異世界でゆるゆる生活を満喫す

葉月ゆな

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【リーンハルト:10歳】

第344話 大きくなるのだよ

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いつもお読みいただきありがとうございます。

次の投稿は今日の午後の予定です。

よろしくお願いいたします。

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ウエストランドに戻ってきた。

クリス兄様とは普通に会話をしていたが、婚約と私が領主になる話についてはしなかった。

私に時間をくれたのだろうと思う。


いつもなら王都から帰って来た時は嬉しいはずなのに喜びも少ない。

ジョルジュも何か言いたげではあるがそっとしておいてくれている。

クリス兄様の婚約話はまだ内密だから侍従や侍女たちは知らないが、人払いした家族会議で何かあったことは気づいているはずだ。

しばらくはゆっくり過ごすか。



温室にいた私をローザがやってきて政務室に引っ張っていかれた。

「いったいどうしてゆっくりできると思えるのですか?仕事が溜まっていること解っていますよね」

政務官室の私の机に書類の入った箱をどんどん置いていく。

うーん、最近ローザも言うようになってきて、私に厳しい。

でも書類の量をみたら何も言えないから書類を片づけていく。


「何処かに任せられる人材いないかな」

「私も一人で裁くには限界の量になってきています」

ため息交じりにローザも言う。


「リーンハルト様、我々だけでは新街の仕事裁けません」

「私たちの上司のなる方がいたら嬉しいです」

ダミアンやロゼッタも同意してきた。


お祖父様には新街の建築関係と農家の受け入れを受け持ってもらっているから忙しい。

新街の住民募集の面談など任せられる人材が必要だな。


ベイルさんからココットの卵が孵化したが、孵化器が足りないからどうしたらいいかと相談の手紙がきた。

お菓子や新街の料理には卵と肉は必要だから雛はたくさん育てないといけない。

マリアに卵孵化器を至急追加で作ってもらわないといけないな。

あと羊毛も届いたらからフェルトの生地になるか試してもらおう。



1週間後、マリアが作った卵孵化器をもってヴァーシュの砦に向かう。

もし最初に預けた雛が大きくなっているようならココット牧場に預けることもしたい。

ココットの子供は何かあった時にすぐ駆け付けられる場所がいいから、缶詰工場見学をしたココット牧場にお願いする話がついている。

牧場主も子供ココットを見たことがないから興味津々ですぐに引き受けてくれた。

まぁ、養鶏できないか試してくれていた牧場だから話は早かった。


ココットの小屋周辺を7羽のココットの子供が動き回っている。

まだ大人ココットの半分か少し小さいぐらいまで成長していた。

前世の鶏ぐらいの大きさだ。

掌に乗っていた雛が、無事に育っているようでよかった。


「しばらく見ないうちに大きくなったね」

ベイルさんは嬉しそうに「はい、まだ7羽ですからいいですが、もっと数を増やすとなると手狭になりそうです」


「実は子供のココットは別の牧場に飼育をお願いしようと思っている」

「そうなのですか?」

「今のところ雛を育てられる環境はここしかないから、大人になるまでは別の牧場にお願いしようと思っている」


「そうなるとココットの餌であるドドリンの実とココツの実の問題が出てくるのでは?」

「ドドリンの実はココット牧場には植えてある。ココツの実は・・・・どうしようか」


大人ココットが壁に体当たりするぐらい好きな実だ、だけれどココツの実はこの周辺でしか育たない。

ベイルさんが言うには子供ココットはココツの実を毎日食べているそうだ。

ただ、自分たちでは採れないし、皮がむけないのでベイルさんたちが割った物をあげているとのこと。


「たくさん食べる?」

「いえ、一日7羽で、ココツの実を半分です」

樹海にいる大人ココットたちはどうかと聞くと、毎日は食べないみたいで、半分に割ったココツの実を地面に置いておいてもまったく食べない時もあるらしい。

「それなら牧場にココツの実を分けても持ちそうだ」

あとはココツの実をこの砦の周りに植えて増やせば安心だろう。


ココツの種は取ってあると聞いたので、植えて帰ることにした。

孵化した雛は20個中16個が孵化したようだ。


卵は毎日30~40個、しかし孵化しそうな卵は1日5個前後らしい。

残りの卵はベイルさん家族だけでは食べきれないらしく、ヴァーシュのミルクと一緒に新街の屋敷に納めてもらうことにした。


あと砦に出没するココットは毎日15羽前後。

朝来てドドリンの実を食べて満足して帰るそうだ。

その中の1、2羽がココツの実を食べるらしい。


ドドリンの実が主食で、ココツの実はデザートか?

たまに食べられたらよいということなのだろうか?

しかしよく観察してくれていて助かるよ。


「前よりも忙しくなってない」

「大丈夫です。搾乳時間が短縮されて、むしろ楽になりました」


ベイルさん一家にはグイドさんが作ったどら焼きとアイスクリームをお土産として渡す。

引き続き雛を孵化させて養鶏できるように頑張って貰わないといけないからね。


砦に植えてあるココツの実をマイヤーに風魔法で採って貰い、ココットの子供はスリープ草で眠らせて檻に入れて連れて帰えって、ココツの実と一緒に牧場に引き渡した。

大きくなるのだよ。
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