異世界でゆるゆる生活を満喫す

葉月ゆな

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【リーンハルト:9歳】

第271話 マルス村(後編)

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いつもお読みいただきありがとうございます。

次の投稿は明日2月22日午前の予定です。

よろしくお願いいたします。

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クリス兄様が話しているところに割り込み

「養殖はできないのですか」

「養殖ですか」

「そう、川がそばにあるのだから、水の入れ替えはできる。何ならそのまま田んぼに流してもいいのでは」

「川エビの養殖場を通して田んぼに水を送るということですか」

「そう。ただ、冬場はできないから川に戻すようになるのかな」

「養殖するにしても餌がわかりませんし難しそうです」

「こちらでも調べてみるから検討してほしい」

「わかりました」

「ほかにはある?」

「えびせんを入れる袋に困っています」

藁半紙だと短時間ならいいが、長時間だと油が染みてしまうそうだ。

今まではどうしていたのか聞くと、家庭で作るから木の皿でよかったとのこと。

袋か、プラスチックないしなぁー。

問題ばかりだな。

まずは図書館の加護で川エビの生態を調べるか。



集会所の客室に案内された、今日寝る場所だ。

見学は明日なので石板を取り出し、川エビの餌と入力し検索すると3冊ヒットがあった。

3冊ならすぐ読めるな。

結論から言うと川の中にある水草や小魚、川周辺にいる小さな虫を食べているみたいだ。

雑食か。

川の水面付近にかたまっている虫を取る網も考えないといけない。

きめ細かい網か、・・・細い糸で織った布で虫取り網を作るとか、養殖するにも手間がかかりそうだ。


翌日、村長に川エビの生態について話をしたら、手間がかかるからか難しいかもしれないといわれた。

えびせんに頼らなくても村としてやっていけているようだしな。

最悪、海エビがたくさん獲れるならサウスコートに話を持っていくか。

でもなぁー、勿体ないよ。


とりあえず、状況確認で川に案内してもらうと川周辺に5体のスライムがいた。

「このスライムは」

「川の掃除をしてくれるスライムです」

「川の掃除?」

「はい、死んだ魚や繁殖し過ぎな水草、我々が捨てた川魚の骨とか内臓とかも食べてくれます」

「スライムが食べた後は液体?堆肥?」

「堆肥ですかね。あぁ、ちょうどスライムが堆肥らしきものをはき出しましたよ」

スライムの堆肥を拾うと前世でいうと金魚とかの餌っぽいものだった。

スライムの堆肥をできるだけ拾う。

みんな不思議そうにしているけれど説明はあとだ。


「村長、川エビが居そうなところに連れて行ってくれるかな」

「わかりました。最近数は減りましたが獲れる所はこちらです」

案内された場所に先程のスライムの堆肥(餌?)を全部撒いた。

すると川エビが水面に顔を出しすごいいきよいで食べている。

村長やクリス兄様たちが驚いて見ている。

私も喰いつきの良さに驚いているよ。


「村長、これで川エビの養殖の目途が立ったね」

村長は私の言葉で

「ありがとうございます。これなら養殖に手間がかからないので農業と両立できそうです」

弾んだ声で礼を言われた。

2人で喜んでいたら「ハルト説明をして」

私はクリス兄様たちに川の掃除屋スライムが食べるものと、川エビが好んで食べるものが一致していること。

なら、スライムがはき出した堆肥が川エビの餌にならないか確認したかったことを説明した。


「村長、あのスライムは村で管理したほうがいいよ」

「そうですね。昼間は自由に動き回ってもらい、夜は村に専用小屋を作ります」

「あとはスライムがはき出したものを拾って管理しないとね」

「はい、農作業ができないものでスライムの堆肥と川エビの管理をすれば養殖できそうです」

養殖に前向きになってくれてよかった。

あとはえびせんを入れる袋だな。

しかしスライムはやっぱり優秀だ。


「あのー、このことをミルス村にも伝えていいでしょうか」と村長が恐る恐る聞いてきた。

なんでもミルス村は村長の弟が起こした村でここから川沿いに南下して半日の所に村があるらしい。

村人の人数が増えて農地拡大することになり、管理のために村を分けたそうだ。

予選会と展覧会でえびせん作りも協力してもらっていたらしい。

「えびせん確保のためには必要だよ。ミルス村と協力して取り組んで欲しい」

「ありがとうございます」

しばらくは川エビを繁殖させることに力を入れてもらうので残念だが今回はえびせんを持ち帰ることはできなかった。

また近いうちに様子を見に来よう。
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