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【リーンハルト:11歳】
第494話 役割分担だな
ジェラ兄上が私に話しかけてくる。
「ハルト、石板で何を確認していたんだ?」
「トーロスについて書いた本があるか確認したんですがなかったです」
シエルが戻ってきたのでジェラ兄上との話は終わらせ、アトレ経由でシエルの話を聞く。
トーロス側が私たちの存在に気づき、引いていったらしい。
私たちというかアトレたちの存在が大きそうだ。
フェンリル、フィアンマ、ベンダバール、グラースホーク、トニトルス。
Aランク以上の強い魔獣がたくさんいれば気配でわかったのではないか?
ヴァーシュと互角に戦うのであれば、それなりに強い部類だろうから。
ルーカスは……本来ならドラゴンの気配だけでトーロスは逃げると思うが、ルーカスから今は力があまりないと言っていたし、ここは数に入れなくていいだろう。
ヴァーシュがいる場所へ行くと、ヴァーシュは散らばってくつろいでいるようなので、戦闘は終わったと見てよさそうだ。
1頭のヴァーシュが私たちの方へやって来たので話しかける。
「大変な時に来て申し訳なかった。トーロスがなぜヴァーシュの縄張りに?」
アトレから、トーロスの群れが増えると縄張り拡大でヴァーシュに攻撃してくるが、いつもヴァーシュが反撃してトーロスの数を減らすため、トーロスが引き下がるのを繰り返しているらしい。
ただ今回はあまり数を減らす前に撤退したから、しばらくしたらまた攻撃してくるだろうとのことだった。
『ヴァーシュが今回ここへ来た用件はなんだって言っているよ』
トーロスのことはいいから用件を話せとのことだった。
私は、私たちと一緒にここを去ったヴァーシュに子供が生まれ、子供たちを樹海で生活させたいと希望していることを伝えた。
『親が育てればいいではないか、なぜ我々が育てなければいけない』
「病気にならなければ彼らだって、樹海で生活していたと思う。だから子供たちには本来の生活をさせたいのではないかな」
しばらく無言だったヴァーシュが条件を出してきた。
『最近、水の味がおかしい。原因を調べて解決したら、我々が子供たちを育てよう』
私は領内にいるヴァーシュからの伝言を持ってきただけなのに・・・・。
でもヴァーシュにとっては新鮮な水は大事だったはず。
彼らにとって死活問題だろうから、調べるしかない。
『ハルト、ヴァーシュがこの先で倒したトーロスは邪魔だからあげるって言っているよ』
アトレの話をリプカから聞いたのか、ジェラ兄上が私に話しかけてきた。
「ハルトが水の原因を調べている間に、俺がトーロスの回収をしてくるよ」
「ジェラ兄上、私に押し付けて自分は楽な方を取らないでよ」
「一緒に行ってもいいが、俺では解決できないから、役割分担だな」
ジェラ兄上、そんなにはっきりと断言しなくても・・・・。
結局、私とアトレ、ルーカス、ジョルジュ、マイヤーたち私専属護衛4人と一緒に、水源である岩を登って原因を調べることにした。
ヴァーシュが飲む水は、巨大な岩の割れ目から流れ落ちる清水である。
その巨大な岩は水槽のようにくり抜かれていて、その中にトラサンペという生き物がいる。
このトラサンペが水を美味しくしているのだ。
前回はカイル隊長の植物神の加護で木の枝を階段にして巨大岩を登ったが、今回はハミルトンが土魔法で階段を作ってくれた。
私も植物神の加護で木の枝を操れるが、土魔法の階段のほうが登りやすいからお願いした。
巨大岩に登って水の中をのぞくと、トラサンペの半分近くが黒色になっていた。
トラサンペって、大きさはピンポン玉ぐらいで、形は前世のマリモに似ているものだ。
「水質悪化の原因は、これだね」
「おそらく・・・・この黒色に変色したトラサンペを取り除かないといけないですね」
ジョルジュが私に同意しながらも、変色したトラサンペを見ていた。
「賛成だけど、この大量のトラサンペをどうやって仕分けしようか」
巨大岩の水は深い。
トラサンペを全部引き上げて仕分けするとなると、網が必要だな。
水魔法で以前網を作ったことがあるから、もう少し網目が小さいものもいける気がする。
「リーンハルト様、考え込まれていますが、どうされました?」
「マイヤー、水魔法で網を作ってトラサンペをすくおうと思ったけれど、仕分け台がない。どうしようか」
「土魔法で・・・ここは岩の上でしたね」
マイヤーの言葉に私がうなずいていたら、ハミルトンが提案してくる。
「リーンハルト様、登ってきた階段を壊してよければ、臨時で仕分け台作れますよ」
ハミルトンとカムエラで、1つは巨大岩からすくったトラサンペを入れる箱型の台。
もう1つは仕分け後のトラサンペをいれる水槽を2つ作ってもらった。
水槽の水はウィルソンが水魔法でいっぱいにした。
私は巨大岩の水の中で、水魔法を使い網目が小さい網を作り、トラサンペをすくいあげ、箱型の台の上に落とした。
「熱っ」
カムエラが声をあげた。
どうやらトラサンペを台の上に置いた時に散った水が熱かったらしい。
「トラサンペは変色したもの、普通のものも熱くはないです」
ウィルソンはトラサンペを触って確認したようだ。
ということは巨大岩の上の方の水がお湯になっているということのようだ。
「ハルト、石板で何を確認していたんだ?」
「トーロスについて書いた本があるか確認したんですがなかったです」
シエルが戻ってきたのでジェラ兄上との話は終わらせ、アトレ経由でシエルの話を聞く。
トーロス側が私たちの存在に気づき、引いていったらしい。
私たちというかアトレたちの存在が大きそうだ。
フェンリル、フィアンマ、ベンダバール、グラースホーク、トニトルス。
Aランク以上の強い魔獣がたくさんいれば気配でわかったのではないか?
