異世界でゆるゆる生活を満喫す

葉月ゆな

文字の大きさ
460 / 491
【リーンハルト:11歳】

第523話 期待したのになぁー

いつもお読みいただきありがとうございます。

異世界でゆるゆる生活~ 年内のアップは本日が最後になります。

今年1年、ありがとうございました。


今頃気づいたのですが、2025年小説アクセスランキングに「異世界ゆるゆる~」が第16位に入っていました。

皆様に読んでいただけたこと、本当に嬉しく感謝しかありません。

皆様もよいお年をお迎えください、そして来年も引き続きよろしくお願いいたしますm(__)m


.。o○ .。o○ .。o○ .。o○ .。o○ .。o○ .。o○





食堂から居間に移動して、セシリアも交えた家族だけでお茶をする。

「ハルト、ソースは作れないのか?」

セシリアが食堂での話を蒸し返してきた。


「無理だよ。食材も作り方もわからないから!」

私の前世の知識は中途半端なものだ。

知っていたらマヨネーズや醤油を含めて、もう作っているよと心の中で愚痴っていた。


『ハルトの加護:図書館で調べられない?』

アトレが私とセシリアの会話に入ってきた。

アトレの話だと、ダンジョンのドロップ品なら、どこの国とか場所が特定できるのではないか。

あとその地域でどういう風に料理に使われているとか。

もしかしたら研究している人がいるかもしれない。

もしわからなかったら、冒険者ギルドで野菜ダンジョンが、どこの国にあるか聞こうという。


アトレ、天才だ!作り方を知らなくても、実際にこのソースを使って料理しているところはあるはず。

もしソースが開発されているなら、この国で作れるように交渉すればいい。

ただ調べるには時間がかかるため、調べてから後日報告することになった。




部屋に戻り、石板の図書館検索で【野菜ダンジョン】と入力。

ヒットは2冊。ダウンロードして読み始める。


1冊目の内容は、どの国のどの領地に何のダンジョンがあるか書かれた本だった。

野菜ダンジョンはソレイユ帝国と接する北にある2か国を含め、北の地域にそれなりにあるみたいだ。 

2冊目の内容は、ダンジョン攻略本だった。

各ダンジョンごとでまとめられており、ある国の野菜ダンジョンのページを読むと、階層ごとにでる魔物や採れる野菜について書いてある本だったので途中で読むのをやめた。


次は【ダンジョンドロップ品一覧】で検索。34冊ヒット。

多すぎるので【ダンジョンドロップ品、野菜ダンジョン】でもう一度検索すると1冊だった。

「一冊か・・・少ないな」

我が国にはないダンジョンだから、書かれた本が少ないのかもしれない。


お好み焼きソースは、野菜ダンジョンの一部でドロップでき、低階層のボス部屋のドロップ品。

黒ソースと呼ばれ、代表的な料理は野菜炒めと書かれていた。

あとはドロップできるダンジョン名が記載されてるのみだった。

【黒ソース】【料理、黒ソース】等検索したがヒット0件だった。




翌日、温室でリアと昨日の結果の話をする。

「昨日の料理、美味しかったけれど、トンカツやフライは中濃ソースがわたくしの好みね」

「リア、君の好みはわかったけれど、作り方を知らないから無茶を言わないでよ」

「ソースって、野菜、果物、香辛料、砂糖、酢ではなかったかしら?」

「そこまで知っているなら作れるでは?」


私は期待したが、リアは首を左右に振る。

「トマートとリンーゴは使っているはず・・・あとは知らないわ」

結局振り出しに戻った。


「どうしてお好み焼きソースが、ダンジョンのドロップ品なのかしら?」

リアが普通ならウスターソースか中濃ソースからではないかと、お好み焼きソースはマニアックすぎないかと言う。

私は、セシリアが大量のキャベを保有していたから、ダンジョンを作ったであろう神様が、お好み焼き好きか、お好み焼きを知ったとかではないかと返答する。


「それって転移か転生前の日本人の頭の中を見て、美味しそうとか、再現して食べて美味しかったとかのパターンかしら?」

リアは前世の異世界小説で、お好み焼きではないが、似たようなパターンの本を読んだ気がすると言う。

聞かれても私は神様でもないからわからない。


この世界を創った神様の誰かがダンジョンを作った際に、お好み焼きを広めたくてドロップ品にしたと考えての、あくまでも予想だ。

