異世界でゆるゆる生活を満喫す

葉月ゆな

文字の大きさ
426 / 491
【リーンハルト:11歳】

第495話 突き止める

前回、トラサンペの一部を持って帰った時にはなかった現象だ。

そうなると巨大岩の水の温度が変わったということだろうか?


私はしゃがんで巨大岩の水に手を入れようとしたら、マイヤーから止められる。

「リーンハルト様、私が確認します」

マイヤーが人差し指を巨大岩の水の中に入れ、確認してから肘ぐらいまで入れた。

「少し熱めのお風呂?温泉?の温度でしょうか。肘までですが同じ温度でした」


マイヤーの感想を聞いてから、私も巨大岩の水の中に手を入れる。

「原因は水の温度のようだね。ただトラサンペがいる辺りは、ぬるいお湯か、常温に近い水なのだろう」

私の言葉にジョルジュと4人の騎士がうなずく。

温度の上昇要因を探さないといけないが、まずはトラサンペの仕分けが先かな。


『ハルト、何かすることある?』

アトレは暇になると思ったのか私に聞いてきた。

「巨大岩に流れてくる水の源流が、どこにあるか調べて欲しい」

私のお願いに、アトレとルーカスは探すと言って離れて行った。



トラサンペの仕分け作業をしていたら、ジェラ兄上とカイル隊長が巨大岩の上に登って来た。

「ハルト、巨大岩にかけた階段が崩れていたから心配したぞ」

ジェラ兄上たちはトーロスを無事に回収して帰ってきたが、巨大岩にかけた階段が崩れていて、何かあったのかと心配したようだ。

私は変色したトラサンペの仕分けと、巨大岩の水の一部がお湯になっているらしいことを伝えた。


「トラサンペの仕分けは、応援を呼んだほうがいいだろう」

カイル隊長もジェラ兄様の意見に賛成のようで、応援を呼びに下へ降りていった。


「ハルト、原因を突き止めたぞ」

ルーカスが自慢げに言いながら私の肩に止まり、アトレは赤い玉を口に咥えていたが、岩に落とした。

『ハルト、これがたくさん浮いていてね、これがいるところは湯気が出ているよ』

アトレが詳しく教えてくれた。


熱くはないとアトレが言うので、赤い玉みたいなのを持ってみると、大きさは直径7センチぐらいで、トラサンペに似ているが藻?糸?が赤色だった。

さらにルーカスの話だと、この赤い玉はトラサンペと同じ奇麗な水と太陽の光を好むらしい。

トラサンペは水の中にいるからダイレクトに日光が当たるわけではないが、赤い玉は水の表面に浮かんで直接日光に当たり、吸収した太陽熱を水の中に放出するようだ。


「ルーカス、この赤い玉の名前は?」

「忘れた」

「アトレは?」

『初めて見たし、知らないよ』



カイル隊長が下にいた隊員を呼んできたので、トラサンペの仕分けを任せ、私とジェラ兄様、マイヤーたちで、赤い玉がいる場所へ行くことにした。

アトレたちに案内された場所は、巨大岩の端で崖になっているところだった。

よく見るとこの崖に湧水が流れていて、巨大岩に落ちているよう。

その湧水が流れているところにかたまって、赤い玉がたくさん浮いていた。


「ジェラ兄上、この赤い玉みたいな生き物をトラサンペと分けないよね」

「そうだな。土魔法で巨大岩の中に仕切るのが手っ取り早いか」

ジェラ兄上の案が1番簡単なのだけれど、お湯をどこに捨てるかという問題がでてくるんだよね。


ヴァーシュに了解を取ってかけ流しお風呂を作るか。

ジェラ兄上も私の案に賛成してくれたので、一度巨大岩を降りてヴァーシュに原因と対策を伝えると了承が出た。

カイル隊長たちにも方針を伝え、トラサンペの仕分けを急いで終わらせ、赤い玉の生き物はジェラ兄様の風魔法で端に寄せる。


2つの作業が終わるとハミルトンとカムエラ、他土魔法が得意な騎士たちで、巨大岩の3/4と1/4になる境目に、土魔法で水面から5センチほど上が出るように仕切り壁を作る。

