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【リーンハルト:11歳】
第444話 孤児院訪問
続いて宝石店、ガラス工房、バートン工房、紙問屋で同じように話をしたら喜ばれた。
紙問屋のメイソンさんは、いつも私が会いに行くと身構えるのに、今日は笑顔で出迎えてくれた。
それだけ大判焼き祭りは楽しみにしてくれているのがわかる。
孤児院には前もって連絡を入れていたので、院長先生、ショーンさん、レオン、マイクが待ってくれていた。
「孤児院の子供たち、すべてが参加してもよいのですか?」
私の話を聞いた院長先生はとても驚いていた。
「幼子は長時間の移動が厳しいかもしれないが、参加できる子は参加していいよ。みんな伝言板に貼るかわら版の管理や印刷など頑張ってくれているのでしょう。だから堂々と参加していいからね」
「・・・・ありがとうございます、ありがとうございます」
院長先生は少し涙声だった。
そこまで感動することか?喜んでくれているのならいいか。
「ここからは別件なのだけれど、マイク、版画でこれ出来る?」
私は4サイズぐらいの紙1枚に9枚のカードを描いているのをマイクに渡した。
「これは数字の9までしかないが、実際は13まで作るのと、図柄を4つ変えて作ってほしい。ただ図柄は誰でも一目見てわかる簡単な図柄がいい」
本当は前世のダイヤ、ハート、スペード、クローバーを使おうかと思ったけれど、どうしてこの図柄にしたのかと誰かに追及された時の言い訳を考えるのが面倒だったのだ。
「図柄は俺が考えていいのですか?」
数字を描いた紙を真剣に見ていたマイクが、私の言葉で見ていた紙から顔をあげた。
「もちろん、任せるよ。できそう?」
「やります!!」
マイクはなんかとっても嬉しそうな顔をする。
あとトランプの表紙のデザインと数字は赤と黒で各2つとお願いした。
「レオンが売れっ子になってしまって、正直羨ましかったんです。俺、頑張りますから!!」
なるほど、レオンの卓上カレンダーやお店の壁画、話題になっているからなぁー。
「あのー、お願いがあるのですが・・・・」
今まで黙っていたショーンさんが私に遠慮がちに話かけてきた。
ショーンさんの話は、家族は領内の村に住んでいるため、新街に行くことは難しい。
だから植木屋さんの店主一家と、一緒に参加してもいいかと聞いてきたのだ。
「今まで本当にお世話になっていますし、リーンハルト様もご存じなのでお願いしたいのです」
ショーンさんは、ソファーに座ったまま頭を下げてきた。
ショーンさんとしては、売れない画家時代を支えてくれた植木屋さん一家に、少しでも恩返しをしたいのかもしれない。
「いいけれど、新街に行くこと、喜ばれるの?」
「もちろんです。大判焼き祭りの話を聞いて、がっかりされていたので・・・・」
なんでも店主さんは、2度ほど私と会っているが、仕事の依頼を受けたわけではないから資格がない、残念だとすごくがっかりしていたらしい。
植木屋の店主さんには、ピーリを教えて貰ってアイスクリームのカップの対応が間に合ったし、世界樹の育成方法でも知恵を借りてずいぶん助けられている。
たから、誘ってくれていいが部屋代など旅費の一部は負担になることを説明したが、ショーンさんが構わないといってくれた。
「あの、私たちも旅費の一部を負担となると行くのは難しいです」
ショーンさんとの話を聞いていた院長先生が言った。
「孤児院の旅費は出すよ。ただし、滞在中の食事は自己負担が条件になる」
宿泊の部屋は、ベッドも何もないから毛布やマットなどは自分たちで用意が必要になること、詳細は政務官から連絡があると説明すると、院長先生はホッとしたようだった。
こうなると参加ルールを早急に決めて、各工房に連絡しないといけないようだ。
戻ったらローザたちと打ち合わせしないといけない。
翌日、ローザたちと大判焼き祭りの打ち合わせをする。
我が家の従業員の家族はどこまでにするか。自己負担はどうするか。
準備もあるから、来年の2月から3月にかけて何回開催するのかなど、決めだしたら次から次へと決めることが出てくる。
まるで展覧会のような忙しさだ。
ダミアンとロゼッタはまたかと渋い顔をしたが、今回は自分たちも参加者側として遊べる日があるとわかると張り切ってくれた。
ローザも楽しみですと言ってくれる。
私も全部に参加するのは難しいと思うから、本当に手分けをしてしないといけない。
本当にいい人材いないだろうか?
