15 / 37
15. 臨海&林間学校【初日】その3
しおりを挟む
「姫ちゃんはあの娘の事が知りたいんやろ?」
「ま、まあ。そうですわね。清歌があれだけ嫌がっていたのですし」
「ふぅん、名前を呼び捨てねぇ?」
「そ、そういうおふざけは無しです!」
途端にマノンは、ニヤニヤとした表情から、私の右腕、河瀬マノンの顔にキリッと切り替わると、清歌に許可をとったうえで順に話し始めた。
バスもゆっくりと動き出した。
「あの娘、理純智良ちゃんっていうんやけれどな、まあ、一言で言えば変態、やろか」
「変態……?」
私は眉を潜める。
「そそ。清ちゃんのことを追っかけてる、痴女やね」
「せ、先輩……言い過ぎじゃ……」
「でも、清ちゃん、色々見せつけられたんやろ? おぱんつとかおぱんつとかおぱんつとか」
この時既に、いつものマノンに戻っていた。
「うぅ……」
「清ちゃん、いい子過ぎるんよ。優しくて、物静かでクラス委員。それだから隠れファンクラブが出来ても不思議じゃないんよ」
「ええっ!?」
清歌にファンクラブ……?
「もちろん姫ちゃんほどの規模はないで? せいぜいやっと二桁やね」
「ええっ、私にもあるの!?」
「当たり前やろ。……もしかして知らなかったんかいな?」
「え、ええ」
私にファンクラブ!?
「姫ちゃんのファンクラブは、学園一会員数の多いファンクラブやで。400人は軽くおるな?」
400!?
「先生の何人かもファンクラブに入ってるらしいで?」
先生まで!?
「ちなみにそのファンクラブ作ったのうちや」
マノンー!?
「初めて会った時にピンと来たんよ。これはイケるって。それでな、姫ちゃんのおかげで、毎月小銭がガッポガッポ――って、待った待った! ほんま冗談だから、な? 入会金年会費無料、お金も何も取ってないから! だからその手の傘、仕舞おうや!?」
……ふう。全く。
私は手にした日傘を下ろして鞄の中に戻す。
「マノン、世の中にはねえ、言ってもいい冗談と、言ってはいけない冗談というものがあって――」
「あー、はいはいはいはい、わーかりましたー」
「人の話はきちんと聞きなさい!」
「もうその話、耳にタコができるほど聞いたんやけど」
「それはマノンが自分の行いを正さないからです!」
私たちはいつものように睨みあう。
「あ、あわわ、先輩たち、やめてくださいぃ!」
清歌の慌てた様子の声に我に返る。ふと周りを見ると、同じ車両にいたほとんどの生徒がこちらを見ていた。私ったら! は、はずかしい……っ!
「……っ~! こ、こほん。ともかく、気を付けなさい! いくらマノンでも許さない事もあるわよ」
「ほほう、清ちゃんの注意ならすぐに了解する、と。あんたら結構――っ、ご、ごめんって、分かったから!」
私は再び鞄から日傘を取り出しながら、冷たい目差しでマノンをじっとみつめる。
「本当に?」
「本当本当! 信じて、な?」
「……はぁ。まったく」
私はおでこに手を当てると、やれやれとため息をついた。
「ま、まあ。そうですわね。清歌があれだけ嫌がっていたのですし」
「ふぅん、名前を呼び捨てねぇ?」
「そ、そういうおふざけは無しです!」
途端にマノンは、ニヤニヤとした表情から、私の右腕、河瀬マノンの顔にキリッと切り替わると、清歌に許可をとったうえで順に話し始めた。
バスもゆっくりと動き出した。
「あの娘、理純智良ちゃんっていうんやけれどな、まあ、一言で言えば変態、やろか」
「変態……?」
私は眉を潜める。
「そそ。清ちゃんのことを追っかけてる、痴女やね」
「せ、先輩……言い過ぎじゃ……」
「でも、清ちゃん、色々見せつけられたんやろ? おぱんつとかおぱんつとかおぱんつとか」
この時既に、いつものマノンに戻っていた。
「うぅ……」
「清ちゃん、いい子過ぎるんよ。優しくて、物静かでクラス委員。それだから隠れファンクラブが出来ても不思議じゃないんよ」
「ええっ!?」
清歌にファンクラブ……?