でも本を読む限り広がっていないようだから、転移や転生した元日本人でないと、お好み焼きには、なかなかたどり着かないのだろうね。


「ねぇ、ドロップ品なのだから、そのダンジョンで採れる物でソースが作れるとかってないかしら?」

確かに・・・・エミニーラダンジョンだとドロップ品は鉱山資源だ。

ラファエルの領地の薬草と果物のダンジョンのボス部屋のドロップ品は、ポーションや高級果物とかだった。

リアの思い付きはあり得るかも。


「野菜オンリーではないダンジョンがあるということか!」

私は早速、野菜ダンジョンのドロップ品の本をもう一度読み直し、黒ソースがドロップされるダンジョン名を書き写した。

そして今度は野菜ダンジョンの本で、ダンジョン名ごとに何が採れるかを確認した。

すると3か所で野菜だけでなく、果物や香辛料も採れるダンジョンがあった。


3か所のダンジョンドロップ品を書き写し、机にダンジョンごとにメモした紙を並べ、3か所すべてにあるものだけに丸印をつけて、共通のものだけを別の紙に書き写した。

「野菜に果物、香辛料・・・これはソースの材料の可能性が高い!」

私はテンションが一瞬上がったが、メモを見ても、これ以上何も思い浮かばなかったから、リアにメモを渡す。


「わからないわ、あとデーツはこの国にもあるのかしら?」

リアは紙を見ながら、私に質問してきた。

「デーツ?ないかもしれない」

この国でデーツ見たことない気がする。

この国にない食材もあるということは、再現するのは難しいか?

結局、リアとの会話でもいい案は思い浮かばなかった。




翌日、料理長に頼んで大量に作ってもらった新作料理を、屋敷内の教会へお供えをしている。

こうなれば神頼みだ。

神様側の依頼を私はこなしているのだから、たまにはこちらのお願いも聞いてほしい。


料理を並べ終わると、私は膝をつき、頭を下げて祈る。

「新作料理です。どうぞお召し上がりください。できましたらお好み焼きソース、ウスターソース、中濃ソース・・・どれかここで作れるソースレシピをください」

祈り終わり顔をあげると、料理がすべて消えていたが、神様から声はかからなかった。



部屋に戻り、私はソファに腰掛け、背もたれに寄りかかる。

「ちょっと期待したのになぁー」

私はアトレとルーカスに愚痴る。


『ハルト、今まで神様からって、石板を使ってが多くなかった?』

アトレの言葉でハッとする。

そうだった、私は早速石板を取り出した。

感想 34

あなたにおすすめの小説

(完)妹の子供を養女にしたら・・・・・・

青空一夏
恋愛
私はダーシー・オークリー女伯爵。愛する夫との間に子供はいない。なんとかできるように努力はしてきたがどうやら私の身体に原因があるようだった。 「養女を迎えようと思うわ・・・・・・」 私の言葉に夫は私の妹のアイリスのお腹の子どもがいいと言う。私達はその産まれてきた子供を養女に迎えたが・・・・・・ 異世界中世ヨーロッパ風のゆるふわ設定。ざまぁ。魔獣がいる世界。

悪役令嬢にされたので婚約破棄を受け入れたら、なぜか全員困っています

かきんとう
恋愛
 王城の大広間は、いつも以上に華やいでいた。  磨き上げられた床は燭台の光を反射し、色とりどりのドレスが揺れるたびに、まるで花畑が動いているかのように見える。貴族たちの笑い声、楽団の優雅な旋律、そして、ひそやかな噂話が、空気を満たしていた。  その中心に、私は立っていた。  ――今日、この瞬間のために。 「エレノア・フォン・リーベルト嬢」  高らかに呼ばれた私の名に、ざわめきがぴたりと止む。

公爵令嬢は結婚式当日に死んだ

白雲八鈴
恋愛
 今日はとある公爵令嬢の結婚式だ。幸せいっぱいの公爵令嬢の前に婚約者のレイモンドが現れる。 「今日の結婚式は俺と番であるナタリーの結婚式に変更だ!そのドレスをナタリーに渡せ!」  突然のことに公爵令嬢は何を言われたのか理解できなかった。いや、したくなかった。 婚約者のレイモンドは番という運命に出逢ってしまったという。  そして、真っ白な花嫁衣装を脱がされ、そのドレスは番だという女性に着させられる。周りの者達はめでたいと大喜びだ。  その場所に居ることが出来ず公爵令嬢は外に飛び出し……  生まれ変わった令嬢は復讐を誓ったのだった。  婚約者とその番という女性に 『一発ぐらい思いっきり殴ってもいいですわね?』 そして、つがいという者に囚われた者の存在が現れる。 *タグ注意 *不快であれば閉じてください。

