嵐は突然やってくる

白うさぎ

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第1章 はじめまして。家族になった日

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「虐待が始まったのは、警察に行く半年前。ママへのDVは2年くらい前だったみたいだけど。」
「百合さんかなりの期間DV受けてたんだ。」
「初めは百々廉ちゃんが虐待受けてるの気づかなくて。気づいたのは夜ふと目が覚めた時に廉ちゃんがいなかった時。寒い日だったよ。2月くらい。ママが夜勤でパパだけだったの。お風呂場からパパのクソガキ!!って声が聞こえてきた。怖くて隙間から覗いたの。廉ちゃんがタオル口に詰められて湯船に何度も足で体ごと鎮められてた。百々怖くて、何もできなかったの。すぐに部屋に戻って小さくなって廉ちゃんの帰りを待ってた。1時間くらいしていつのまにか寝てたんだけど、気づいたら隣のベッドに廉ちゃんが寝る前に着てたパジャマとは違うパジャマで寝てた。」
「...」
「翌朝も普段通りの廉ちゃんでね。パパは朝には仕事行ってていなくて。ママに何度か言おうと思ってたけど、今度はママがDVにあっていることに気づいたの。夜にドンドン音がするの。ママのやめてって声も。百々にこようとする日もあったよ。夜扉が開いて。そしたら隣のベッドの廉ちゃんが百々は辞めて!!僕にして!!って。」
「本当に守ってだんだね。」
「うん。それで、半年たった時にね...。カッター...パパがカッターで廉ちゃんの手首切ったの...」
「え...?」
「百々はまた隠れてみてたんだけど、廉ちゃんが死んじゃうって思った。部屋に戻された廉ちゃんは腕もそのまま放置されてて。パパが寝た後、廉ちゃんみたら顔色悪いし、廉ちゃんなんとか起こして警察に行こうって。」
「...」
「警察に子供2人が朝4時にパジャマで行ったんだから、警察は大騒ぎだよ。すぐに廉ちゃんは警察の人が体調べたりしてカッターで切られたとこも確認して病院に一度連れて行ってくれたよ。その間百々は警察にパパのしたこと全部話した。警察の人が包帯巻いた廉ちゃんを特別だよって仮眠室に寝かせてくれて、百々には取り調べ頑張ってくれたからってサンドイッチとリンゴジュースくれた。廉ちゃんと百々はパパとママが別れるまで、おじいちゃんおばあちゃんちに一時避難になったよ。ママも同じく避難したからみんな安心して寝れるようになった。離婚が成立して前の家を借りて暮らし始めてママが直人さんに出会って今に至る感じ。」
「もっと親父たちが早く出会ってたら良かったのに...」
「過ぎたことだよ。廉ちゃんはあの日から男性が苦手で学校にもしばらく行けなくなったけど、小学校の相談室の先生がね男性だったんだけど、毎日30分家にきてくれて怖くないよ、学校にまた行こうねって。それで先生がお迎えに来てくれて徐々に学校に行けるようになって男性も普通の声の大きさなら大丈夫になった」
「いい先生がいたんだね」
「うん、たぶんその先生とは廉ちゃんまだやりとりしてるはずだよ。」
「なんか廉くんにそう言う頼れる人がいたこと聞いて安心したよ。」
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