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プロローグ
呂布の咆哮、そして異世界へ
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「うぉおおおおおおおおおお!!」
豪雨の中を一人の男が咆哮を上げ、赤き巨馬に跨り駆け抜ける。
この男こそ、三国無双の呼び声高い猛将呂布その人である。
そして呂布の胸元には布に包まれた少女が振り落とされまいと、必死にしがみついている。この少女こそ、猛将呂布と絶世の美女貂蝉の娘の呂姫である。
呂布は呂姫を溺愛しており、すでに敗北は確定しているなか、呂姫だけを逃がそうと単騎で魏・蜀の連合軍の包囲網を突破を試みている。しかし、いくら呂布が最強の漢と言えども容易には突破できずいた。
「ぐぅ!?……呂姫、必ずお前だけは逃してみせる。もう少し辛抱してくれ」
自分に必死にしがみつく愛娘に声をかけ、紐をキツめに結び直し呂布は再度、連合軍へと突撃する。
呂布が方天画戟を一振りする度に十数人の兵が吹き飛ばされ、どんなに堅固な鎧と盾さえも易々と一撃で斬り伏せていく。
「あと少し、あと少しで抜けれる!!ぉおおおおぉおおおお!!」
連合軍の包囲網が一瞬だけ緩くなったのを呂布は見逃さず、すぐさま赤兎馬を操り一点突破を狙い突破できた。しかし、呂布はすぐにそれが罠だと知ることとなった。
「呂布よ、お前はここで終わりだ」
抜けた先には曹操が待ち構えており、魏の猛将と精鋭部隊が呂布をすぐに囲み込んだ。
もはや逃げ道は無く、四面楚歌である。
呂布は周りを見渡した後、天を仰ぎ、己はここで終わるのだと覚悟をした。
「呂姫よ……お前だけは生きろ」
胸元の呂姫を力強く抱き締め、父として最後の言葉を告げた後、赤兎馬から降り呂姫を赤兎馬に座らせた。
「父様!?私も父様と……きゃあ!」
呂布は呂姫の言葉を最後まで聞かず、赤兎馬の横腹を叩き走らせた。
「神よ!!俺は初めて貴様に祈るぞ!!我が娘を頼む!うぉおおおお!!」
呂布は叫ぶように神に初めて祈りを捧げ、猛者ですら怯む咆哮を上げながら赤兎馬の進む先へと方天画戟を出せる最大の力を込め投げた。
方天画戟は風を切り裂き、轟音を放ちながら魏の兵隊達を吹き飛ばしていく。そして、その後を追うように赤兎馬が駆け抜けていく。
方天画戟は勢いを落とすどころか、まるで呂布の意思が宿ったかの如く更に威力を増していく。そして眩い閃光を放ち、方天画戟と赤兎馬を包み込んだ。
「神よ……娘を頼むぞ」
方天画戟を投げた先の地面は抉れ、曹操達が目を向けた時にはすでに赤兎馬は姿形すらなかった。
呂布だけは満足そうに笑みを浮かべ、赤兎馬の消えた後を見つめていた。
豪雨の中を一人の男が咆哮を上げ、赤き巨馬に跨り駆け抜ける。
この男こそ、三国無双の呼び声高い猛将呂布その人である。
そして呂布の胸元には布に包まれた少女が振り落とされまいと、必死にしがみついている。この少女こそ、猛将呂布と絶世の美女貂蝉の娘の呂姫である。
呂布は呂姫を溺愛しており、すでに敗北は確定しているなか、呂姫だけを逃がそうと単騎で魏・蜀の連合軍の包囲網を突破を試みている。しかし、いくら呂布が最強の漢と言えども容易には突破できずいた。
「ぐぅ!?……呂姫、必ずお前だけは逃してみせる。もう少し辛抱してくれ」
自分に必死にしがみつく愛娘に声をかけ、紐をキツめに結び直し呂布は再度、連合軍へと突撃する。
呂布が方天画戟を一振りする度に十数人の兵が吹き飛ばされ、どんなに堅固な鎧と盾さえも易々と一撃で斬り伏せていく。
「あと少し、あと少しで抜けれる!!ぉおおおおぉおおおお!!」
連合軍の包囲網が一瞬だけ緩くなったのを呂布は見逃さず、すぐさま赤兎馬を操り一点突破を狙い突破できた。しかし、呂布はすぐにそれが罠だと知ることとなった。
「呂布よ、お前はここで終わりだ」
抜けた先には曹操が待ち構えており、魏の猛将と精鋭部隊が呂布をすぐに囲み込んだ。
もはや逃げ道は無く、四面楚歌である。
呂布は周りを見渡した後、天を仰ぎ、己はここで終わるのだと覚悟をした。
「呂姫よ……お前だけは生きろ」
胸元の呂姫を力強く抱き締め、父として最後の言葉を告げた後、赤兎馬から降り呂姫を赤兎馬に座らせた。
「父様!?私も父様と……きゃあ!」
呂布は呂姫の言葉を最後まで聞かず、赤兎馬の横腹を叩き走らせた。
「神よ!!俺は初めて貴様に祈るぞ!!我が娘を頼む!うぉおおおお!!」
呂布は叫ぶように神に初めて祈りを捧げ、猛者ですら怯む咆哮を上げながら赤兎馬の進む先へと方天画戟を出せる最大の力を込め投げた。
方天画戟は風を切り裂き、轟音を放ちながら魏の兵隊達を吹き飛ばしていく。そして、その後を追うように赤兎馬が駆け抜けていく。
方天画戟は勢いを落とすどころか、まるで呂布の意思が宿ったかの如く更に威力を増していく。そして眩い閃光を放ち、方天画戟と赤兎馬を包み込んだ。
「神よ……娘を頼むぞ」
方天画戟を投げた先の地面は抉れ、曹操達が目を向けた時にはすでに赤兎馬は姿形すらなかった。
呂布だけは満足そうに笑みを浮かべ、赤兎馬の消えた後を見つめていた。
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