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【リーンハルト:11歳】
閑話 新街の催し(6)
借り物競争でゴール出来た人は、どら焼き1つがもらえるらしく、みんな声を張り上げてお題に合う人を探してゴールしていった。
私たち親子も全員ゴールすることが出来た。
レクリエーション大会は終了して、ベラたち親子と会場入り口で待ち合わせしていたボガーツさん一家と一緒に温泉に入りに行った。
今日は昨日とは違う温泉施設に入ったが作りは同じようだった。
温泉施設を出た後は、展覧会のお土産部門でお店を出していないものを集めた、ウエストランド商会運営の大きなお店に、3家族で行く。
1階のお土産品売り場にはたくさんの人がいて込み合ってはいるが、見て回ることはできそうだった。
工芸品は展覧会何位と書かれていたから、展覧会を見に行かなかった私たちとしては見るだけでも楽しい。
とある一角には、従魔様たちの物を扱ったお土産品が置かれていた。
色ガラスでそれぞれの従魔様たちの姿を表現したもの、布ではない生地で触ると固く、ぬいぐるみに似ているけれど違うもの。
リボンやハンカチに従魔様たちを刺繍しているもの、木のコップに描かれていたりと、様々なものが置いてあるが、どれも可愛い。
あと親子の従魔様たちは、別々ではなく一緒になっているものが多かった。
一つ一つ見ていると子供たちが欲しいと持ってきたのはメモ帳だった。
通常の藁半紙の1/4サイズぐらいの長方形で、藁半紙に薄いグレイ色?黒を薄めた色?で、それぞれの従魔様たちの姿が1枚ずつ薄く写っているものだった。
「これは使うのがもったいないわね」
「お母さん、従魔様たち全部9冊セットで1銅貨4鉄貨なんだ。ダメかな?」
なんでも1冊ずつだと2鉄貨らしい。
本来なら1銅貨8鉄貨なのに、セット買いすると1銅貨4鉄貨?
すごく安くないかしら?
ここでは日持ちするお菓子と従魔様たちのメモ帳をセット買いした。
ボガーツさん家族の買い物の量を見て私は驚いた。
ボガーツさん一家ってご領主様の依頼を受けるくらいだから、とても裕福なのかしら?
私たち親子やベラたち親子が来たことに気づいたカナル君が、私たちの視線の先に気づき話してくれる。
「実は父さんが行く2つの村から、お菓子や食べ物、安い小物類を買えるだけ購入してきて欲しいと頼まれているんだ」
なるほど、商人さんだからの話ね。
「それなら私たちもお世話になっているので、人数に入れてください」
私が申し出ると、ベラも頷く。
「温泉では息子の面倒を見てもらっていましたから、ここで恩返しではないですが、私たちも人数に入れてください」
「いや、しかし・・・・」
「父さん、ここは甘えようよ。2つの村の人たちだって楽しみにしているんだからさ」
渋るボガーツさんをカナル君が説得して、お菓子や小物類を追加購入した。
2階は食堂とのことで、3家族一緒に夕食を取ることにした。
ここで注文できる2種類の料理を頼み、家族で分けて食べる。
そして宿泊場所への帰り道もボガーツさんに協力して、料理店の店先でお弁当やおかずセットを購入しながら戻った。
翌朝、早く起きてお弁当を買いに3家族で出かける。
朝食べるものと、お昼に荷馬車休憩時に食べるために、気になったものを1つずつ購入していった。
それでもまだ興味を引くお弁当があり迷っていると、ボガーツさんから自身のマジックバッグは時間停止付きなので、今日の晩御飯分も購入してはどうかと提案してくれる。
帰ってから用意するのは大変だから、ありがたく申し出を受けた。
朝食を食べ、集合時間ギリギリまで散策してから荷馬車に乗り込み、領都へ戻るために移動が始まった。
「ニナ、温泉のおかげか、肌がスベスベになったように感じない?」
「ベラさん、そうなのよ。温泉入ると肌艶よくなるし、肌がスベスベなのよ。早く新街を開いて欲しいわ」
アリーさんが私たちの会話に加わり、温泉、レクリエーション大会、料理の話など、荷馬車内は新街の話で話題が尽きなかった。
