異世界でゆるゆる生活を満喫す

葉月ゆな

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【リーンハルト:11歳】

第447話 見込んで・・・

マイヤーの話だと、ウォータースパイダーが好んで食べる木の実があるらしく、その木々の周辺を縄張りにしているそうだ。

「ウォーターと名前がつくのだから、糸ではなく水で攻撃してくるの?」

「ウォータースパイダーの糸が、水で覆われているからです」

「その糸って、ネバネバしているとか?糸は回収しているの?」

「糸に触ったら水は落ちますね。あと滅多に遭遇しませんし、使い道もなくて回収していません」

アイススパイダーみたいに、絹糸とかに混ぜて布にすることができないのかな、それとも利用しにくい素材なのか。

ちょっと興味があるな。


アトレたちが岩の裂け目から戻ってきた。

そしてココットたちも自分たちの巣へ戻り始めていた。

アトレが私のところへきて、ココットの巣の中の状況を教えてくれる。

『ハルト、ウォータースパイダーはココットを襲うわけではなくて、相談にきたみたい』

「はい?相談?」

『ハルトとの仲介を頼みたかったみたいだよ』


アトレから聞いた話は、思ってもみなかった展開だ。

ウォータースパイダーって、知能が高いのか?しかも私に?

考え始めた私をアトレが、ウォータースパイダーたちに会いに行こうと急き立てる。

残るルーカスにみんなに説明してほしいと頼み、岩の裂け目を四つん這いで進むと、もふもふとした感触が頭に当たる。


顔を上げるとココットの女王のお腹だった。

前と同じお出迎え方法だ、これがココットの女王流の挨拶か?

ココットの女王と話をするため、私は立ち上がる。

「女王、元気そうでよかったね。リンーゴとミカーンの木は枯れたりしていない?」

するとココットの女王が、羽で奥を指す。

『見てくれればわかると言っているよ』


ココットの女王の案内で奥に進むと、天井のない場所に出た。

周囲はリンーゴ、ミカーン、ココツ、ドドリン、どれも木々にいっぱい実った状態だった。

リンーゴとミカーンってこの時期でも取れるものなのか?前もって調べておけばよかった。

またいつか確認にこよう。


「女王質問があるのだけれど・・・」

『ハルト、ウォータースパイダーたちが待っているよ。ココットもずっと彼らが居座るのは嫌だと思う』

女王に質問しようとしたらアトレに言葉を遮られた。

しょうがないからウォータースパイダーの話を聞いてからにするか。

「アトレ、ウォータースパイダーとは話ができるのか?」

『できないよ。だけど彼らと行動を共にしているアーグアとは話せるよ』

「アーグアって?」

『見ればわかる』


アトレとココットの女王に案内されて、ココツの木々の奥に進む、なんかあちこちらか視線を感じるようになった。

おそらくウォータースパイダーが、周辺の木々に散らばって隠れているのかもしれない。

するとある木からスルスルと降りてくる蜘蛛と、蜘蛛の上に乗った魔獣が私に近づいてきた。

蜘蛛は樹海で見る蜘蛛の1/4ぐらいの大きさだった。

普通の蜘蛛よりはるかに大きいが、樹海の蜘蛛だと小さいから、他から狙われやすいというのはわかるな。

そして蜘蛛の上に乗ったリスっぽい魔獣は、毛並みは茶色ではなく黒に近いこげ茶で、お腹周辺が白色に近い水色だった。

この魔獣がアーグアなのだろう。

まだまだ樹海には私が知らない魔獣がいるようだ。



「私と話したいというのは君たちであっている?」

『自分たちが直接ハルトに会おうとすると討伐されてしまうから、こういう形になったって』

「私にお願いごととは?」

『自分たちの餌である実をつける木々の一部が枯れかけていて、なんとかして欲しいらしいよ』

「なんで私に頼むの?」

『世界樹を治し、ココットに果実がいつでも食べられるようにした、ハルトを見込んでだって』

「ちょっと待った。リンーゴとミカーンが、年中いつでも食べられるということ?」

話を折ることになるが、私はココットの女王の方を向いてに尋ねる。



ココットの女王が頷いている。

『ココットの女王がそうだと、ハルトの加護の力だろうって』

私はリンーゴとミカーンを植えるときに、たくさん実がなれみたいなことは言ったと思うが、年中食べられるようにとは、呪文を唱えていないはず?

もしココットの女王が言っていることが正しいのなら、今後成長促進をむやみやたらと使えなくなる。

『ハルト』アトレが私を呼ぶ。

いけない、また考え込んでいたようだ。



私はウォータースパイダーとアーグアに話しかける。

「待たせてごめんよ。それで木々はいつごろから枯れ始めたのかな?」

アーグアの話だと今年の初夏ごろからだそうだ。

ひどくなる前に食い止めたい。できれば枯れた部分の再生もお願いしたいという。

「これから来てほしいということ?」

『そうだって』

「すぐには解決できないかもしれないけれどいいのかい?」

『ハルトが出来なければ、誰もできないだろうから仕方がないって。そうなったら自分たちは、朽ちるだけだと言っているよ』

そんな、責任重大なことを私に押し付けないでほしい。

プレッシャーになることいわないで!!

「連れと話さないといけないから、ここでもうしばらく待っていてもらえるかな?」




私はリアやカイル隊長たちがいるところへ戻った。

カイル隊長たちに状況を説明すると、みんな口には出さないが、私の顔を見ながら仕方ないかって表情をする。

それってどういう風にとらえたらいいの?

納得はいかないが、みんなこのままウォータースパイダーの縄張りに行くことに同意してくれた。


そして父上への連絡は、シエルに頼む。

樹海前の砦には、父上から連絡してもらえばいいだろう。

シエルは父上に伝えたら、また私たちに合流するらしい。

「シエル助かるよ。またあとでね」

私が声をかけると、シエルは飛んでいった。
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