だけどここは岩だし周辺も崖だから、仕切り台とかで使っていた土を使ったが足りなかった。

だから下から土を調達しながらだったので大変そうだった。

そして仕切り壁が完成すると、1/4の方にも水が流れるように、流れている湧水に近い仕切り壁の端の方に穴を数か所開ける。

3/4の方には氷魔法で水を冷やしてから緑色のトラサンペを入れた。


残ったのは黒色に変色したトラサンペだ、量は普通のトラサンペと半々だった。

私は黒色のトラサンペを1つ手に取り藻?糸?のようなものを引っ張ると、黒色っぽいものはバラバラになって落ちてしまった。

残念ながら死んでしまっているようだ。

巨大岩から降りて黒色のトラサンペは、ヴァーシュに指定された土地に穴を掘り燃やして埋めた。


そして今度は土魔法が使える者に、巨大岩の赤い玉がいる付近に、ヴァーシュが4、5頭は入れる露天風呂というか、温水プールみたいなものを作ってもらう。

ヴァーシュが入りやすいように左右の端の外側、内側共に傾斜をつけている。

あとはかけ流しにするための溝などお任せして作ってもらった。

今日は土魔法、大活躍だね。


夕方になりヴァーシュの指定する場所で野営をする。

時間が出来たので、ジェラ兄上に頼んでトーロスを見せてもらった。

見た目はヴァーシュとほぼ一緒、でも皮の色はよくわからなかった。

時間帯が悪かったみたい。


急に思いついたというか思い出したため、石板を取り出して、トーロスにかざして見せると1冊の本がヒットした。

私の図書館の加護に実物を石板にかざすと、石板に収められている該当本を検索できることを思い出して試してみたのだ。

3つの加護があるから正直何ができるかわからなくなってきている。

できたら各ランクごとの一覧がほしい。

自分がメモっておけばよかったが、そんなことは全く思いつかなかったし・・・・もしまた賢者神に会うことが出来たらお願いしてみようかな?

話はそれたが、ヒットした本を読むことにした。
感想 34

あなたにおすすめの小説

(完)妹の子供を養女にしたら・・・・・・

青空一夏
恋愛
私はダーシー・オークリー女伯爵。愛する夫との間に子供はいない。なんとかできるように努力はしてきたがどうやら私の身体に原因があるようだった。 「養女を迎えようと思うわ・・・・・・」 私の言葉に夫は私の妹のアイリスのお腹の子どもがいいと言う。私達はその産まれてきた子供を養女に迎えたが・・・・・・ 異世界中世ヨーロッパ風のゆるふわ設定。ざまぁ。魔獣がいる世界。

悪役令嬢にされたので婚約破棄を受け入れたら、なぜか全員困っています

かきんとう
恋愛
 王城の大広間は、いつも以上に華やいでいた。  磨き上げられた床は燭台の光を反射し、色とりどりのドレスが揺れるたびに、まるで花畑が動いているかのように見える。貴族たちの笑い声、楽団の優雅な旋律、そして、ひそやかな噂話が、空気を満たしていた。  その中心に、私は立っていた。  ――今日、この瞬間のために。 「エレノア・フォン・リーベルト嬢」  高らかに呼ばれた私の名に、ざわめきがぴたりと止む。

公爵令嬢は結婚式当日に死んだ

白雲八鈴
恋愛
 今日はとある公爵令嬢の結婚式だ。幸せいっぱいの公爵令嬢の前に婚約者のレイモンドが現れる。 「今日の結婚式は俺と番であるナタリーの結婚式に変更だ!そのドレスをナタリーに渡せ!」  突然のことに公爵令嬢は何を言われたのか理解できなかった。いや、したくなかった。 婚約者のレイモンドは番という運命に出逢ってしまったという。  そして、真っ白な花嫁衣装を脱がされ、そのドレスは番だという女性に着させられる。周りの者達はめでたいと大喜びだ。  その場所に居ることが出来ず公爵令嬢は外に飛び出し……  生まれ変わった令嬢は復讐を誓ったのだった。  婚約者とその番という女性に 『一発ぐらい思いっきり殴ってもいいですわね?』 そして、つがいという者に囚われた者の存在が現れる。 *タグ注意 *不快であれば閉じてください。

