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生き返るチャンス
しおりを挟む最高気温30℃を超えるある夏の日。
ユウは高校三年生という若さで亡くなってしまった。
彼は優しく真面目で正義感が強い人間だった。
だから、彼は自ら事故に巻き込まれた。
♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢
「学校終わったー!帰って受験勉強がんばるぞ!!」とユウは走りながら帰宅しているところだった。
陸上部を引退してからは、最難関の大学に進学する為に受験勉強に励んでいる。
ふと、隣のトラックをみると、運転手がハンドルにぐったりと倒れている。
すぐそこには横断歩道を渡る女の子が…
「危ない!!!」
ユウは走り出していた。
トラックに轢かれそうな女の子を前に押し倒し、助けることに成功した。
女の子は驚いた顔をして地面に倒れこんだ。
ブチブチブチという何かが破裂した音が街に響いていた。
♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢
ユウは目を覚ました。
見たことのない空間に立っている。
周りを見渡してみるとどこまでも白い空間は広がっていた。
障害物など何一つ無い。
背後に誰かがいる気配を感じた。
振り返ると、まるで天使のような美女が立っていた。
「私は女神。すでに貴方は死んでいます」
「そうですか…」とユウはうつむいた。
「ですが貴方は自らの命を引き替えに女の子を助けだした勇気があります。なので特別に生き返るチャンスを与えます」
女神の提案にユウは驚いた。
「ただし、このチャンスを成し遂げた者は誰一人としていません。それ程厳しい課題が課せられます。貴方に厳しい課題に挑戦する覚悟がありますか?」
女神の問い掛けにユウは即答した。
「はい」とユウは、真っ直ぐな目で女神に伝えたのだ。
何故ならユウには夢があった。
最難関の大学に合格して、母親を苦しめている不治の病を治す方法を研究する事だ。
なんとしても生き返って、母親を救いたいという強い想いだった。
「よろしい」と女神はユウの強い想いを察し、覚悟があると判断した。
「課題の内容は、異世界に魔法剣士として転生して頂き、そこを脅かす3人の邪神を倒すというものです。しかし、異世界で殺されるともう二度と貴方は生き返ることはありません」と女神は説明した。
僕はごくりと唾を飲み込んだ。
しかし、僕の決意は揺らがなかった。
(生き返ってお母さんを助けたい…)
「それでは、異世界へ転送します。頑張って邪神を倒して下さい」と女神はユウに伝えると、ユウの姿はいつの間にか消え去っていた。
(貴方なら邪神を倒してくれると信じています。…ユウ)
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