みんなのたいちょう[完]

なかあたま

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「ッ、ぉ゛……、ッ、ごっ」

 喉に入れ込むたびに、まるで性器のように柔らかくて滑りのある壁が肉棒を包み込む。きゅうと締め付けながら痙攣するそこへ、腰を無意識に動かした。

「たいちょ、たい、ちょッ、あッ、好きですッ」

 髪を掴んだ手に力が籠る。震える指先が俺の太ももを引っ掻いた。ごちゅ、と醜い音を奏でながら、最奥へ射精する。彼は目を見開き、その熱い液体を受け止めていた。
 吐き出さないように腰を押し付ける。涙を流しながら精液を嚥下する彼の表情と、喉の動きに失神しそうになった。

「……こぼさないで。全部飲んでください」

 恋人にそうするように、頭を優しく撫でながら呟く。性器を口から取り出し、まだ脈打つそれを頬に擦り付ける。口の端から唾液を垂らしながら、ルタが俺を見上げた。
 涙に濡れる瞳は、絶望しながらも軽蔑するものだった。

「あ、ぅ゛……あ……ッ!」
「あー……でる、でるッ、ぅ゛」

 背後から挿入しているアントンが腰を打ちつけ、やがて果てた。ルタの体がビクビクと痙攣し、肩で呼吸を繰り返す。中に吐き出された感覚に、眉を歪めていた。そんな表情さえ唆られ、唾液を嚥下する。
 ────隊長は、こういう扱いをされている方が似合っている。
 みんなに指示をしたり、銃を構えたりしている彼より、嬲られ続けている方が適所のように思えた。

「アーデ、挿れてみるか?」

 ゴドフリーが口角を上げ、目を細める。部屋内に蔓延した奇妙な空気と、噎せ返るような熱気に包まれ、脳がぼんやりとする。
 俺はなんと返していいか分からなかった。ゆっくりと視線をルタへ投げる。彼は床に崩れるように倒れたまま、浅く呼吸を繰り返していた。

「挿れてみろよ。な?」

 引き返せなくなるような中毒を招く薬を捌く売人の如く囁くゴドフリーに従い、俺は静かに頷いた。彼はゲタゲタと笑い声を漏らし、ルタの体を抱き上げる。綿の入っていないぬいぐるみのように軽々と持ち上げられた隊長に心配を抱かない俺は、もう周りの人間同様、ドブのような色に染まってしまったのだろう。

「ッ、ぅ……」

 小さく呻き声を上げたルタを背後から抱きしめたゴドフリーが、挿入しやすいように足を持ち上げた。萎えた性器と精液が垂れた後孔を見て、心臓が高鳴る。

「ルタ。ほら、挿れてくださいって言え」

 ゴツゴツとした指がルタの口内へ侵入する。見えた赤い舌に先ほど発散したばかりの欲を擽られた。白い歯を愛撫するように撫でたゴドフリーが、耳朶を舐めながら囁く。口内に入り込んだ指のせいで強制的に口を開かれたままのルタは、唇の端から唾液を垂らしていた。焦点の合わない瞳と相まって、まるで人形のように見える。
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