせないために、嘘をついた…
『あっごめ~ん、巻き込んじゃった♡』
…って。
「そうか、最初…最初の、……再現……?」
「だがそうなると、マキタ様とシゲルが恋人同士でなければ成立しないのではないか?」
「うん…そう、なんだよね」
つまり、再現じゃ駄目で。
やり直しじゃなきゃいけなかった…
ってことは、やっぱり…
「魔王は倒した、けど、その後ろにいる奴には到達していない…?」
「どういう事だ?」
「例えで出てくる漫画やアニメ…
最初に出てくる『強大な敵』の後ろには、大抵『さらに強大な敵』がいるんだ」
「…と、いうことは」
「その『さらに強大な敵』を何とかしてくれって、そういう事…なのかな」
あの古文書によれば、勇者は魔王を倒した。
だがそこで聖女は力尽きた。
もし、魔王の後ろにいる存在いたとして…
そいつが殺したかったのが聖女だけだった場合、聖女がもう居ないのにわざわざ生き残った勇者の前に出てきて戦いを仕掛けるだろうか?
つまり、最初の勇者と聖女は…
この世界を完全に救うところまで、至っていない?
「…ねえミシェル。
この先、俺たちの前にとんでもない敵が出て来るかもしれない。その時まで俺は、光の力を最大限に維持しなきゃいけない。
……どうしたらいいと思う?」
「ふむ、それは…信仰を集め続けるという事か?」
「うん、信仰を集めつつ、ミシェルの愛も無くさない様にするには、どうしたらいい?」
「それは…」
予想される、先の事。
書き残されていない先の事。
まだ誰も到達していない先…。
その先へ行くために…
もっともっと、考えなきゃいけない。
この世界の、最初を…。
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