異世界でゆるゆる生活を満喫す

葉月ゆな

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【リーンハルト:11歳】

第452話 貢献してもらっているから

いつもお読みいただきありがとうございます。

「異世界でゆるゆる生活を満喫す」の書籍が本日出荷予定です。

ここまで、皆様からのお気に入り、いいね、に大変励まされました。

本当にありがとうございます。

引き続き、よろしくお願いいたします。

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エミニーラから馬で領都へ戻っている途中、マイヤーに気になっていたことを尋ねる。

「マイヤー、カイル隊長がウォータースパイダーとアーグアの縄張りって、エミニーラに近いところではないかといっていたよね」

「はい」

「彼らがエミニーラではなく、ラクス村を案内したのはどうしてだろう?」

私の問いにマイヤーたちも同様に疑問に思っていたらしく、隊員で話題になり話し合ったそうだ。

私たちからしたらエミニーラが領都に近い。

しかしウォータースパイダーとアーグア側としては、エミニーラを案内すると、自分たちの縄張りに、今後冒険者たちが来ることを防ぎたかったのではないかという結論になったらしい。


なるほど、騎士団はウォータースパイダーが、基本襲ってこない限りは討伐対象外だ。

しかし冒険者は自分たちの生活がかかっているから、出会えば戦闘になる。

だから人が多いエミニーラを案内したら、何処で自分たちの居場所がバレて、冒険者たちが来るのを防ぎたかったから、ラクス村を案内した。

可能性としては十分考えられるし、アトレたちと話ができるアーグアの考えじゃないかな。

「では、次回もラクス村経由だね」

「はい、その方がよいとカイル隊長も言われていました」

新街でさらに1泊してから、領都の屋敷に戻った。



領都に戻った翌日、私は植木屋さんの店主さんに会いに行く。

「リーンハルト様、お待ちしておりました。また新街の大判焼き祭りに参加してよいとショーンから聞きました。本当にありがとうございます」

店主さんが私に頭を下げてきた。

「いや、いつも相談だけして、お店の売り上げにまったく貢献していなくて申し訳ない。だけど本当に助けて貰っているから、ここも関連工房だよ」

店主さんは私の言葉に笑顔で返してくれる。

「そういっていただけると嬉しいです。今日のお困り事というのは?」

私は店主さんに説明した。


「・・・・なるほど、樹海の同じ土地で実がなっているところと、枯れたところがあるということですか」

「そうなんだ、枯れた木も持参しているけれど、害虫の仕業のようにも見えなくてね」

私は実がなっている土の袋と、枯れた木も一緒に入っている土の袋の2種類を取り出した。

「これは、根まで完全に枯れておりますな」

店主さんは手袋をして、シートを敷いたテーブルに枯れた木を置いて調べ出した。

「害虫が喰った形跡はなさそうです。そうなると土ですかねぇー」


店主さんは奥に行って魔導具を持ってきて、正常な土に魔導具をさし込むと、何やら数字が表れていて、店主さんはメモを取っている。

どうやら土の成分を調べる魔導具のようだ。

そして一度土が着いた魔導具の部分を洗い、枯れた木が入っていた袋の土に魔導具をさし込んだ。

「これは毒の成分数値が以上に高いです。ポイズン系の魔獣が大量に死んだ場所ではないでしょうか?」

「ポイズン系の魔獣1体ではなくて大量ということ?」

「はい、1、2体ぐらいではこのような数値にはなりません。大量でも焼却することで土への影響は微減にまで下がりますから、自然に分解されて正常の土に戻ります」

そういえば、騎士団だと回収不可のポイズン系魔獣は討伐後焼いていたな。

急ぐ場合は火魔法で炭にしていた。


「まずは毒の浄化が必要ということかな?」

「はい、そうですね。ただ、ここに置いてある毒の浄化薬は、この数値に対応できるものではありません」

このお店は一般家庭や通常の農業向けだろうし、滅多に毒の浄化なんてしないだろうから、薬を置いてあることがすごいと思う。

また他のお店に行っても樹海対応の毒の浄化薬はないだろうしな。

よし、自分で作るか!


「このお店で一番強い毒の浄化薬を全部買っていいかな」

「かまいませんが、これだけ高い毒の濃度には、効かないですがいいですか?」

「構わない。ちなみにこの浄化薬だと、何倍まで濃縮すれば効果があると思う?」

「そうですねぇー、9~10倍といったところでしょうか?」

「あとこの魔導具、貸してもらえる?」

「かまいませんが、たぶん庭師の方もお持ちだと思いますよ」

花や野菜名などを植える際に土の成分を確認して、足りない成分を肥料で補うための魔導具らしい。

この店のものは業務用で細かく成分がわかるらしいけれど・・・・。


我が家の庭師のトムさんに聞いて我が家になければ、騎士団か庭師で一つぐらい保有していてもよさそうだ。

店主さんから毒の浄化薬を買いつけ、店を出る前に思い出した。

「そうだ、これ」

私はマジックバッグからパウチした紙を取り出し、店主さんに渡す。

店主さんは受け取った紙を見て固まってしまった。

「迷惑だったかな?いつも相談だけだったけれど、アドバイスは的確ですごく助かっているから・・・・」


私が渡したのは、店主さんの名前入り、ウエストランド領限定の植物マイスター認定証だ。

もちろん認定した私のサインもある。

ジョルジュにマイスター認定協会や、職種ごとの免許制度があるのか尋ねると、「ない」との返事だったから、領内限定ならいいだろうと感謝の気持ちで作ったものだ。

質問に答えてくれたジョルジュには怪訝な顔をされ、何をするのですかと問い詰められたけれど・・・。


実際店主さんには、アイスクリームを入れるカップや世界樹候補の若木の件ですごく貢献してもらっているからね。

嘘ではない。

ただ他の工房と違うところは、それが店主さんのお店の利益に繋がっていないから、申し訳なく思っていたんだ。

「本当に、いただいてもよろしいのですか?」

店主さんは認定証から目を離なさず確認してきた。


「もちろん。本当のことだし、今回も店主さんのお陰で樹海の問題ごとが解決すると思う。だから私は自信を持って、店主さんを認定したんだ」

ただ店主さん自身を認定したのであって、お店を認定したわけではないことは強調した。

「ありがとうございます。この名に恥じないように、これからも勉強を続けます」

「喜んでもらえてよかったよ。これからもよろしく頼むよ」
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