そしてアリーさんが、1回目の催しの借り物競争で起こった出来事を教えてくれる。
【恋人、婚約者、夫または妻と手を繋いで走る】というお題があって、それを引いた独身男性が意中の女性に告白してOKされ、一緒に手を繋いで走ったということがあったらしい。
「それは……盛り上がったでしょうね」
「そうなのよ。しかもそのお題を出したのはリーンハルト様だったらしくて、彼らが結婚することになったら、新街のホテル宿泊にご招待するらしいわ」
「すごいですね」
私は感心していたが、アリーさんの話は続く。
「でね、そのお題は毎回3枚入っているらしいの。だから独身者で、そのお題を引いて告白するんだと言っていた人もいたの。でも彼ら以外は話を聞かなかったから、独身者が引かなかったのでしょうね」
アリーさんは残念そうに話していた。
「もしかしてアリーさん、自分が告白されたかったとか?」
カナル君が話に加わりツッコミをいれていた。
「ないない。私付き合っている人いるもん」
「「「えっ?」」」
アリーさんの言葉に、カナル君、リンカさん、ウィルさんが驚いていた。
リンカさんがアリーさんの肩を掴んでゆすっている。
「ちょっと、アリー聞いていないわよ!」
「付き合い始めたばかりだし、お互い忙しいから……いずれ紹介するわ」
リンカさんが問い詰めていたが、アリーさんは口をつぐんだままだった。
午後3時ごろに領都に着く。
この3日間は、今まで経験が出来なかったことばかりで本当に楽しかった。
馬車を降りて、黄金の翼とボガーツさん一家にお礼を言って別れる。
本当にいい人たちで、道中も楽しく過ごせた。
「ニナ、何年かかるかわからないけれど、お金を貯めてまた新街に一緒に来ましょうよ」
ベラの家族とそれぞれの自宅に向かって歩いている途中、ベラが言ってきた。
「そうね、私たちが行くことができるときには、だいぶ街も変わっているだろうけれど、それも楽しみだし、旅行を目標に仕事を頑張るわ」
~ 〇 ~ 〇 ~ ~ 〇 ~ 〇 ~ ~ 〇 ~ 〇 ~ ~ 〇 ~ 〇 ~
閑話が長くなってしまいましたが、お読みいただきありがとうございました。
次回から本編に戻ります。
私たち親子も全員ゴールすることが出来た。
レクリエーション大会は終了して、ベラたち親子と会場入り口で待ち合わせしていたボガーツさん一家と一緒に温泉に入りに行った。
今日は昨日とは違う温泉施設に入ったが作りは同じようだった。
温泉施設を出た後は、展覧会のお土産部門でお店を出していないものを集めた、ウエストランド商会運営の大きなお店に、3家族で行く。
1階のお土産品売り場にはたくさんの人がいて込み合ってはいるが、見て回ることはできそうだった。
工芸品は展覧会何位と書かれていたから、展覧会を見に行かなかった私たちとしては見るだけでも楽しい。
とある一角には、従魔様たちの物を扱ったお土産品が置かれていた。
色ガラスでそれぞれの従魔様たちの姿を表現したもの、布ではない生地で触ると固く、ぬいぐるみに似ているけれど違うもの。
リボンやハンカチに従魔様たちを刺繍しているもの、木のコップに描かれていたりと、様々なものが置いてあるが、どれも可愛い。
あと親子の従魔様たちは、別々ではなく一緒になっているものが多かった。
一つ一つ見ていると子供たちが欲しいと持ってきたのはメモ帳だった。
通常の藁半紙の1/4サイズぐらいの長方形で、藁半紙に薄いグレイ色?黒を薄めた色?で、それぞれの従魔様たちの姿が1枚ずつ薄く写っているものだった。
「これは使うのがもったいないわね」
「お母さん、従魔様たち全部9冊セットで1銅貨4鉄貨なんだ。ダメかな?」
なんでも1冊ずつだと2鉄貨らしい。
本来なら1銅貨8鉄貨なのに、セット買いすると1銅貨4鉄貨?
すごく安くないかしら?
ここでは日持ちするお菓子と従魔様たちのメモ帳をセット買いした。
ボガーツさん家族の買い物の量を見て私は驚いた。
ボガーツさん一家ってご領主様の依頼を受けるくらいだから、とても裕福なのかしら?
