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29. 臨海&林間学校【2日目、3日目】その6
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まさかの出来事に、ぽ~っとしながら姫奏に手を引かれて歩き続けるわたし。
「あれ、今どこにむかっているんですか?」
ふと周りを見ると、既に肝試しのコースではなかった。
「『星花女子学園~生徒会長極秘資料~』」
「ふぇっ?」
「生徒会長室の机の隠し金庫に保管されている、歴代の生徒会長たちがまとめ上げた生徒会長だけが見ることが出来る極秘資料よ」
「か、隠し金庫……? ご、極秘資料……?」
わたしは目を白黒させる。まだ姫奏と恋人になる前のただの生徒会長とクラス委員長という関係だった頃、生徒会の資料を渡しに会長室に入ったことはあるけれど……。そんなもの、見たことない。だって会長室には、生徒会長専用の大きな黒机と革の椅子、そしてクローゼットや本棚があるだけだったはず……。
「これ以上は秘密よ♪ 知りたければ来年、智恵の後を継いで生徒会長になりなさいな」
どうやら姫奏は教えてくれる気はなさそう。それはそうだ。いくらわたしでも、秘密資料を聞き出したりはしない。……でも、名前からしてなんだか気になって仕方がない。
……生徒会長、ですか。
そんなわたしの気持ちを知ってか、
「清歌ならなれるわよ。色々な経験をしているものね?」
と軽く言ってのける姫奏。もう、そんなに簡単に言って。……考えるだけですからね?
「ともかく、その資料の第八項にはこんなことが書かれてるの。『星花女子学園関連施設の生徒会長専用極秘施設』という題で、ここだけでなく、校舎内とか星花女子学園に関する施設すべての場所にある秘密の場所を記したものがあるのよ。と言っても十箇所くらいだけどね」
「へええっ! すごいですね!」
「ええ。それを見た時に軽く見て回ったけれど、きっとほとんど歴代生徒会長のポケットマネーで作られたであろうものばかりだったわ。もちろん元々ある所もあるけれど。一部は生徒たちに知られている所もあるけど、大抵私達だけね。でも、誰も知らないということは管理もしなきゃいけないから大変なのよかね」
恐るべし歴代生徒会長……。
「これから向かうところもその一つよ。……次期生徒会長のためにいくつか教えてしまうと、新校舎には何ヵ所も隠し部屋があって、ベッドやらマットやら色々な道具が用意されているわ。私を含めて歴代生徒会長がみんなえっちだった証拠ね」
「ふええっ!? あの校舎にも?」
「もちろん旧校舎にもあるわよ。……ちなみにその隠し部屋の一つは、厳密に言うと違うけど会長室にあります」
あ、あんな狭いところに……?
「ヒントは隣の同窓会室です」
唐突に始まった謎解き大会。山道を登りながら考える。
「うーん、わからないです。同窓会室なんて行ったことがないし、そもそもあまり見かけないから……」
「そう、それが答えよ」
「えっ?」
どういうことなの?
「同窓会室はないのよ」
「ない?」
「ないの。校内図には会長室の隣にあることになっているけど、実際にあの場所には同窓会室はないの。廊下から見ても実際にあるのはただの壁だけ」
そう言えば……。確かに生徒会室から出て階段に向かうとき、同窓会室に当たる場所にはドアも何も存在していなかった。
「新校舎建設の際の生徒会長が天寿の重役の娘だったらしく、設計図を書き直してもらったらしいのよ。同窓会室であるはずの場所には、会長室の隠し扉からしか入れない、いくら声を出しても気づかれることのない完全防音のベッドルームになっているわ。……何のためだかはわかるでしょう?」
衝撃的すぎて言葉も出てこない。
こ、この学園、一体どうなってるの……?