私から略奪婚した妹が泣いて帰って来たけど全力で無視します。大公様との結婚準備で忙しい~忙しいぃ~♪

百谷シカ
恋愛
身勝手な理由で泣いて帰ってきた妹エセル。 でも、この子、私から婚約者を奪っておいて、どの面下げて帰ってきたのだろう。 誰も構ってくれない、慰めてくれないと泣き喚くエセル。 両親はひたすらに妹をスルー。 「お黙りなさい、エセル。今はヘレンの結婚準備で忙しいの!」 「お姉様なんかほっとけばいいじゃない!!」 無理よ。 だって私、大公様の妻になるんだもの。 大忙しよ。

結婚式の翌朝、夫に「皇太子の愛人だろう」と捨てられました――ですが私は、亡き国王の娘です

柴田はつみ
恋愛
母の遺した薬草店を守りながら、慎ましく暮らしていたアンリ。 そんな彼女に求婚してきたのは、国内でも名高い騎士にして公爵家当主、アルファだった。 真っすぐな想いを向けられ、彼を信じて結婚したアンリ。 けれど幸せなはずの結婚式の翌朝、夫は冷たく言い放つ。 「君を愛していると本気で思っていたのかい? 」 彼はアンリが第一皇太子と深い仲にあり、自分との結婚は身を隠すための偽装だと誤解していたのだ。 アンリは実は、亡き国王の婚外子。 皇太子にとっては、隠して守らなければならない妹だったのである。

私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました

放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。 だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。 「彼女は可哀想なんだ」 「この子を跡取りにする」 そして人前で、平然と言い放つ。 ――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」 その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。 「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」

スキルが農業と豊穣だったので追放されました~辺境伯令嬢はおひとり様を満喫しています~

白雪の雫
ファンタジー
「アールマティ、当主の名において穀潰しのお前を追放する!」 マッスル王国のストロング辺境伯家は【軍神】【武神】【戦神】【剣聖】【剣豪】といった戦闘に関するスキルを神より授かるからなのか、代々優れた軍人・武人を輩出してきた家柄だ。 そんな家に産まれたからなのか、ストロング家の者は【力こそ正義】と言わんばかりに見事なまでに脳筋思考の持ち主だった。 だが、この世には例外というものがある。 ストロング家の次女であるアールマティだ。 実はアールマティ、日本人として生きていた前世の記憶を持っているのだが、その事を話せば病院に送られてしまうという恐怖があるからなのか誰にも打ち明けていない。 そんなアールマティが授かったスキルは【農業】と【豊穣】 戦いに役に立たないスキルという事で、アールマティは父からストロング家追放を宣告されたのだ。 「仰せのままに」 父の言葉に頭を下げた後、屋敷を出て行こうとしているアールマティを母と兄弟姉妹、そして家令と使用人達までもが嘲笑いながら罵っている。 「食糧と食料って人間の生命活動に置いて一番大事なことなのに・・・」 脳筋に何を言っても無駄だと子供の頃から悟っていたアールマティは他国へと亡命する。 アールマティが森の奥でおひとり様を満喫している頃 ストロング領は大飢饉となっていた。 農業系のゲームをやっていた時に思い付いた話です。 主人公のスキルはゲームがベースになっているので、作物が実るのに時間を要しないし、追放された後は現代的な暮らしをしているという実にご都合主義です。 短い話という理由で色々深く考えた話ではないからツッコミどころ満載です。

「貧相な小娘」と罵った第一王子へ。番(つがい)は貴方ではなく、国王陛下(お父様)でした

しえろ あい
恋愛
「お父様、わたくし、あの方と目が合った瞬間、分かってしまったのです」 十六歳のデビュタントの夜、ルーセント侯爵令嬢フェリシアを待っていたのは、残酷な罵倒だった。第一王子カシウスは、可憐な白いドレスを纏った彼女を「貧相な小娘」と呼び、己の番(つがい)であることを真っ向から否定する。 会場に響く冷笑と、愛用の刺繍に込めた自信さえ打ち砕くような屈辱。しかし、絶望の淵に立たされた彼女を見つめていたのは、王子ではなく、圧倒的な威厳を放つ「ある男」だった。 魂を焦がすような熱い視線が重なり、静まり返る謁見の間。この出会いが、王室を揺るがす大事件の幕開けになるとは、まだ誰も知らない。自身の価値を否定された少女が、真実の愛によって世界で最も幸福な王妃へと駆け上がる、逆転溺愛ストーリー。 ※小説家になろう様にも投稿しています※