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【リーンハルト:11歳】
第515話 挨拶
いつもお読みいただきありがとうございます。
気づくのが遅くなりましたが、いいね!100万超え、本当にありがとうございます。
最近私事が忙しくなり、更新が遅れ気味で申し訳ありません。
引き続きどうぞよろしくお願いしたします。
.。o○ .。o○ .。o○ .。o○ .。o○ .。o○ .。o○
2週間後、ランデル司教様と新任の司教様が2人で父上に挨拶にきた。
父上に私も同席するように言われたため一緒にいる。
応接室で対面した新任の司教様は、ユリウス大司教様と同年代か?
だから父上とも近い年齢ということになる。
眼鏡をかけていて表情は無表情、父上との会話はランデル司教様に任せていて、父上や私を値踏みしている感じもしない。
私としてはランデル司教様を押しのけて自分が・・・・だったり、我々に対して上から目線の人が来そうと身構えていたぶん、拍子抜けしている。
父上とランデル司教様の挨拶会話が終わると、サミュエル・レイモンド新司教だと紹介された。
「初めまして、ウエストランド領都の教会を任されることになりました。ランデル司教様が築き上げた信頼を壊さないように精一杯努めたいと思います」
サミュエル新司教様は軽く頭を私たちに下げ、それ以上我々に話かけてこなかった。
「くっ、くっ、くっ・・・」
「サミュエル、何が可笑しいのか?」
私―ランデルは馬車の反対側に座っているサミュエルに話しかけた。
「いえ、リーンハルト様の私に対しての警戒心が凄いなと思いまして。本人は一生懸命隠そうとしていらっしゃいましたが、隠しきれていなくて。つい思い出し笑いを・・・・」
「リーンハルト様は大人顔負けの政策をするとはいえ、まだ11歳の少年だぞ」
「ポーカーフェイスを装っていましたが、今回の人事異動に不満ですと誤魔化しきれていませんでした。ランデル司教様への信認の厚さ、とても感心いたします」
「サミュエル、嫌味か!」
「お分かりになりましたか、ランデル司教様、いえニコラス・メイナード元大司教様。まさかウエストランドで名前を変えてまで、司教として活動されていたとは!」
サミュエルは軽く頭を左右に振っていた。
役者ぶった仕草をして、私をいら立たせようという魂胆か?
「ふん、確信があったのだろう」
「そうですね。ユリウス大司教様が、2年ほど前にウエストランドへ寄り道されたと聞いた時は、リーンハルト様に会いに行ったと思いました。でもよくよく考えると違うと思いましてね」
あっさりとサミュエルは認めた。
サミュエルはユリウスの側近のひとりだ。
だからウエストランドの司教に、こやつが赴任してきたことに違和感がありすぎる。
「仕方なかろう、あの時の私は体調が優れず、大司教の激務に体がもたなかった。領主夫妻は私のことを知っているが、私のことを知られていない場所で、過ごすためにここに移ったに過ぎない」
「嘘ですね。約5年前ですか、リーンハルト様の魔力鑑定の1年前に異動された。神々から御神託があったのだと、今日確信しました」
わかっておるならいい加減、嫌味を止めてくれればよいのにと、私がため息をつくと、私の思いが伝わったのかサミュエルは続けて話し出す。
「これくらいの嫌味は聞いてください。本当に我々は苦労しているのです。聖人であり、しかも浄化の力も強い元大司教様が偉大すぎて、ユリウス様は心労続きです。そして元大司教様の側近の方々が、あなた様に追随して役職から降りたのも痛かった」
「そんなに教会内は割れているのか?」
サミュエルは否定も肯定もせずに黙ったままだった。
これ以上私に話す気はなさそうだから、話を変えることにする。
「そなたはいつまでここにいるつもりだ」
「さぁ、いつまででしょう?」
「サミュエル、何が目的だ」
「新街には疲労回復に効く温泉というものがあるとか。ランデル司教様は温泉に漬かって、体をいたわりながら、新街の教会で活動していただければよろしいのです」
「リーンハルト様に何かする気か?」
「疑われるとは悲しいですね。ただ私はウエストランドで神に仕えるだけです」
本当に食えないやつだ。
これ以上はサミュエルから情報を引き出すことは難しいだろう。
私が受けた御神託は、ウエストランドに愛し子がいること。
愛し子が好きなように生活できるように影で支えることが、この国の発展と大規模なスタンピードを防ぐことにつながると。