唖然とするわたしに、笑いをこらえるようにして可愛らしく姫奏がこう言ってくる。
「この秘密を知ってしまったからには、絶対に生徒会長になりなさい。そして、わたしと一緒にひたすら巡るのよ。……今は時間がないからね」
な、なんということでしょう。
何も返事もしていないのに、わたしの将来が決まったようです……。
で、でもまだやるとは決めてないんです! きっと他の人がやるに違いありません。大丈夫なはず……。
「あれ、今どこにむかっているんですか?」
ふと周りを見ると、既に肝試しのコースではなかった。
「『星花女子学園~生徒会長極秘資料~』」
「ふぇっ?」
「生徒会長室の机の隠し金庫に保管されている、歴代の生徒会長たちがまとめ上げた生徒会長だけが見ることが出来る極秘資料よ」
「か、隠し金庫……? ご、極秘資料……?」
わたしは目を白黒させる。まだ姫奏と恋人になる前のただの生徒会長とクラス委員長という関係だった頃、生徒会の資料を渡しに会長室に入ったことはあるけれど……。そんなもの、見たことない。だって会長室には、生徒会長専用の大きな黒机と革の椅子、そしてクローゼットや本棚があるだけだったはず……。
「これ以上は秘密よ♪ 知りたければ来年、智恵の後を継いで生徒会長になりなさいな」
どうやら姫奏は教えてくれる気はなさそう。それはそうだ。いくらわたしでも、秘密資料を聞き出したりはしない。……でも、名前からしてなんだか気になって仕方がない。
……生徒会長、ですか。
そんなわたしの気持ちを知ってか、
「清歌ならなれるわよ。色々な経験をしているものね?」
と軽く言ってのける姫奏。もう、そんなに簡単に言って。……考えるだけですからね?
「ともかく、その資料の第八項にはこんなことが書かれてるの。『星花女子学園関連施設の生徒会長専用極秘施設』という題で、ここだけでなく、校舎内とか星花女子学園に関する施設すべての場所にある秘密の場所を記したものがあるのよ。と言っても十箇所くらいだけどね」
「へええっ! すごいですね!」
「ええ。それを見た時に軽く見て回ったけれど、きっとほとんど歴代生徒会長のポケットマネーで作られたであろうものばかりだったわ。もちろん元々ある所もあるけれど。一部は生徒たちに知られている所もあるけど、大抵私達だけね。でも、誰も知らないということは管理もしなきゃいけないから大変なのよかね」
恐るべし歴代生徒会長……。
「これから向かうところもその一つよ。……次期生徒会長のためにいくつか教えてしまうと、新校舎には何ヵ所も隠し部屋があって、ベッドやらマットやら色々な道具が用意されているわ。私を含めて歴代生徒会長がみんなえっちだった証拠ね」
「ふええっ!? あの校舎にも?」
「もちろん旧校舎にもあるわよ。……ちなみにその隠し部屋の一つは、厳密に言うと違うけど会長室にあります」
あ、あんな狭いところに……?
「ヒントは隣の同窓会室です」
唐突に始まった謎解き大会。山道を登りながら考える。
「うーん、わからないです。同窓会室なんて行ったことがないし、そもそもあまり見かけないから……」
「そう、それが答えよ」
「えっ?」
どういうことなの?
「同窓会室はないのよ」
「ない?」
「ないの。校内図には会長室の隣にあることになっているけど、実際にあの場所には同窓会室はないの。廊下から見ても実際にあるのはただの壁だけ」
そう言えば……。確かに生徒会室から出て階段に向かうとき、同窓会室に当たる場所にはドアも何も存在していなかった。
「新校舎建設の際の生徒会長が天寿の重役の娘だったらしく、設計図を書き直してもらったらしいのよ。同窓会室であるはずの場所には、会長室の隠し扉からしか入れない、いくら声を出しても気づかれることのない完全防音のベッドルームになっているわ。……何のためだかはわかるでしょう?」
衝撃的すぎて言葉も出てこない。
こ、この学園、一体どうなってるの……?
唖然とするわたしに、笑いをこらえるようにして可愛らしく姫奏がこう言ってくる。
「この秘密を知ってしまったからには、絶対に生徒会長になりなさい。そして、わたしと一緒にひたすら巡るのよ。……今は時間がないからね」
な、なんということでしょう。
何も返事もしていないのに、わたしの将来が決まったようです……。
で、でもまだやるとは決めてないんです! きっと他の人がやるに違いありません。大丈夫なはず……。
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