みんなのたいちょう[完]

なかあたま

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白紙に黒

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注意 未○年との性行為が含まれますのでご注意ください。





 扉を開けると、異様な臭いと熱気が溢れた。思わず顔を背ける。中から「いく、イク────!」と男の情けない声が聞こえ、ビクビクと痙攣する日焼けした腰が目に入る。肩には真白い足が、まるで布のように引っかかっていた。アキレス腱に大きな傷が入ったその足は、ピクリとも動かない。
 部屋の中には数名の男がいた。一人の人間を囲い、自らの欲望をぶつけている。柔らかい髪を鷲掴みにし、小さな口に肉棒を詰め込んでいる男が「吐かないでくださいよ」と興奮した声音で言った。やがて喉の奥を使っていた男が「うおぅ゛」と汚い声を漏らし、果てる。口を使われていた男は、唇の端から白濁液をこぼし、その場にだらりと横たわった。虚ろな瞳に光は無く、ぴくりとも動かない。
 「おい。隊長、まだへばるなって」。横腹を蹴り飛ばした長身な男が、アキレス腱に傷がある細い足を掴む。まだ続きそうだなと察した俺は、パンと手を叩いた。

「おい、そこまでにしてくれ。今日は予約が入ってるんだ」

 その場にいた男たちが振り返った。俺たちの姿を確認し、唇を曲げる。

「ルパート、もう少しやらせてくれよ。俺、まだ挿れてない」
「また後でやらせてやるから。今からセプタが楽しむ時間なんだ」

 俺は隣に立つ少年の肩を掴む。セプタは場の雰囲気と男たちの輪の中で乱暴に扱われている隊長────ルタの姿を見て、動揺していた。「誰だよ、そのガキ」。先程、ルタの中で射精をした男が、萎えた自身を乱暴にしまいながら言った。

「こいつは、Aエリアで育った子だよ。もう、女たちの中にいることが許される年齢では無くなったからこちらへ来たんだ」

 セプタはぺこりと頭を下げた。短い髪は、まだ彼に馴染んでいない。きっとAエリアの女たちが切ってくれたのだろうなと察し、少しだけ微笑ましかった。
 周りの男たちが納得したように「あぁ」と声を漏らす。

「で、儀礼としてここに連れてきたのか?」
「あぁ。Bエリアにいる以上、隊長の存在は避けられないからな。ほら、セプタ。隊長に挨拶しろ」

 俺はポンと少年の背中を叩く。セプタは目を泳がせ、この状況を理解できていない様子だった。「……ルタ?」と男たちの輪の中にいた彼の姿を見て、声を震わせている。
 薄汚れた床に横たわるルタは視線を彷徨わせ、やがてセプタを瞳に捉えた。彼はひどく動揺し、顔を引き攣らせる。青褪めた顔がさらに青くなり、額に汗を滲ませている。ノロノロと起き上がり、後退りをした。動かない足は飾りのようで、少し滑稽に思えた。怯える姿を、男たちがニヤニヤと歪な笑みを浮かべて眺めている。
 悪趣味な見世物みたいで、俺は口角を歪めた。

「ル、ルパート、どうして」

 「どうして」。その言葉の続きを聞かなくても分かった。どうしてセプタがここにいるのだと言いたいのだ。ルタは唇と歯を震わせ、言葉の続きを吐けないまま、自分の身を隠すように蹲った。

「隊長。セプタはBエリアで生活しなければいけないんだ。遅かれ早かれ、この状況はセプタに隠せない。どう転んでも、こうなる運命なんだ。ほら、こっちへ来い」

 彼へ手を伸ばす。しかし、ルタは首を横に振った。「セプタをこの部屋から出してくれ」と懇願している。両腕で顔を隠し「お願いだから」と震えた声を絞り出していた。そんな彼の手首を掴み、グイと引き寄せる。ルタの震えが伝わった。
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