私から略奪婚した妹が泣いて帰って来たけど全力で無視します。大公様との結婚準備で忙しい~忙しいぃ~♪

百谷シカ
恋愛
身勝手な理由で泣いて帰ってきた妹エセル。 でも、この子、私から婚約者を奪っておいて、どの面下げて帰ってきたのだろう。 誰も構ってくれない、慰めてくれないと泣き喚くエセル。 両親はひたすらに妹をスルー。 「お黙りなさい、エセル。今はヘレンの結婚準備で忙しいの!」 「お姉様なんかほっとけばいいじゃない!!」 無理よ。 だって私、大公様の妻になるんだもの。 大忙しよ。

結婚式の翌朝、夫に「皇太子の愛人だろう」と捨てられました――ですが私は、亡き国王の娘です

柴田はつみ
恋愛
母の遺した薬草店を守りながら、慎ましく暮らしていたアンリ。 そんな彼女に求婚してきたのは、国内でも名高い騎士にして公爵家当主、アルファだった。 真っすぐな想いを向けられ、彼を信じて結婚したアンリ。 けれど幸せなはずの結婚式の翌朝、夫は冷たく言い放つ。 「君を愛していると本気で思っていたのかい? 」 彼はアンリが第一皇太子と深い仲にあり、自分との結婚は身を隠すための偽装だと誤解していたのだ。 アンリは実は、亡き国王の婚外子。 皇太子にとっては、隠して守らなければならない妹だったのである。

私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました

放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。 だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。 「彼女は可哀想なんだ」 「この子を跡取りにする」 そして人前で、平然と言い放つ。 ――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」 その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。 「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」

スキルが農業と豊穣だったので追放されました~辺境伯令嬢はおひとり様を満喫しています~

白雪の雫
ファンタジー
「アールマティ、当主の名において穀潰しのお前を追放する!」 マッスル王国のストロング辺境伯家は【軍神】【武神】【戦神】【剣聖】【剣豪】といった戦闘に関するスキルを神より授かるからなのか、代々優れた軍人・武人を輩出してきた家柄だ。 そんな家に産まれたからなのか、ストロング家の者は【力こそ正義】と言わんばかりに見事なまでに脳筋思考の持ち主だった。 だが、この世には例外というものがある。 ストロング家の次女であるアールマティだ。 実はアールマティ、日本人として生きていた前世の記憶を持っているのだが、その事を話せば病院に送られてしまうという恐怖があるからなのか誰にも打ち明けていない。 そんなアールマティが授かったスキルは【農業】と【豊穣】 戦いに役に立たないスキルという事で、アールマティは父からストロング家追放を宣告されたのだ。 「仰せのままに」 父の言葉に頭を下げた後、屋敷を出て行こうとしているアールマティを母と兄弟姉妹、そして家令と使用人達までもが嘲笑いながら罵っている。 「食糧と食料って人間の生命活動に置いて一番大事なことなのに・・・」 脳筋に何を言っても無駄だと子供の頃から悟っていたアールマティは他国へと亡命する。 アールマティが森の奥でおひとり様を満喫している頃 ストロング領は大飢饉となっていた。 農業系のゲームをやっていた時に思い付いた話です。 主人公のスキルはゲームがベースになっているので、作物が実るのに時間を要しないし、追放された後は現代的な暮らしをしているという実にご都合主義です。 短い話という理由で色々深く考えた話ではないからツッコミどころ満載です。

「貧相な小娘」と罵った第一王子へ。番(つがい)は貴方ではなく、国王陛下(お父様)でした

しえろ あい
恋愛
「お父様、わたくし、あの方と目が合った瞬間、分かってしまったのです」 十六歳のデビュタントの夜、ルーセント侯爵令嬢フェリシアを待っていたのは、残酷な罵倒だった。第一王子カシウスは、可憐な白いドレスを纏った彼女を「貧相な小娘」と呼び、己の番(つがい)であることを真っ向から否定する。 会場に響く冷笑と、愛用の刺繍に込めた自信さえ打ち砕くような屈辱。しかし、絶望の淵に立たされた彼女を見つめていたのは、王子ではなく、圧倒的な威厳を放つ「ある男」だった。 魂を焦がすような熱い視線が重なり、静まり返る謁見の間。この出会いが、王室を揺るがす大事件の幕開けになるとは、まだ誰も知らない。自身の価値を否定された少女が、真実の愛によって世界で最も幸福な王妃へと駆け上がる、逆転溺愛ストーリー。 ※小説家になろう様にも投稿しています※