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連携
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朝は少し早めに起きて、朝食を済ませた。そして集めた丸太を適当にバラし(人がいたという痕跡を少しでも隠す為)焚き火の残りの薪は、フェルスの火魔法で全部燃やして灰にした。
「炭は土に戻りにくいですが、灰は肥料になりますからね」
無人島とは言え、ゴミや炭を残すべきではない。
そう説明しながら、移動を開始したのはアルバ――ではなく、フェルスの読みがあったからだ。
「昨日は結局、他の生徒とは一組としかぶつからなかったよね? あれは拠点を決めて、様子を見てたからだと思うんだけど……一晩、野宿して体バキバキになって。早く終わらせたかったら、積極的に戦闘することを選ぶんじゃないかなって」
「実感がこもってますね」
「まあ、バキバキまではいかないけど……パキパキくらい?」
アルバの突っ込みに、フェルスが苦笑する。
そして戦闘の相手として、わざわざ皇女達には喧嘩を売らないだろうと言った。だから、負けて強制転移で戻りたい場合はアルバ達を選ぶだろうと。
「いたぞ!」
そんなフェルスの読みが当たり、声を上げて追いかけてきた生徒達にアルバは足を止めた。そして、やれやれと言うようにため息をつく。
「昨日もですけど、声を出す前に攻撃すればいいのに」
「……えーと、まあ、訓練だから?」
アルバの言葉に、遊星が生徒達をフォローするように言いながら彼と一緒に後ろに下がる。
昨日は遊星が突進したがフェルスの読み通り、負けて戻りたい生徒達との戦闘が複数になった場合を考えて、二人を温存させることにしたのだ。
「聖光防壁。聖防御光陣」
それでも防御魔法は『攻撃』ではないので、今日もアルバは前に立ったフェルス達に光魔法を纏わせ、自分と遊星は光の壁で守る。
ちなみに、本当なら全属性を持つ遊星も使えるのだが、表向きの属性は火だけなのでこの場では使えない。いや、むしろ使わせるつもりはない。
「……あのさ。今度、ギルドでの依頼受けるの付き合ってくれるか? 魔法の練習するのに」
「いいですよ」
遊星としては希少な光属性の魔法を練習する為、同じ光属性のあるアルバを頼ったんだろう。
そうは解っていても『今度』の約束が出来たのに、アルバは笑顔で頷いた。
「怒りを放て、砂射!」
「我が手に集いて力になれ、火球!」
そんな彼らの前では、地属性を持つイグレットと火属性を持つフェルスが、それぞれ魔武器である弓を、そして剣を奮いながら簡略化した詠唱で魔法を放っている。昨日のグレル同様、初級魔法であるがそれでも昨日の今日で出来るとは大したものだ。
「ぐっ……!」
「熱……っ!?」
砂の塊で視界を遮ったところで、フェルスの火球が生徒達を襲う。
流石に顔は狙わないが、逆に遊星のようにペンダントを狙って放った為、ダメージを受けて生徒達は強制転移でその姿を消した。
「すごい連携だな」
「確かに」
「そっか。属性一つだと、他の属性の魔法を使う時は使い魔に助けて貰うか、ああやって誰かと協力してになるのか」
「ええ。『全帝』は全属性がありますから、一人で混合魔法を使うそうですけど」
「……それも、今度教えて?」
「はい」
表向きは、遊星は火属性のみなので後半は声を潜めてアルバに言う。
それにつられて短く答えていると、フェルス達の戦闘を見ていたミーネが、横にいるグレルへと目をやった。
「次、私達、も」
「うん、頑張ろうね!」
気合いを入れるように拳を握るミーネに、グレルが笑顔で頷く。
そして移動を再開してしばらく後、別の生徒達に襲撃された時、宣言していた通りにミーネとグレルが前に出た。
「…………」
「我が手に集え、流水……やったっ」
ミーネが鉤爪を構えて突進するのを援護するように、簡略化した詠唱をグレルが唱えた。すると腕を振った刹那、無詠唱でミーネの風属性の魔法が放たれたらしく、グレルの水魔法の威力が増したのだ。
ただの水の流れが、風を纏うことで渦になり威力を増す。そのことに気づいたグレルが声を上げたところで、水流が直撃した生徒達の姿が消えた。
念願の無詠唱に成功したことを喜ぶグレルに対して、振り向いたミーネがガッツポーズで応える。