だからてっきり立場が弱い子だと思っていたら、リーンハルト様だと知った時には驚いたものだ。
しかし彼のおかげで、ホワイトドラゴンであるルーカス様にかかった呪いを解くことができた。
もしドラゴンの呪いを解けなければ、巨大な魔力だまりが発生し、大規模なスタンピートとこの国の半分以上の土地で作物が育たない状態になり、150年前の聖女様が降臨した時の状態になったはずなのだ。
私はまだリーンハルト様が幼いため、巨大な魔力だまりの発生する要因は、もっと後だろうと考えていた。
私が知った時には、すでに問題が解決してしまった後だったのが悔やまれる。
そしてリーンハルト様の浄化能力は私より高いと思うが、彼は自分の魔力に頼っていない。
彼がルーカス様の呪い解除に、聖水や自分の加護などを色々組み合わせて解決したと聞く。
このことから降臨された聖女様ほどの浄化力はないため、神々から加護が3つ与えられたのではないかと私は思っている。
ただ王家やウエストランドにも、150年前のことを記した文献があるはずなのだ。
しかしドラゴンが樹海に住み着いたと聞いても、王家もウエストランドも150年前のことが、話題に上らなかったため、知らないのではないかと疑っている。
一度ウエストランド伯とこの件で話をしたかったが、リーンハルト様のこともあり、私からは動きにくかった。
だから新街にいる前ウエストランド伯に極秘に話をしておこうと思う。
あと私の聖人としての力が凄いとサミュエルはいうが、それは現在いる聖人、聖女の中で浄化力が高いだけで、降臨された聖女様と比べるとはるかに弱い。
そして樹海にできる魔力だまりは、この国にいる聖人、聖女全員で浄化にあたっても解消できないものなのだ。
ただそのことを知っている者は少ない。
150年ほど前の話なのに、大規模なスタンピートのせいで作物が育たなくなったことを我が国の民は知らない。
大不作は原因不明となっていて、そのため聖女様が降臨され、土地を蘇らせたという話になっているからだ。
今回は解決したが、またどこかの時代で起こるだろうから、後世に伝えていく必要がある。
それにしてもユリウスの足を引っ張る輩が、教会内に多いということも困ったものだ。
気づくのが遅くなりましたが、いいね!100万超え、本当にありがとうございます。
最近私事が忙しくなり、更新が遅れ気味で申し訳ありません。
引き続きどうぞよろしくお願いしたします。
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2週間後、ランデル司教様と新任の司教様が2人で父上に挨拶にきた。
父上に私も同席するように言われたため一緒にいる。
応接室で対面した新任の司教様は、ユリウス大司教様と同年代か?
だから父上とも近い年齢ということになる。
眼鏡をかけていて表情は無表情、父上との会話はランデル司教様に任せていて、父上や私を値踏みしている感じもしない。
私としてはランデル司教様を押しのけて自分が・・・・だったり、我々に対して上から目線の人が来そうと身構えていたぶん、拍子抜けしている。
父上とランデル司教様の挨拶会話が終わると、サミュエル・レイモンド新司教だと紹介された。
「初めまして、ウエストランド領都の教会を任されることになりました。ランデル司教様が築き上げた信頼を壊さないように精一杯努めたいと思います」
サミュエル新司教様は軽く頭を私たちに下げ、それ以上我々に話かけてこなかった。
「くっ、くっ、くっ・・・」
「サミュエル、何が可笑しいのか?」
私―ランデルは馬車の反対側に座っているサミュエルに話しかけた。
「いえ、リーンハルト様の私に対しての警戒心が凄いなと思いまして。本人は一生懸命隠そうとしていらっしゃいましたが、隠しきれていなくて。つい思い出し笑いを・・・・」
「リーンハルト様は大人顔負けの政策をするとはいえ、まだ11歳の少年だぞ」
「ポーカーフェイスを装っていましたが、今回の人事異動に不満ですと誤魔化しきれていませんでした。ランデル司教様への信認の厚さ、とても感心いたします」
「サミュエル、嫌味か!」
「お分かりになりましたか、ランデル司教様、いえニコラス・メイナード元大司教様。まさかウエストランドで名前を変えてまで、司教として活動されていたとは!」
サミュエルは軽く頭を左右に振っていた。
役者ぶった仕草をして、私をいら立たせようという魂胆か?
