異世界でゆるゆる生活を満喫す

葉月ゆな

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【リーンハルト:11歳】

第481話 遭遇

「しかし温泉だったか、本当に疲れが吹き飛ぶな」

マックベリーさんは、今日も早起きして温泉に浸かったそうだ。

「温泉はいいよ。わたしがこの街のギルド支部長になるか、引退して住んでもいいねぇー」

「俺もこの街のギルド支部長になろうかって思っているんだよ。そろそろ部下にギルド長を譲ってもいい頃だし、家族もこの街なら引っ越してもいいと言ってくれたからな」


「マックベリー、何言ってんだい。お前さんはギルド長として、もっと働きな」

「いやいや、新街というのはトラブルが起こりやすい。上司がしっかり采配しないといけない」

2人顔を見合わせてため息をついた。


「普通、ギルド内の他の場所への移動は嫌がられるけれど、ここは移動したい者が多いだろうな」

「まったくだよ、今回みんなこの街に家族連れてくるからねぇー」

ここで言われても、私では解決できる話ではないので困ります。

ちょっと2人の評価が高いから、デメリットも話しておくか。


「しかし、知らない人が多く出入りする街です。街の安全には注意を払いますが、誘拐とかの危険も多いと思いますよ」

だけど2人から新街の住民が住む地域は、この屋敷の周辺になるため、観光場所に子供たちだけで行かなければ比較的安全だと考えているらしい。

街が拡大するとどうなるかわからないが、現時点では観光客との住み分けが出来ているし、領主の屋敷が近くにあるためこの周辺は警備がしっかりしているため、生活環境はいい地域になるんだそうだ。


あと通勤馬車制度も魅力のひとつらしい。

レイラ達、早速意見を聞いてみたんだ。まぁ、他の地域にはない制度だからな。

通勤馬車制度とは、住民が住んでいる地域から広場、広場から一日中遊べる温泉施設までとか、定期的に馬車を走らせ、観光客も乗るが定期券を発行することで、住民は安く乗れるという仕組みを提案したのだ。

歩くのもいいが、馬車で街を移動することができれば観光客の行動範囲が広がるし、働く人たちにとっては楽に移動ができる。

もっとも乗り降りの場所をどこにするかとか、馬車をどれくらいの間隔で走らせるのか、採算とれるのか等々、問題はあるのでもっと詰めてからになるけれど・・・。

2人にはこれからも政務官たちから相談が行くと思うので、アドバイスよろしくお願いしますと話して終わった。



翌日、私、リア、アトレたち、マイヤーたち護衛といつものメンバーで、ちょっと早いがウォータースパイダーとアーグアに会いに行く。

3月は何かと忙しいし、アトレたちも樹海の奥まで行かなくても、樹海にいけるのは嬉しいみたいだ。

いつものようにルクス村に馬を預け、お土産に大判焼きを渡すと喜ばれた。


樹海を歩いているとウォータースパイダーとアーグアが、いつものところまで迎えに来てくれていた。

ありがとうと伝え、歩きながら土地の様子を聞くと、枯れた場所は拡大せずに止まったらしい。

あと私の成長促進のお陰で、冬でも木の実がたくさん実った状態が続いたことで、逆にお礼を言われた。


ウォータースパイダーとアーグアの住処に着き、浄化した場所をすべて見て回ると、被害は収まっていて草が生えていた。

アーグアたちに浄化が出来た場所に、あらためて木の実を植えた方がいいか聞こうと戻ると、知らない男女混合6人の20代と思われる冒険者たちと遭遇した。


「騎士の方たち、こいつらを討伐しないでください!!」

冒険者グループが両手を広げてウォータースパイダーとアーグアの前に出てくる。

どういうことだろうか?


「私たちはウォータースパイダーとアーグアを討伐するつもりはない。この周辺がポイズン系の魔獣のせいで、木々が枯れていたのを浄化したから、確認に来たんだ。君たちはどうしてここにいるのかな?」

私の説明に冒険者グループは青ざめていた。

1番年長と思われる冒険者の男性が言いにくそうに口を開いた。

昨年の春先にポイズンモス集団に追われて逃げ回っていたところを、彼らに助けてもらったらしい。


あぁ、転々とポイズンモスの毒があったのは、この冒険者たちのせいだったのか。

しかしなんでウォータースパイダーとアーグアは、私たちに内緒にしていたのだろうと私は内心思ったが、冒険者の彼の話は続く。

「彼らは自分たちの仲間が、ポイズンモスにやられても、俺たちを助けてくれたんです」

だからお礼で、時々一角ラビットをここへ持ってきていると言う。


「あのさ、ウォータースパイダーとアーグアは肉食ではなくて、ここにある木の実が主食なんだよ」

私は木の実を指した。

「「えー」」「「うそー」」「俺たちの努力は・・・」「知らなかった」

冒険者たちは、うなだれていた。
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