異世界でゆるゆる生活を満喫す

葉月ゆな

文字の大きさ
439 / 491
【リーンハルト:11歳】

閑話 新街の催し(2)

終わりませんでした。

お話し続きます。

閑話は本編とは関係ないお話しになります。

.。o○ .。o○ .。o○ .。o○ .。o○ .。o○ .。o○ .。o○


新たに乗ってきた家族は、ボガーツさんという家族4人の一家だった。

そしてこの荷馬車は、黄金の翼という冒険者パーティが、御者兼護衛だと挨拶してくれた。

ボガーツさんとお互いの自己紹介をする。


ボガーツさんは商人で、日用品を主に取り扱っていて、ご領主様から依頼されたものを村からご領主様へ届けたりしているそうだ。

黄金の翼という冒険者パーティと、ボガーツさんは顔見知りで、ご領主様案件の際に護衛を受けてもらっていると教えてくれた。

黄金の翼の男性、セーラムさんとグレゴリーさん2人が御者席に、荷馬車内はウィルさん、アリーさん、リンカさんが乗り込み、荷馬車は領都を出発した。



「ウィルさんたち、何で護衛しているの?」

カナルと言うボガーツさんの息子さんが、親しげに冒険者に話しかけているが、言葉がおかしいと思うのは私の気のせいかしら?

「今回、俺たちも参加者側なんだが、行き帰りぐらい手伝えって冒険者ギルド長に言われてさ」

「そうよ、今回は参加者なのにひどいわよね。人使いが荒いのだから、嫌になっちゃうわ!」

アリーさんという女性も返答していた。


「ごめんなさいね。話が見えないわよね」

私やベラが、戸惑っていることに気づいたリンカさんが詳細を教えてくれる。

どうやら黄金の翼は、ご領主様案件を受けることが多い冒険者パーティらしく、今回の催しの参加者に加われたのだそう。


カナル少年からの質問が続く。

「アリーさん、今回はって、この催しの参加、今回が初めてではないの?」

「カナル、私たちは第1回目の時に護衛で行ったのよ。だからレクリエーションには半日だけ参加できたの。だから内容を知りたかったら教えるわよ」

アリーさんが、話したそうにうずうずしていた。


「いいよ、楽しみがなくなるから聞かない」

カナルの言葉にアリーさんはがっかりしていた。

「そういえばハルトがさ、この荷馬車の長椅子を折り畳み式に改造したんだって。座り心地が他の固定の長椅子と比べて、不便だったら教えて欲しいと言っていたから、帰りに感想聞かせてよ」

「えっ、そうなの?」

「わからなかったよ」

アリーさんとウィさんが同時に反応して、少し遅れてからリンカさんが話し出す。


「椅子は固定されているのに折り畳み式なの?」

「留め金を外せば、座っている部分が取り外せるらしいよ」

カナル君が話しているハルトって誰なのかしら?

私とベラは興味津々で黙って会話を聞いている。


「なんで折り畳み式の椅子が必要なの?」

「アリーさん、これは画期的だよ」

カナル君の父親のナットさんが説明を始める。


人を乗せるときは椅子を設置して、人を乗せないときは荷馬車として最大限に活用する。

固定椅子を設置していたら、その分乗せる荷物が少なくなる。

それが場合によって変更できるようになると、荷馬車をより効率的に活用できるとのこと。

確かに私たちは荷馬車に乗ることもないから、何とも思わなかったけれど、商人のナットさんが言うのだから間違いはないわね。


さらにカナル君とアリーさんの話は続く。

「ハルトがさ、今回は主催者側ではなく参加する予定なんだって。でも親戚が結構来るから変更になるかもとも言っていた」

「リーンハルト様、今回参加者側なの?」

「うん、アトレとルーカスと一緒に遊ぶって言っていたよ」


リーンハルト様?

アトレとルーカスって、ご領主様のご子息様と従魔様たちの名前ではないの!!

私たちが聞いていい会話なのかしら?