「ふん、確信があったのだろう」
「そうですね。ユリウス大司教様が、2年ほど前にウエストランドへ寄り道されたと聞いた時は、リーンハルト様に会いに行ったと思いました。でもよくよく考えると違うと思いましてね」
あっさりとサミュエルは認めた。
サミュエルはユリウスの側近のひとりだ。
だからウエストランドの司教に、こやつが赴任してきたことに違和感がありすぎる。
「仕方なかろう、あの時の私は体調が優れず、大司教の激務に体がもたなかった。領主夫妻は私のことを知っているが、私のことを知られていない場所で、過ごすためにここに移ったに過ぎない」
「嘘ですね。約5年前ですか、リーンハルト様の魔力鑑定の1年前に異動された。神々から御神託があったのだと、今日確信しました」
わかっておるならいい加減、嫌味を止めてくれればよいのにと、私がため息をつくと、私の思いが伝わったのかサミュエルは続けて話し出す。
「これくらいの嫌味は聞いてください。本当に我々は苦労しているのです。聖人であり、しかも浄化の力も強い元大司教様が偉大すぎて、ユリウス様は心労続きです。そして元大司教様の側近の方々が、あなた様に追随して役職から降りたのも痛かった」
「そんなに教会内は割れているのか?」
サミュエルは否定も肯定もせずに黙ったままだった。
これ以上私に話す気はなさそうだから、話を変えることにする。
「そなたはいつまでここにいるつもりだ」
「さぁ、いつまででしょう?」
「サミュエル、何が目的だ」
「新街には疲労回復に効く温泉というものがあるとか。ランデル司教様は温泉に漬かって、体をいたわりながら、新街の教会で活動していただければよろしいのです」
「リーンハルト様に何かする気か?」
「疑われるとは悲しいですね。ただ私はウエストランドで神に仕えるだけです」
本当に食えないやつだ。
これ以上はサミュエルから情報を引き出すことは難しいだろう。
私が受けた御神託は、ウエストランドに愛し子がいること。
愛し子が好きなように生活できるように影で支えることが、この国の発展と大規模なスタンピードを防ぐことにつながると。
だからてっきり立場が弱い子だと思っていたら、リーンハルト様だと知った時には驚いたものだ。
しかし彼のおかげで、ホワイトドラゴンであるルーカス様にかかった呪いを解くことができた。
もしドラゴンの呪いを解けなければ、巨大な魔力だまりが発生し、大規模なスタンピートとこの国の半分以上の土地で作物が育たない状態になり、150年前の聖女様が降臨した時の状態になったはずなのだ。
私はまだリーンハルト様が幼いため、巨大な魔力だまりの発生する要因は、もっと後だろうと考えていた。
私が知った時には、すでに問題が解決してしまった後だったのが悔やまれる。
そしてリーンハルト様の浄化能力は私より高いと思うが、彼は自分の魔力に頼っていない。
彼がルーカス様の呪い解除に、聖水や自分の加護などを色々組み合わせて解決したと聞く。
このことから降臨された聖女様ほどの浄化力はないため、神々から加護が3つ与えられたのではないかと私は思っている。
ただ王家やウエストランドにも、150年前のことを記した文献があるはずなのだ。
しかしドラゴンが樹海に住み着いたと聞いても、王家もウエストランドも150年前のことが、話題に上らなかったため、知らないのではないかと疑っている。
一度ウエストランド伯とこの件で話をしたかったが、リーンハルト様のこともあり、私からは動きにくかった。
だから新街にいる前ウエストランド伯に極秘に話をしておこうと思う。
あと私の聖人としての力が凄いとサミュエルはいうが、それは現在いる聖人、聖女の中で浄化力が高いだけで、降臨された聖女様と比べるとはるかに弱い。
そして樹海にできる魔力だまりは、この国にいる聖人、聖女全員で浄化にあたっても解消できないものなのだ。
ただそのことを知っている者は少ない。
150年ほど前の話なのに、大規模なスタンピートのせいで作物が育たなくなったことを我が国の民は知らない。
大不作は原因不明となっていて、そのため聖女様が降臨され、土地を蘇らせたという話になっているからだ。
今回は解決したが、またどこかの時代で起こるだろうから、後世に伝えていく必要がある。
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