紙問屋のメイソンさんは、いつも私が会いに行くと身構えるのに、今日は笑顔で出迎えてくれた。
それだけ大判焼き祭りは楽しみにしてくれているのがわかる。
孤児院には前もって連絡を入れていたので、院長先生、ショーンさん、レオン、マイクが待ってくれていた。
「孤児院の子供たち、すべてが参加してもよいのですか?」
私の話を聞いた院長先生はとても驚いていた。
「幼子は長時間の移動が厳しいかもしれないが、参加できる子は参加していいよ。みんな伝言板に貼るかわら版の管理や印刷など頑張ってくれているのでしょう。だから堂々と参加していいからね」
「・・・・ありがとうございます、ありがとうございます」
院長先生は少し涙声だった。
そこまで感動することか?喜んでくれているのならいいか。
「ここからは別件なのだけれど、マイク、版画でこれ出来る?」
私は4サイズぐらいの紙1枚に9枚のカードを描いているのをマイクに渡した。
「これは数字の9までしかないが、実際は13まで作るのと、図柄を4つ変えて作ってほしい。ただ図柄は誰でも一目見てわかる簡単な図柄がいい」
本当は前世のダイヤ、ハート、スペード、クローバーを使おうかと思ったけれど、どうしてこの図柄にしたのかと誰かに追及された時の言い訳を考えるのが面倒だったのだ。
「図柄は俺が考えていいのですか?」
数字を描いた紙を真剣に見ていたマイクが、私の言葉で見ていた紙から顔をあげた。
「もちろん、任せるよ。できそう?」
「やります!!」
マイクはなんかとっても嬉しそうな顔をする。
あとトランプの表紙のデザインと数字は赤と黒で各2つとお願いした。
「レオンが売れっ子になってしまって、正直羨ましかったんです。俺、頑張りますから!!」
なるほど、レオンの卓上カレンダーやお店の壁画、話題になっているからなぁー。
「あのー、お願いがあるのですが・・・・」
今まで黙っていたショーンさんが私に遠慮がちに話かけてきた。
ショーンさんの話は、家族は領内の村に住んでいるため、新街に行くことは難しい。
だから植木屋さんの店主一家と、一緒に参加してもいいかと聞いてきたのだ。
「今まで本当にお世話になっていますし、リーンハルト様もご存じなのでお願いしたいのです」
ショーンさんは、ソファーに座ったまま頭を下げてきた。
ショーンさんとしては、売れない画家時代を支えてくれた植木屋さん一家に、少しでも恩返しをしたいのかもしれない。
「いいけれど、新街に行くこと、喜ばれるの?」
「もちろんです。大判焼き祭りの話を聞いて、がっかりされていたので・・・・」
なんでも店主さんは、2度ほど私と会っているが、仕事の依頼を受けたわけではないから資格がない、残念だとすごくがっかりしていたらしい。
植木屋の店主さんには、ピーリを教えて貰ってアイスクリームのカップの対応が間に合ったし、世界樹の育成方法でも知恵を借りてずいぶん助けられている。
たから、誘ってくれていいが部屋代など旅費の一部は負担になることを説明したが、ショーンさんが構わないといってくれた。
「あの、私たちも旅費の一部を負担となると行くのは難しいです」
ショーンさんとの話を聞いていた院長先生が言った。
「孤児院の旅費は出すよ。ただし、滞在中の食事は自己負担が条件になる」
宿泊の部屋は、ベッドも何もないから毛布やマットなどは自分たちで用意が必要になること、詳細は政務官から連絡があると説明すると、院長先生はホッとしたようだった。
こうなると参加ルールを早急に決めて、各工房に連絡しないといけないようだ。
戻ったらローザたちと打ち合わせしないといけない。
翌日、ローザたちと大判焼き祭りの打ち合わせをする。
我が家の従業員の家族はどこまでにするか。自己負担はどうするか。
準備もあるから、来年の2月から3月にかけて何回開催するのかなど、決めだしたら次から次へと決めることが出てくる。
まるで展覧会のような忙しさだ。
ダミアンとロゼッタはまたかと渋い顔をしたが、今回は自分たちも参加者側として遊べる日があるとわかると張り切ってくれた。
ローザも楽しみですと言ってくれる。
私も全部に参加するのは難しいと思うから、本当に手分けをしてしないといけない。
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