無表情なのと、鉤爪のせいで迫力が増していたが、彼女の喜びは伝わってきて――アルバですら突っ込みを入れることなく、一同はミーネとグレルを温かく見守った。
「炭は土に戻りにくいですが、灰は肥料になりますからね」
無人島とは言え、ゴミや炭を残すべきではない。
そう説明しながら、移動を開始したのはアルバ――ではなく、フェルスの読みがあったからだ。
「昨日は結局、他の生徒とは一組としかぶつからなかったよね? あれは拠点を決めて、様子を見てたからだと思うんだけど……一晩、野宿して体バキバキになって。早く終わらせたかったら、積極的に戦闘することを選ぶんじゃないかなって」
「実感がこもってますね」
「まあ、バキバキまではいかないけど……パキパキくらい?」
アルバの突っ込みに、フェルスが苦笑する。
そして戦闘の相手として、わざわざ皇女達には喧嘩を売らないだろうと言った。だから、負けて強制転移で戻りたい場合はアルバ達を選ぶだろうと。
「いたぞ!」
そんなフェルスの読みが当たり、声を上げて追いかけてきた生徒達にアルバは足を止めた。そして、やれやれと言うようにため息をつく。
「昨日もですけど、声を出す前に攻撃すればいいのに」
「……えーと、まあ、訓練だから?」
アルバの言葉に、遊星が生徒達をフォローするように言いながら彼と一緒に後ろに下がる。
昨日は遊星が突進したがフェルスの読み通り、負けて戻りたい生徒達との戦闘が複数になった場合を考えて、二人を温存させることにしたのだ。
「聖光防壁。聖防御光陣」
それでも防御魔法は『攻撃』ではないので、今日もアルバは前に立ったフェルス達に光魔法を纏わせ、自分と遊星は光の壁で守る。
ちなみに、本当なら全属性を持つ遊星も使えるのだが、表向きの属性は火だけなのでこの場では使えない。いや、むしろ使わせるつもりはない。
「……あのさ。今度、ギルドでの依頼受けるの付き合ってくれるか? 魔法の練習するのに」
「いいですよ」
遊星としては希少な光属性の魔法を練習する為、同じ光属性のあるアルバを頼ったんだろう。
そうは解っていても『今度』の約束が出来たのに、アルバは笑顔で頷いた。
「怒りを放て、砂射!」
「我が手に集いて力になれ、火球!」
そんな彼らの前では、地属性を持つイグレットと火属性を持つフェルスが、それぞれ魔武器である弓を、そして剣を奮いながら簡略化した詠唱で魔法を放っている。昨日のグレル同様、初級魔法であるがそれでも昨日の今日で出来るとは大したものだ。
「ぐっ……!」
「熱……っ!?」
砂の塊で視界を遮ったところで、フェルスの火球が生徒達を襲う。
流石に顔は狙わないが、逆に遊星のようにペンダントを狙って放った為、ダメージを受けて生徒達は強制転移でその姿を消した。
「すごい連携だな」
「確かに」
「そっか。属性一つだと、他の属性の魔法を使う時は使い魔に助けて貰うか、ああやって誰かと協力してになるのか」
「ええ。『全帝』は全属性がありますから、一人で混合魔法を使うそうですけど」
「……それも、今度教えて?」
「はい」
表向きは、遊星は火属性のみなので後半は声を潜めてアルバに言う。
それにつられて短く答えていると、フェルス達の戦闘を見ていたミーネが、横にいるグレルへと目をやった。
「次、私達、も」
「うん、頑張ろうね!」
気合いを入れるように拳を握るミーネに、グレルが笑顔で頷く。
そして移動を再開してしばらく後、別の生徒達に襲撃された時、宣言していた通りにミーネとグレルが前に出た。
「…………」
「我が手に集え、流水……やったっ」
ミーネが鉤爪を構えて突進するのを援護するように、簡略化した詠唱をグレルが唱えた。すると腕を振った刹那、無詠唱でミーネの風属性の魔法が放たれたらしく、グレルの水魔法の威力が増したのだ。
ただの水の流れが、風を纏うことで渦になり威力を増す。そのことに気づいたグレルが声を上げたところで、水流が直撃した生徒達の姿が消えた。
念願の無詠唱に成功したことを喜ぶグレルに対して、振り向いたミーネがガッツポーズで応える。
無表情なのと、鉤爪のせいで迫力が増していたが、彼女の喜びは伝わってきて――アルバですら突っ込みを入れることなく、一同はミーネとグレルを温かく見守った。
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