しかもハルトって呼び捨てにできるなんて、カナル君はご子息様とどういう関係なのだろう。


「ご親戚の方って、大判焼き祭りに参加された方たちよね、きっと」

「たぶん、ハルトみたいに気さくな方たちだった」

彼らは噂に聞く大判焼き祭りにも参加したとなると、ご領主様に本当に近い関係者なのだと思う。

話の続きが気になったけれど、休憩したあとはダンジョンの話などで聞くことができなかった。


ただどちらの話も、普段は聞くことができない話ばかりで聞いていて楽しかった。

子供たちも騒ぎもせずに話を聞いていたので同じ気持ちだと思う。

昼過ぎに新街についた。




正門をくぐって目に入ってきたのは、ここはいったいどこ?と言いたくなるところだった。

建物はすべて3階建てで高さは一緒だけど、横幅は大小さまざま。

すべての建物は真っ白い壁で統一されていて、屋根や窓枠、ドアが鮮やかな様々な色で塗られている。

子供たちは可愛いと連呼している。

そして遠くに白い煙がモクモクと立ちのぼっている。


リンカさんが教えてくれたのは、両隣の建物と同じ色は禁止になっていること、ドア横の壁にある番号が建物の番地だということ。

ただ仮の番地だから、次回来た時は変更になっている可能性があると言う。

この番地で自分が泊まる建物がわかるようになっているらしい。

なるほど、ドアや屋根などの色が違っても、同じような色は転々とあるし、区別がつかないからわかりやすいようにということみたい。


広場で馬車を降りると、先ほど見た白い煙が広場の中央から立ち上がっている。

また柵があるため近寄れないが藁小屋が密集していた。

アリーさんが、この柵の中に温泉源があり、湧き出るお湯が配管で各温泉施設と繋がっているらしいこと。

またこの温泉で作った温泉卵を使った料理と、ゆで卵・・・・味がついていて塩がいらないから是非食べた方がいいと、温泉卵の料理が食べられるお店と温泉ゆで卵を販売しているお店を教えてくれた。


子供たちの目線は、お店の外に並べられた品物を見ていて行きたそうにしている。

でもこれから泊まる建物へ案内されるため、しっかりと子供たちの手を握る。

黄金の翼に案内された建物の番号を、旅の栞の見開きに書く欄があるから書くことをセーラムさんから勧められる。


それからセーラムさんから注意事項を聞く。

私たち3家族と黄金の翼は、みんな3階の部屋。

ただ、アリーさんとリンカさんは、リンカさん家族と別の建物になるらしく、男性3人だけだそう。

それでも同じ階に見知った人がいたら何かあった時に心強い。


2階は別のグループがいるため、必ず内鍵を掛けること、外出する際は荷物すべてマジックバッグに入れて持ち歩くように言われた。

困ったことがあれば、オレンジ色のドアの建物が役場なので相談したらいいと、しおりにある地図で場所まで教えてくれた。


私とベラは3階の奥の2部屋、その横がボガーツさん家族、階段そばの部屋が黄金の翼の部屋割りだった。

反対側の広い部屋は使う予定がないそうだ。

部屋に入ると板張りで何もない部屋だった。

親子3人、寝るだけの部屋にしては広いけれど、夜子供たちが寝るまでの間遊ぶことができそうでよかったと思う。

子供たちに少し休むか聞くと、お腹がすいたから早く外に行きたいとせがむので、ベラたち家族を誘ってお昼を食べに行くことにした。
感想 34

あなたにおすすめの小説

(完)妹の子供を養女にしたら・・・・・・

青空一夏
恋愛
私はダーシー・オークリー女伯爵。愛する夫との間に子供はいない。なんとかできるように努力はしてきたがどうやら私の身体に原因があるようだった。 「養女を迎えようと思うわ・・・・・・」 私の言葉に夫は私の妹のアイリスのお腹の子どもがいいと言う。私達はその産まれてきた子供を養女に迎えたが・・・・・・ 異世界中世ヨーロッパ風のゆるふわ設定。ざまぁ。魔獣がいる世界。

悪役令嬢にされたので婚約破棄を受け入れたら、なぜか全員困っています

かきんとう
恋愛
 王城の大広間は、いつも以上に華やいでいた。  磨き上げられた床は燭台の光を反射し、色とりどりのドレスが揺れるたびに、まるで花畑が動いているかのように見える。貴族たちの笑い声、楽団の優雅な旋律、そして、ひそやかな噂話が、空気を満たしていた。  その中心に、私は立っていた。  ――今日、この瞬間のために。 「エレノア・フォン・リーベルト嬢」  高らかに呼ばれた私の名に、ざわめきがぴたりと止む。

公爵令嬢は結婚式当日に死んだ

白雲八鈴
恋愛
 今日はとある公爵令嬢の結婚式だ。幸せいっぱいの公爵令嬢の前に婚約者のレイモンドが現れる。 「今日の結婚式は俺と番であるナタリーの結婚式に変更だ!そのドレスをナタリーに渡せ!」  突然のことに公爵令嬢は何を言われたのか理解できなかった。いや、したくなかった。 婚約者のレイモンドは番という運命に出逢ってしまったという。  そして、真っ白な花嫁衣装を脱がされ、そのドレスは番だという女性に着させられる。周りの者達はめでたいと大喜びだ。  その場所に居ることが出来ず公爵令嬢は外に飛び出し……  生まれ変わった令嬢は復讐を誓ったのだった。  婚約者とその番という女性に 『一発ぐらい思いっきり殴ってもいいですわね?』 そして、つがいという者に囚われた者の存在が現れる。 *タグ注意 *不快であれば閉じてください。

私から略奪婚した妹が泣いて帰って来たけど全力で無視します。大公様との結婚準備で忙しい~忙しいぃ~♪

百谷シカ
恋愛
身勝手な理由で泣いて帰ってきた妹エセル。 でも、この子、私から婚約者を奪っておいて、どの面下げて帰ってきたのだろう。 誰も構ってくれない、慰めてくれないと泣き喚くエセル。 両親はひたすらに妹をスルー。 「お黙りなさい、エセル。今はヘレンの結婚準備で忙しいの!」 「お姉様なんかほっとけばいいじゃない!!」 無理よ。 だって私、大公様の妻になるんだもの。 大忙しよ。

結婚式の翌朝、夫に「皇太子の愛人だろう」と捨てられました――ですが私は、亡き国王の娘です

柴田はつみ
恋愛
母の遺した薬草店を守りながら、慎ましく暮らしていたアンリ。 そんな彼女に求婚してきたのは、国内でも名高い騎士にして公爵家当主、アルファだった。 真っすぐな想いを向けられ、彼を信じて結婚したアンリ。 けれど幸せなはずの結婚式の翌朝、夫は冷たく言い放つ。 「君を愛していると本気で思っていたのかい? 」 彼はアンリが第一皇太子と深い仲にあり、自分との結婚は身を隠すための偽装だと誤解していたのだ。 アンリは実は、亡き国王の婚外子。 皇太子にとっては、隠して守らなければならない妹だったのである。

私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました

放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。 だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。 「彼女は可哀想なんだ」 「この子を跡取りにする」 そして人前で、平然と言い放つ。 ――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」 その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。 「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」

スキルが農業と豊穣だったので追放されました~辺境伯令嬢はおひとり様を満喫しています~

白雪の雫
ファンタジー
「アールマティ、当主の名において穀潰しのお前を追放する!」 マッスル王国のストロング辺境伯家は【軍神】【武神】【戦神】【剣聖】【剣豪】といった戦闘に関するスキルを神より授かるからなのか、代々優れた軍人・武人を輩出してきた家柄だ。 そんな家に産まれたからなのか、ストロング家の者は【力こそ正義】と言わんばかりに見事なまでに脳筋思考の持ち主だった。 だが、この世には例外というものがある。 ストロング家の次女であるアールマティだ。 実はアールマティ、日本人として生きていた前世の記憶を持っているのだが、その事を話せば病院に送られてしまうという恐怖があるからなのか誰にも打ち明けていない。 そんなアールマティが授かったスキルは【農業】と【豊穣】 戦いに役に立たないスキルという事で、アールマティは父からストロング家追放を宣告されたのだ。 「仰せのままに」 父の言葉に頭を下げた後、屋敷を出て行こうとしているアールマティを母と兄弟姉妹、そして家令と使用人達までもが嘲笑いながら罵っている。 「食糧と食料って人間の生命活動に置いて一番大事なことなのに・・・」 脳筋に何を言っても無駄だと子供の頃から悟っていたアールマティは他国へと亡命する。 アールマティが森の奥でおひとり様を満喫している頃 ストロング領は大飢饉となっていた。 農業系のゲームをやっていた時に思い付いた話です。 主人公のスキルはゲームがベースになっているので、作物が実るのに時間を要しないし、追放された後は現代的な暮らしをしているという実にご都合主義です。 短い話という理由で色々深く考えた話ではないからツッコミどころ満載です。

「貧相な小娘」と罵った第一王子へ。番(つがい)は貴方ではなく、国王陛下(お父様)でした

しえろ あい
恋愛
「お父様、わたくし、あの方と目が合った瞬間、分かってしまったのです」 十六歳のデビュタントの夜、ルーセント侯爵令嬢フェリシアを待っていたのは、残酷な罵倒だった。第一王子カシウスは、可憐な白いドレスを纏った彼女を「貧相な小娘」と呼び、己の番(つがい)であることを真っ向から否定する。 会場に響く冷笑と、愛用の刺繍に込めた自信さえ打ち砕くような屈辱。しかし、絶望の淵に立たされた彼女を見つめていたのは、王子ではなく、圧倒的な威厳を放つ「ある男」だった。 魂を焦がすような熱い視線が重なり、静まり返る謁見の間。この出会いが、王室を揺るがす大事件の幕開けになるとは、まだ誰も知らない。自身の価値を否定された少女が、真実の愛によって世界で最も幸福な王妃へと駆け上がる、逆転溺愛ストーリー。 ※小説家になろう様にも投稿しています※