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【リーンハルト:11歳】
第489話 興味ある?
ローザが呼びにきたので、私は政務官室で仕事をしていると、ラジエルが入ってきた。
「ラジエルが、ここに来るなんて珍しいね」
私から声をかけた。商会の部屋はお隣さんではあるが、ラジエルはほとんどやってこない。
ラジエルが政務官室に来るときは、私を叱るときが多い。
でも今日はそんな雰囲気はない。
「またとんでもない物を作りましたね」
ラジエルは目覚まし時計を私の机に置いた。
「目覚まし時計?朝、起きるのが苦手な人向けだから、そこまで需要は多くないと思うよ」
私の言葉を聞いてラジエルがため息をつく。
「従業員たちは、みんな売れると大騒ぎでしたよ」
「なぜ?」
私の問いにラジエルは、目覚まし時計としての役割ではなく、事務所や応接室に置ける置時計として需要が見込めるらしい。
しかも、時間設定の音が小さくなれば、会議や外出時間設定など、仕事に使いやすいとの話だった。
この世界は壁掛け時計と懐中時計の2つだ。
そういえば中間の時計がなかったな。
どちらの時計も高価だから、領民は教会が鳴らす朝7時から夜7時までの2時間おきの鐘の音や、店舗にある置時計などで時間を確認している。
目覚まし時計の部品は金型で同じものを作り、組み立て時に調整をおこなうらしく、2つの時計よりも安価に設定可能らしい。
マリア、ナナリー、オルガの3人は、金型職人のバートンさんを巻き込み作り上げたそうだ。
なんでもマリアが、実験時に目覚まし時計が使えると気づいたところから、安価にできる方法を3人で考えたらしい。
「多少の時間誤差は出るでしょうが、今までに比べれば格段に便利になります」
ラジエルの言いたいことはわかった。
目覚まし時計が出回るようになれば、ちいさな店舗にも置かれるようになる可能性が高い。
店舗兼自宅のお店は、目覚まし時計を仕事中は店内に、仕事が終われば自宅の部屋にと持ち運びができる。
懐中時計を保有している人でも、会議中の部屋に置時計がある方が便利だし、会議の時間を区切りやすくなる。
「ラジエル、私はそこまで見越して目覚まし時計を作ってもらったわけではないよ」
「わかっています。マリアたちが気づいて頑張った結果ですからね」
「これも特許申請だね」
「はい、オルガに頼まれました。これからご領主様たちに報告に行ってまいります」
2日後、応接室に入るとマリアの父上たち家族3人は、長ソファに3人固まって座り、マリアだけ1人用のソファーに腰掛けていた。
「リーンハルト様、長ソファに腰掛けている3人が私の家族です」
マリアは父親に1人掛けに座るように促したが、3人で一緒に座ると拒否されて、この状態になりましたとつけ加えている。
マリアの父上は「なんで私にバラすのだ」という目線を、娘のマリアに送っていたが、マリアは無視している。
諦めたマリアの父上が私に向かって口を開く。
「初めてお目にかかります。ベネット・ムクミガです。隣が妻のアリア、息子のロドニーです」
ベネットさんと奥様のアリアさんは40代半ばで、息子さんのロドニーさんは20歳らしい。
マリアとロドニーさん2人とも顔は、母親のアリアさん似かな。
「挨拶をありがとう、私はリーンハルト・ウエストランド。私のアイデアを理解して商品にしてくれるマリアには本当に世話になっている」
「とんでもありません。マリアからの手紙では、自分のペースで仕事ができること、本当に自由にさせてもらっていると楽しそうな文面ばかりが届いていましたので、安心しておりました」
あとベネットさんから、マリアに護衛をつけてくれていることにも感謝された。
マリアが家族を駅に迎えに行った際に、ラウールとナタリアに会ったそうだ。
ラウールがトロールを剣で倒せるほどの腕前と聞いて、あまりの好待遇に驚いたようだ。
さっそく私は本題に入る。
「我が家のせいで、ご家族を大変な目に合わせたようで申し訳ない」
「とんでもありません。むしろこちらがご迷惑をおかけしていますのに・・・・」
ベネットさんが慌てている。
ベネットさんたちはマリアの縁談を勧めてきた先には、マリアの相手はウエストランドのご領主様が決めることになったと言って断りを入れたらしい。
だけど縁談話を持ってきたベネットさんの勤め先の会長などは、気分を害していて居づらくなっているため、マリアに勧められた新街への移住を真剣に考えているそうだ。
「ベネットさん、仕事は何をしているの?」
「私は商会で雑貨関連の買付、注文をしていました。息子は魔導具師です」
私が不思議に思っていたのがわかったのか、マリアから「母が魔導具師です」とフォローが入る。
母親のアリアさんは現在仕事をしていないが、近所で付与魔法を頼まれれば、受けているらしい。
あとロドニーさんも勤務先の会長令嬢との縁談を持ちかけられて困っているらしく、ベネットさんたち家族3人で移住を検討しているそうだ。
「実は会長たちが話していたのを偶然聞いてしまって・・・・」
ロドニーさんが言い淀んだのは、おそらくマリアかウエストランドとの接点を持つためとか話していたのだろうな。
私はロドニーさんにさらに質問をする。
「ロドニーさんは、魔導具開発に興味あるかな?」
「もちろんです。母の部屋というか工房で、姉貴・・・・いや姉と一緒に遊んでいたから」
ロドニーさんの話に、私はニンマリしてしまった。
「ラジエルが、ここに来るなんて珍しいね」
私から声をかけた。商会の部屋はお隣さんではあるが、ラジエルはほとんどやってこない。
ラジエルが政務官室に来るときは、私を叱るときが多い。
でも今日はそんな雰囲気はない。
「またとんでもない物を作りましたね」
ラジエルは目覚まし時計を私の机に置いた。
「目覚まし時計?朝、起きるのが苦手な人向けだから、そこまで需要は多くないと思うよ」
私の言葉を聞いてラジエルがため息をつく。
「従業員たちは、みんな売れると大騒ぎでしたよ」
「なぜ?」
私の問いにラジエルは、目覚まし時計としての役割ではなく、事務所や応接室に置ける置時計として需要が見込めるらしい。
しかも、時間設定の音が小さくなれば、会議や外出時間設定など、仕事に使いやすいとの話だった。
この世界は壁掛け時計と懐中時計の2つだ。
そういえば中間の時計がなかったな。
どちらの時計も高価だから、領民は教会が鳴らす朝7時から夜7時までの2時間おきの鐘の音や、店舗にある置時計などで時間を確認している。
目覚まし時計の部品は金型で同じものを作り、組み立て時に調整をおこなうらしく、2つの時計よりも安価に設定可能らしい。
マリア、ナナリー、オルガの3人は、金型職人のバートンさんを巻き込み作り上げたそうだ。
なんでもマリアが、実験時に目覚まし時計が使えると気づいたところから、安価にできる方法を3人で考えたらしい。
「多少の時間誤差は出るでしょうが、今までに比べれば格段に便利になります」
ラジエルの言いたいことはわかった。
目覚まし時計が出回るようになれば、ちいさな店舗にも置かれるようになる可能性が高い。
店舗兼自宅のお店は、目覚まし時計を仕事中は店内に、仕事が終われば自宅の部屋にと持ち運びができる。
懐中時計を保有している人でも、会議中の部屋に置時計がある方が便利だし、会議の時間を区切りやすくなる。
「ラジエル、私はそこまで見越して目覚まし時計を作ってもらったわけではないよ」
「わかっています。マリアたちが気づいて頑張った結果ですからね」
「これも特許申請だね」
「はい、オルガに頼まれました。これからご領主様たちに報告に行ってまいります」
2日後、応接室に入るとマリアの父上たち家族3人は、長ソファに3人固まって座り、マリアだけ1人用のソファーに腰掛けていた。
「リーンハルト様、長ソファに腰掛けている3人が私の家族です」
マリアは父親に1人掛けに座るように促したが、3人で一緒に座ると拒否されて、この状態になりましたとつけ加えている。
マリアの父上は「なんで私にバラすのだ」という目線を、娘のマリアに送っていたが、マリアは無視している。
諦めたマリアの父上が私に向かって口を開く。
「初めてお目にかかります。ベネット・ムクミガです。隣が妻のアリア、息子のロドニーです」
ベネットさんと奥様のアリアさんは40代半ばで、息子さんのロドニーさんは20歳らしい。
マリアとロドニーさん2人とも顔は、母親のアリアさん似かな。
「挨拶をありがとう、私はリーンハルト・ウエストランド。私のアイデアを理解して商品にしてくれるマリアには本当に世話になっている」
「とんでもありません。マリアからの手紙では、自分のペースで仕事ができること、本当に自由にさせてもらっていると楽しそうな文面ばかりが届いていましたので、安心しておりました」
あとベネットさんから、マリアに護衛をつけてくれていることにも感謝された。
マリアが家族を駅に迎えに行った際に、ラウールとナタリアに会ったそうだ。
ラウールがトロールを剣で倒せるほどの腕前と聞いて、あまりの好待遇に驚いたようだ。
さっそく私は本題に入る。
「我が家のせいで、ご家族を大変な目に合わせたようで申し訳ない」
「とんでもありません。むしろこちらがご迷惑をおかけしていますのに・・・・」
ベネットさんが慌てている。
ベネットさんたちはマリアの縁談を勧めてきた先には、マリアの相手はウエストランドのご領主様が決めることになったと言って断りを入れたらしい。
だけど縁談話を持ってきたベネットさんの勤め先の会長などは、気分を害していて居づらくなっているため、マリアに勧められた新街への移住を真剣に考えているそうだ。
「ベネットさん、仕事は何をしているの?」
「私は商会で雑貨関連の買付、注文をしていました。息子は魔導具師です」
私が不思議に思っていたのがわかったのか、マリアから「母が魔導具師です」とフォローが入る。
母親のアリアさんは現在仕事をしていないが、近所で付与魔法を頼まれれば、受けているらしい。
あとロドニーさんも勤務先の会長令嬢との縁談を持ちかけられて困っているらしく、ベネットさんたち家族3人で移住を検討しているそうだ。
「実は会長たちが話していたのを偶然聞いてしまって・・・・」
ロドニーさんが言い淀んだのは、おそらくマリアかウエストランドとの接点を持つためとか話していたのだろうな。
私はロドニーさんにさらに質問をする。
「ロドニーさんは、魔導具開発に興味あるかな?」
「もちろんです。母の部屋というか工房で、姉貴・・・・いや姉と一緒に遊んでいたから」
ロドニーさんの話に、私はニンマリしてしまった。
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