私たち親子やベラたち親子が来たことに気づいたカナル君が、私たちの視線の先に気づき話してくれる。
「実は父さんが行く2つの村から、お菓子や食べ物、安い小物類を買えるだけ購入してきて欲しいと頼まれているんだ」
なるほど、商人さんだからの話ね。
「それなら私たちもお世話になっているので、人数に入れてください」
私が申し出ると、ベラも頷く。
「温泉では息子の面倒を見てもらっていましたから、ここで恩返しではないですが、私たちも人数に入れてください」
「いや、しかし・・・・」
「父さん、ここは甘えようよ。2つの村の人たちだって楽しみにしているんだからさ」
渋るボガーツさんをカナル君が説得して、お菓子や小物類を追加購入した。
2階は食堂とのことで、3家族一緒に夕食を取ることにした。
ここで注文できる2種類の料理を頼み、家族で分けて食べる。
そして宿泊場所への帰り道もボガーツさんに協力して、料理店の店先でお弁当やおかずセットを購入しながら戻った。
翌朝、早く起きてお弁当を買いに3家族で出かける。
朝食べるものと、お昼に荷馬車休憩時に食べるために、気になったものを1つずつ購入していった。
それでもまだ興味を引くお弁当があり迷っていると、ボガーツさんから自身のマジックバッグは時間停止付きなので、今日の晩御飯分も購入してはどうかと提案してくれる。
帰ってから用意するのは大変だから、ありがたく申し出を受けた。
朝食を食べ、集合時間ギリギリまで散策してから荷馬車に乗り込み、領都へ戻るために移動が始まった。
「ニナ、温泉のおかげか、肌がスベスベになったように感じない?」
「ベラさん、そうなのよ。温泉入ると肌艶よくなるし、肌がスベスベなのよ。早く新街を開いて欲しいわ」
アリーさんが私たちの会話に加わり、温泉、レクリエーション大会、料理の話など、荷馬車内は新街の話で話題が尽きなかった。
そしてアリーさんが、1回目の催しの借り物競争で起こった出来事を教えてくれる。
【恋人、婚約者、夫または妻と手を繋いで走る】というお題があって、それを引いた独身男性が意中の女性に告白してOKされ、一緒に手を繋いで走ったということがあったらしい。
「それは……盛り上がったでしょうね」
「そうなのよ。しかもそのお題を出したのはリーンハルト様だったらしくて、彼らが結婚することになったら、新街のホテル宿泊にご招待するらしいわ」
「すごいですね」
私は感心していたが、アリーさんの話は続く。
「でね、そのお題は毎回3枚入っているらしいの。だから独身者で、そのお題を引いて告白するんだと言っていた人もいたの。でも彼ら以外は話を聞かなかったから、独身者が引かなかったのでしょうね」
アリーさんは残念そうに話していた。
「もしかしてアリーさん、自分が告白されたかったとか?」
カナル君が話に加わりツッコミをいれていた。
「ないない。私付き合っている人いるもん」
「「「えっ?」」」
アリーさんの言葉に、カナル君、リンカさん、ウィルさんが驚いていた。
リンカさんがアリーさんの肩を掴んでゆすっている。
「ちょっと、アリー聞いていないわよ!」
「付き合い始めたばかりだし、お互い忙しいから……いずれ紹介するわ」
リンカさんが問い詰めていたが、アリーさんは口をつぐんだままだった。
午後3時ごろに領都に着く。
この3日間は、今まで経験が出来なかったことばかりで本当に楽しかった。
馬車を降りて、黄金の翼とボガーツさん一家にお礼を言って別れる。
本当にいい人たちで、道中も楽しく過ごせた。
「ニナ、何年かかるかわからないけれど、お金を貯めてまた新街に一緒に来ましょうよ」
ベラの家族とそれぞれの自宅に向かって歩いている途中、ベラが言ってきた。
「そうね、私たちが行くことができるときには、だいぶ街も変わっているだろうけれど、それも楽しみだし、旅行を目標に仕事を頑張るわ」
~ 〇 ~ 〇 ~ ~ 〇 ~ 〇 ~ ~ 〇 ~ 〇 ~ ~ 〇 ~ 〇 ~
閑話が長くなってしまいましたが、お読みいただきありがとうございました。
次回から本編に戻ります。
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