ヴァーシュと互角に戦うのであれば、それなりに強い部類だろうから。
ルーカスは……本来ならドラゴンの気配だけでトーロスは逃げると思うが、ルーカスから今は力があまりないと言っていたし、ここは数に入れなくていいだろう。
ヴァーシュがいる場所へ行くと、ヴァーシュは散らばってくつろいでいるようなので、戦闘は終わったと見てよさそうだ。
1頭のヴァーシュが私たちの方へやって来たので話しかける。
「大変な時に来て申し訳なかった。トーロスがなぜヴァーシュの縄張りに?」
アトレから、トーロスの群れが増えると縄張り拡大でヴァーシュに攻撃してくるが、いつもヴァーシュが反撃してトーロスの数を減らすため、トーロスが引き下がるのを繰り返しているらしい。
ただ今回はあまり数を減らす前に撤退したから、しばらくしたらまた攻撃してくるだろうとのことだった。
『ヴァーシュが今回ここへ来た用件はなんだって言っているよ』
トーロスのことはいいから用件を話せとのことだった。
私は、私たちと一緒にここを去ったヴァーシュに子供が生まれ、子供たちを樹海で生活させたいと希望していることを伝えた。
『親が育てればいいではないか、なぜ我々が育てなければいけない』
「病気にならなければ彼らだって、樹海で生活していたと思う。だから子供たちには本来の生活をさせたいのではないかな」
しばらく無言だったヴァーシュが条件を出してきた。
『最近、水の味がおかしい。原因を調べて解決したら、我々が子供たちを育てよう』
私は領内にいるヴァーシュからの伝言を持ってきただけなのに・・・・。
でもヴァーシュにとっては新鮮な水は大事だったはず。
彼らにとって死活問題だろうから、調べるしかない。
『ハルト、ヴァーシュがこの先で倒したトーロスは邪魔だからあげるって言っているよ』
アトレの話をリプカから聞いたのか、ジェラ兄上が私に話しかけてきた。
「ハルトが水の原因を調べている間に、俺がトーロスの回収をしてくるよ」
「ジェラ兄上、私に押し付けて自分は楽な方を取らないでよ」
「一緒に行ってもいいが、俺では解決できないから、役割分担だな」
ジェラ兄上、そんなにはっきりと断言しなくても・・・・。
結局、私とアトレ、ルーカス、ジョルジュ、マイヤーたち私専属護衛4人と一緒に、水源である岩を登って原因を調べることにした。
ヴァーシュが飲む水は、巨大な岩の割れ目から流れ落ちる清水である。
その巨大な岩は水槽のようにくり抜かれていて、その中にトラサンペという生き物がいる。
このトラサンペが水を美味しくしているのだ。
前回はカイル隊長の植物神の加護で木の枝を階段にして巨大岩を登ったが、今回はハミルトンが土魔法で階段を作ってくれた。
私も植物神の加護で木の枝を操れるが、土魔法の階段のほうが登りやすいからお願いした。
巨大岩に登って水の中をのぞくと、トラサンペの半分近くが黒色になっていた。
トラサンペって、大きさはピンポン玉ぐらいで、形は前世のマリモに似ているものだ。
「水質悪化の原因は、これだね」
「おそらく・・・・この黒色に変色したトラサンペを取り除かないといけないですね」
ジョルジュが私に同意しながらも、変色したトラサンペを見ていた。
「賛成だけど、この大量のトラサンペをどうやって仕分けしようか」
巨大岩の水は深い。
トラサンペを全部引き上げて仕分けするとなると、網が必要だな。
水魔法で以前網を作ったことがあるから、もう少し網目が小さいものもいける気がする。
「リーンハルト様、考え込まれていますが、どうされました?」
「マイヤー、水魔法で網を作ってトラサンペをすくおうと思ったけれど、仕分け台がない。どうしようか」
「土魔法で・・・ここは岩の上でしたね」
マイヤーの言葉に私がうなずいていたら、ハミルトンが提案してくる。
「リーンハルト様、登ってきた階段を壊してよければ、臨時で仕分け台作れますよ」
ハミルトンとカムエラで、1つは巨大岩からすくったトラサンペを入れる箱型の台。
もう1つは仕分け後のトラサンペをいれる水槽を2つ作ってもらった。
水槽の水はウィルソンが水魔法でいっぱいにした。
私は巨大岩の水の中で、水魔法を使い網目が小さい網を作り、トラサンペをすくいあげ、箱型の台の上に落とした。
「熱っ」
カムエラが声をあげた。
どうやらトラサンペを台の上に置いた時に散った水が熱かったらしい。
「トラサンペは変色したもの、普通のものも熱くはないです」
ウィルソンはトラサンペを触って確認したようだ。
ということは巨大岩の上の方の水がお湯になっているということのようだ。
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