「もちろん姫ちゃんほどの規模はないで? せいぜいやっと二桁やね」
「ええっ、私にもあるの!?」
「当たり前やろ。……もしかして知らなかったんかいな?」
「え、ええ」
私にファンクラブ!?
「姫ちゃんのファンクラブは、学園一会員数の多いファンクラブやで。400人は軽くおるな?」
400!?
「先生の何人かもファンクラブに入ってるらしいで?」
先生まで!?
「ちなみにそのファンクラブ作ったのうちや」
マノンー!?
「初めて会った時にピンと来たんよ。これはイケるって。それでな、姫ちゃんのおかげで、毎月小銭がガッポガッポ――って、待った待った! ほんま冗談だから、な? 入会金年会費無料、お金も何も取ってないから! だからその手の傘、仕舞おうや!?」
……ふう。全く。
私は手にした日傘を下ろして鞄の中に戻す。
「マノン、世の中にはねえ、言ってもいい冗談と、言ってはいけない冗談というものがあって――」
「あー、はいはいはいはい、わーかりましたー」
「人の話はきちんと聞きなさい!」
「もうその話、耳にタコができるほど聞いたんやけど」
「それはマノンが自分の行いを正さないからです!」
私たちはいつものように睨みあう。
「あ、あわわ、先輩たち、やめてくださいぃ!」
清歌の慌てた様子の声に我に返る。ふと周りを見ると、同じ車両にいたほとんどの生徒がこちらを見ていた。私ったら! は、はずかしい……っ!
「……っ~! こ、こほん。ともかく、気を付けなさい! いくらマノンでも許さない事もあるわよ」
「ほほう、清ちゃんの注意ならすぐに了解する、と。あんたら結構――っ、ご、ごめんって、分かったから!」
私は再び鞄から日傘を取り出しながら、冷たい目差しでマノンをじっとみつめる。
「本当に?」
「本当本当! 信じて、な?」
「……はぁ。まったく」
私はおでこに手を当てると、やれやれとため息をついた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
白雪様とふたりぐらし
南條 綾
恋愛
高校1年生の紫微綾は、生きることに疲れ、雪の山で自らの命を終えようとしたその瞬間――
美しい御小女郎姿の少女・白雪が現れ、優しく彼女を救う。
白雪は実は古の仏神・ダキニ天の化身。暇つぶしに人間界に降りた彼女は、綾に「一緒に暮らそう」と提案し……?
銀髪の少女と神様の、甘く温かなふたりぐらしが始まる。
【注意事項】
本作はフィクションです。
実在の人物・団体・宗教・儀礼・場所・出来事とは一切関係ありません。 作中で登場する神仏や信仰に関する表現は、物語の雰囲気づくりを目的とした創作によるものであり、特定の宗教や思想を推進・否定する意図は一切ございません。
純粋なエンターテイメントとしてお楽しみいただければ幸いです。
放課後の約束と秘密 ~温もり重ねる二人の時間~
楠富 つかさ
恋愛
中学二年生の佑奈は、母子家庭で家事をこなしながら日々を過ごしていた。友達はいるが、特別に誰かと深く関わることはなく、学校と家を行き来するだけの平凡な毎日。そんな佑奈に、同じクラスの大波多佳子が積極的に距離を縮めてくる。
佳子は華やかで、成績も良く、家は裕福。けれど両親は海外赴任中で、一人暮らしをしている。人懐っこい笑顔の裏で、彼女が抱えているのは、誰にも言えない「寂しさ」だった。
「ねぇ、明日から私の部屋で勉強しない?」
放課後、二人は図書室ではなく、佳子の部屋で過ごすようになる。最初は勉強のためだったはずが、いつの間にか、それはただ一緒にいる時間になり、互いにとってかけがえのないものになっていく。
――けれど、佑奈は思う。
「私なんかが、佳子ちゃんの隣にいていいの?」
特別になりたい。でも、特別になるのが怖い。
放課後、少しずつ距離を縮める二人の、静かであたたかな日々の物語。
4/6以降、8/31の完結まで毎週日曜日更新です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる