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【リーンハルト:11歳】
閑話 新街の催し(4)
「この腕輪を付けたまま、この街を出ようとする人が出てきそうよね」
ベラも、この腕輪の秘密を売ろうとする人が現れるだろうと、私が思ったことと同じことを考えたようだった。
「新街から腕輪をつけたまま出ようとしたら、捕まる設定になっているので気をつけてくださいね」
受付の人が、顔は笑顔だけれど物騒なことを言っていた。
この1つの腕輪にいったいいくらかけたのだろうかと思い、少し身震いしてしまう。
あとロッカーの使い方が不明なら、近くにいる従業員がいるはずだから聞けること。
温泉の入り方については旅行のしおりを読んでいますか?とも尋ねられる。
「温泉に入る前に、体を洗う場所で体を洗うことですよね」
私が答えると、受付の人はうなずく。
「はい、そして洗い場所から離れるときは、次の人が使いやすいように、お湯や水で桶や椅子を洗い流して下さいね」
そして右に進めば女湯で、左に進めば男湯らしく、ここでボガーツさんに、私とベラは息子を託した。
温泉から出た後の待ち合わせ場所として、受付の左奥に長椅子がたくさん置かれているところで決まった。
そして私たちはボガーツさんの奥さんと一緒に女湯に向かう。
女湯と書かれた生地が垂れ下がっていて、生地を手でよけて進むと、廊下はまっすぐで道の行き止まりの右側に2つのドアがあるが、ドアノブがどちらにもついていなくて戸惑ってしまった。
私が片方のドアを手で触ると横に動いたため、びっくりして手をドアから離す。
どうやらドアは横にスライドするらしく、どちらのドアからでも入れるものだった。
中に入ると縦に細長いロッカーがたくさん置いてある。
自分の番号のロッカーを見つけ、ロッカーに腕輪をかざしたが、ロッカーのドアが開かなかった。
すると隣で着替えていた人が、四角い黒くなった部分にかざすと教えてくれる。
「私も同じで、わからなかったから大丈夫だよ」
女性は私の方を向いて、口元に手を当てコソコソ話しのように話してくれた。
教えてもらった場所に腕輪をかざすとロッカーのドアが開く。
すごすぎる!!
庶民の温泉施設に、こんな高価な魔導具をふんだんに使っていいのだろうか?
でも私たちにとっては大事なものを預けるのだから、安心して温泉に入れるから嬉しい。
ロッカーの内部は、上に棚とその下に服を掛けられるハンガーが1つ入っている。
すごく考えられていて、温泉に入る前に驚くことが多すぎる。
温泉がある奥ドアを開けて入ると、すぐ左右に体を洗う場所があり、石鹸を泡立て体と髪をしっかり洗った後、温泉に浸かった。
普段は家でお湯のたらいで体を洗うか、簡単にお湯で体を拭く程度だ。
だから体をしっかり洗うことでさっぱりするし、しかもお湯に肩まで浸かり、足を伸ばせることが、こんなに気持ちがいいものだとは思わなかった。
思わずふーっと息を吐く。
「お母さん、領都にも温泉があればいいのにね」
娘が残念そうに私に声を掛けてきた。
私も同じ気持ちだ。しばらく入っていたら体が熱くなったので、温泉から出る。
今度は足だけ浸かれる足湯というところに行く。
ここは四角くなっていて縁が腰掛け代わりになっていた。
足湯のあともう一度温泉に浸かってから、風呂場から出たが、着替え終わった人が並んでいる場所があり、不思議に思っていたら、無料で髪を乾かしてくれると近くの女性が教えてくれる。
ロッカールームにいる従業員は、風魔法が使える人らしい。
私も風魔法が使えるので、自分と娘、ベラ親子とボガーツさんの奥さんの髪を乾かした。
待ち合わせ場所へ移動したが、息子たちはまだ来ていなかった。
周囲を見回すとカウンターがあり、水はお代わり自由と書かれたボードがある。
ただし、コップは各自持参か、レンタル代を払って木のコップを借りるようになっていた。
カウンターにいる男性従業員に、私は持参のコップ2つを差し出す。
「水はお代わり自由ですから、遠慮なく飲んでください。温泉に入った後は、水分補給が大事だそうです」
私は受け取った水を一口飲む。
「冷たくて、しかもお水が柔らかい?とにかく美味しいわ」
思わず出た私の言葉に、従業員が教えてくれる。
「この水はバンブス村の竹炭入りの水を、氷にしたものと常温水を混ぜています」
コップを持ったまま、空いている長椅子に座ろうとしたら、木の長椅子ではなく、何かで編んだもののようだった。
手で押してもしっかりしているのは確認したが、穴が開いているから恐る恐る座る。
しかし木の椅子よりも、断然座り心地がよかった。
もう一杯水のお代わりをカウンターにもらいに行った際に、従業員に椅子について尋ねる。
この長椅子はラナン村のラナンという植物で編んだもので、水を弾きやすく、水を吸っても乾燥が早いと教えてくれた。
世の中には知らない物があり、ご領主様は領内のことをよくご存じで、この街でいろいろな村の商品を使っているなと思いながらお水を飲んでいると、息子とボガーツさんたちもやって来た。
息子やボガーツさんたちもお水を飲んで落ち着いたところで、受付の魔導具で腕輪を外して、靴の木札を受け取り、温泉施設を出た。
そしてベラたちやボガーツさんたち一家と、一緒にバンブス村の店に行って竹炭を買おうという話になり、夕食もそのままバンブス村の蒸し料理を堪能する。
美味しい料理を食べながら、明日も温泉に入ろうと3家族の意見が一致して、一日が終わった。
ベラも、この腕輪の秘密を売ろうとする人が現れるだろうと、私が思ったことと同じことを考えたようだった。
「新街から腕輪をつけたまま出ようとしたら、捕まる設定になっているので気をつけてくださいね」
受付の人が、顔は笑顔だけれど物騒なことを言っていた。
この1つの腕輪にいったいいくらかけたのだろうかと思い、少し身震いしてしまう。
あとロッカーの使い方が不明なら、近くにいる従業員がいるはずだから聞けること。
温泉の入り方については旅行のしおりを読んでいますか?とも尋ねられる。
「温泉に入る前に、体を洗う場所で体を洗うことですよね」
私が答えると、受付の人はうなずく。
「はい、そして洗い場所から離れるときは、次の人が使いやすいように、お湯や水で桶や椅子を洗い流して下さいね」
そして右に進めば女湯で、左に進めば男湯らしく、ここでボガーツさんに、私とベラは息子を託した。
温泉から出た後の待ち合わせ場所として、受付の左奥に長椅子がたくさん置かれているところで決まった。
そして私たちはボガーツさんの奥さんと一緒に女湯に向かう。
女湯と書かれた生地が垂れ下がっていて、生地を手でよけて進むと、廊下はまっすぐで道の行き止まりの右側に2つのドアがあるが、ドアノブがどちらにもついていなくて戸惑ってしまった。
私が片方のドアを手で触ると横に動いたため、びっくりして手をドアから離す。
どうやらドアは横にスライドするらしく、どちらのドアからでも入れるものだった。
中に入ると縦に細長いロッカーがたくさん置いてある。
自分の番号のロッカーを見つけ、ロッカーに腕輪をかざしたが、ロッカーのドアが開かなかった。
すると隣で着替えていた人が、四角い黒くなった部分にかざすと教えてくれる。
「私も同じで、わからなかったから大丈夫だよ」
女性は私の方を向いて、口元に手を当てコソコソ話しのように話してくれた。
教えてもらった場所に腕輪をかざすとロッカーのドアが開く。
すごすぎる!!
庶民の温泉施設に、こんな高価な魔導具をふんだんに使っていいのだろうか?
でも私たちにとっては大事なものを預けるのだから、安心して温泉に入れるから嬉しい。
ロッカーの内部は、上に棚とその下に服を掛けられるハンガーが1つ入っている。
すごく考えられていて、温泉に入る前に驚くことが多すぎる。
温泉がある奥ドアを開けて入ると、すぐ左右に体を洗う場所があり、石鹸を泡立て体と髪をしっかり洗った後、温泉に浸かった。
普段は家でお湯のたらいで体を洗うか、簡単にお湯で体を拭く程度だ。
だから体をしっかり洗うことでさっぱりするし、しかもお湯に肩まで浸かり、足を伸ばせることが、こんなに気持ちがいいものだとは思わなかった。
思わずふーっと息を吐く。
「お母さん、領都にも温泉があればいいのにね」
娘が残念そうに私に声を掛けてきた。
私も同じ気持ちだ。しばらく入っていたら体が熱くなったので、温泉から出る。
今度は足だけ浸かれる足湯というところに行く。
ここは四角くなっていて縁が腰掛け代わりになっていた。
足湯のあともう一度温泉に浸かってから、風呂場から出たが、着替え終わった人が並んでいる場所があり、不思議に思っていたら、無料で髪を乾かしてくれると近くの女性が教えてくれる。
ロッカールームにいる従業員は、風魔法が使える人らしい。
私も風魔法が使えるので、自分と娘、ベラ親子とボガーツさんの奥さんの髪を乾かした。
待ち合わせ場所へ移動したが、息子たちはまだ来ていなかった。
周囲を見回すとカウンターがあり、水はお代わり自由と書かれたボードがある。
ただし、コップは各自持参か、レンタル代を払って木のコップを借りるようになっていた。
カウンターにいる男性従業員に、私は持参のコップ2つを差し出す。
「水はお代わり自由ですから、遠慮なく飲んでください。温泉に入った後は、水分補給が大事だそうです」
私は受け取った水を一口飲む。
「冷たくて、しかもお水が柔らかい?とにかく美味しいわ」
思わず出た私の言葉に、従業員が教えてくれる。
「この水はバンブス村の竹炭入りの水を、氷にしたものと常温水を混ぜています」
コップを持ったまま、空いている長椅子に座ろうとしたら、木の長椅子ではなく、何かで編んだもののようだった。
手で押してもしっかりしているのは確認したが、穴が開いているから恐る恐る座る。
しかし木の椅子よりも、断然座り心地がよかった。
もう一杯水のお代わりをカウンターにもらいに行った際に、従業員に椅子について尋ねる。
この長椅子はラナン村のラナンという植物で編んだもので、水を弾きやすく、水を吸っても乾燥が早いと教えてくれた。
世の中には知らない物があり、ご領主様は領内のことをよくご存じで、この街でいろいろな村の商品を使っているなと思いながらお水を飲んでいると、息子とボガーツさんたちもやって来た。
息子やボガーツさんたちもお水を飲んで落ち着いたところで、受付の魔導具で腕輪を外して、靴の木札を受け取り、温泉施設を出た。
そしてベラたちやボガーツさんたち一家と、一緒にバンブス村の店に行って竹炭を買おうという話になり、夕食もそのままバンブス村の蒸し料理を堪能する。
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